『名牝系』華麗なる一族 〜ステラマドリッド(Stella Madrid)編〜活躍馬まとめ
競走馬の世界には牝系という概念があります。
牝系とは、家族の考え方を競走馬の世界に落とし込んだもので、『母』や『母の母』、『母の母の母』というように母方だけを辿っていく概念になります。
そもそも何故この考え方をするのというと、
サラブレッドには
『thorough』[完璧な、徹底的な]『bred』[品種、育ち]
という意味があり、より優秀なものを生産していくというのが目的であるため、1年に1頭しか産めない牝馬と違い、牡馬は種付けすれば父親になれるので、優秀な馬しか父親になれないという理由があります。
優秀な馬しか父親になれないという事は、父親で大きな差は生まれにくく、母親で差が生まれることになります。
それは何代続けても同じ事が言えるので、結果的にこの牝馬は、、からこの牝系は、、という考え方になっていきます。
結果的に牝系ごとに評価される事となり、優秀だとかそうでないとかという話になります。
セリなどではその評価の差が価格に反映され、大きな差が出ます。
たとえ母親が競走馬として優秀ではなくても、牝系が優秀だと高値で取引されます。
そういった馬から強い馬が現れるのはサラブレッドの世界では日常茶飯事なので、バイヤーはあまり気にしないですし、むしろ活躍していない事から少し安くなるので多くのバイヤーが狙う馬にもなります。
牝系について長々と書いてきましたが、この記事では、世界中で活躍するステラマドリッド牝系についてまとめています。
ステラマドリッドについて
ステラマドリッド Stella Madrid [米]
父 Alydar 母 My Juliet 母父 Gallant Romeo 生年月日 1987年05月15日
通算成績:米16戦6勝 (6-2-2-6)
主な実績:エイコーンS(G1)1着、フリゼットS(G1)1着、スピナウェイS(G1)1着
米を中心に活躍しているMy Bupersの牝系出身で、G1を4勝した名競走馬であり、繁殖としても活躍馬を輩出。
母母のMy Bupersの他の枝葉からは、種牡馬としても大成功したハーツクライがいる。
牝系の活躍馬
ライラックスアンドレース Lilacs and Lace [米]
父 Flower Alley 母 Stella Madrid 母父 Alydar 生年月日 2008年04月06日
主な実績:アシュランドS(G1)1着
代表産駒:ラッキーライラック
ラッキーライラック
父 オルフェーヴル 母 ライラックスアンドレース 母父 Flower Alley 生年月日 2015年04月03日
主な実績:阪神ジュベナイルF(G1)1着、エリザベス女王杯(G1)1着、大阪杯(G1)1着
アーモンドアイが出てくるまでの世代最強馬で、桜花賞では1.8倍の1番人気だった。
オルフェーヴルの代表産駒でG1を4勝した名牝。
アイルドフランス Isle de France [米]
父 Nureyev 母 Stella Madrid 母父 Alydar 生年月日 1995年03月30日
主な実績:ヒルズバーロウH(G3)1着、ミネルヴ賞(G3)1着
代表産駒:ミッキーアイル
ミッキーアイル
父 ディープインパクト 母 アイルドフランス 母父 Nureyev 生年月日 2011年03月12日
主な実績:NHKマイルC(G1)1着、マイルチャンピオンS(G1)1着、毎日放送賞スワンS(G2)1着
代表産駒:メイケイエール、ナムラクレア
ディープインパクト産駒ながらマイル以下の距離で活躍した異質のディープ産駒。
産駒はパワー型に出やすく、牡馬はダート、牝馬は芝といった棲み分けができている。
種牡馬として非常に優秀な成績を残していながら評価はそれほど高くなく穴種牡馬と言える。
タイセイスターリー
父 マンハッタンカフェ 母 アイルドフランス 母父 Nureyev 生年月日 2014年04月09日
主な実績:日刊スポシンザン記念(G3)2着
アエロリット
父 クロフネ 母 アステリックス 母父 ネオユニヴァース 生年月日 2014年05月17日
主な実績:NHKマイルC(G1)1着、毎日王冠(G2)1着、安田記念(G1)2着
クロフネ牝馬らしく東京マイルを最も得意とし、牡馬とも互角に戦った名牝。
良績は東京に偏っており、同牝系らしい粘り強さで自分のスタイルに持ち込めば強いというタイプ。
マキャビティ
父 デュランダル 母 エアラグドール 母父 Storm Cat 生年月日 2011年04月03日
主な実績:兵庫ジュニアグランプリ(G2)2着
ダイヤモンドビコー
父 サンデーサイレンス 母 ステラマドリッド 母父 Alydar 生年月日 1998年05月25日
主な実績:関西TVローズS(G2)1着、サンスポ阪神牝馬S(G2)1着、エリザベス女王杯(G1)2着
バーナードループ
父 ロードカナロア 母 ステラマリス 母父 サンデーサイレンス 生年月日 2017年05月17日
主な実績:兵庫チャンピオンシップ(G2)1着
まとめ
いかがだったでしょうか。
この牝系は様々な種牡馬から活躍馬が出ており、汎用性の高さを感じます。
繁殖としては、ミッキーアイルが種牡馬として優秀な成績を残しており、今後も人気種牡馬として活躍し続けるでしょう。
またG1で活躍したラッキーライラックとアエロリットの産駒が未デビューということで、産駒には期待がかかりますね。
この牝系は、全体的に牝馬に活躍馬が多く、ミッキーアイルの産駒も牝馬が優勢です。
この事からも今後も活躍し続ける牝系ではないかと思いますので、引き続き注目ですね。