サモエドカフェってどうなの?

今流行りのサモエドカフェ

サモエドカフェについて

今巷では、サモエドカフェってのが流行っているらしいですね。
元々この流れは韓国で流行って日本にも入ってきたらしい。
さすが今最先端を走ってる国って感じですね。
日本での流行りの種火は東京の原宿にある『サモエドカフェmoffu』ってお店らしいです。2024年12月10日にオープンして国内最多の15頭のサモエドがいて、モフモフで可愛いサモエドと直接触れ合えることから人気が出ているらしいです。
カフェのコンセプトは日本の文化を象徴しているのか、『江戸時代』で和風な内装みたいですね!

サモエドという犬種について

ただこんなことを言うのも野暮ですが、サモエドはロシアのシベリア地方に起源がある犬種で、極寒地方で狩猟、牧畜、そり引きなんかで活躍していた犬なので、江戸時代をコンセプトのお店に合うのかは『?』な気がします。笑
ちなみにサモエドって犬種の名前は約3000年以上前からサモエド族に飼育されていたことからきているらしいです!民族名から来てるってちょっとおもしろいですね!笑
性格も基本的に温厚で社交的な性格、人懐っこくて家族に対しても愛情深い子が多い、頭も良くしつけがしやすいので初心者の方でも飼いやすい犬種と言われています。
まあサイズは大きいし抜け毛も多いので、美容面で見ると一般家庭で飼いやすいかは微妙かもしれませんが。

率直な感想

昔から犬カフェとかもあるにはありますし、事情があって犬を飼えないけど犬が好きだよ。って人とかもいると思うので、ちゃんと犬が管理されて可愛がられているなら全然文句はないし、まあビジネス的にも面白いんじゃないかなあと思います。
ただ、犬の流行って言うのには賛同できないし、無理にそれを流行らせることも反対ですね。日本人はまだまだ犬を『家族』と言いつつ無意識下では『マスコット』として扱っている面があると個人的には感じます。
このサモエドカフェのできた経緯まで知りませんが、例えばサモエド達は大きなワンちゃんでなかなか貰い手もいなくて、どこかから保護されたものの困っている。とかが原因にあって、けどとても良い子達だし、サモエドの良さも知って欲しいので、サモエドカフェとしてオープンして、色んな人に可愛がってもらえる場所にした。とかなら良いなと思います。
でもサモエドっていう犬種のモフモフで可愛くて大きなぬいぐるみみたいだからそういうのを人は抱きしめたくなるよね!でも家では買えないし、それがカフェにいたら流行るんじゃない?っていうビジネス視点で初めているんだとしたら、お金儲けに利用している方向ではあまり賛同できないなと感じます。
綺麗事かもしれませんが、犬を絡めた商売をしている側として犬が不幸せになるやり方は好きじゃないなと思いました。
ビジネスに犬が関わるのだとしたらできる限り、そのビジネスをすることで犬が幸せになる方向が好ましいと思います。

犬種の流行り廃り

流行りの歴史

そして、犬の流行り廃りについてもう少し言及したいのですが、過去には当然ながら、日本の中で時代によっての犬の種類に対しての流行りがありました。
今、基本的に日本人は小型犬を好む傾向にあると思います。ざっと一覧で挙げると、

1980年代 シベリアン・ハスキー:漫画の影響で人気がでる
ラブラドール・レトリーバー:大型犬ブームで人気がでる

1990年代
マルチーズ:小型犬の中で人気が出ました
シーズー:この時期に人気犬種になりました

2000年代
ダックスフンド:特にミニチュアが人気が出ました
チワワ:小型犬の代表として特に都市部で人気が出ました

2010年代
トイ・プードル:2008年から不動の1位。飼いやすさや可愛らしさから支持を得ている。
MIX犬:特に10kg未満の小型犬が人気を集めた。

2020年代
1位トイプードル
2位MIX犬
3位チワワ
4位柴犬(豆柴含む)

このように年代により犬種的な流行り廃りがこれまで繰り返されてきました。

犬種流行の弊害

以上のような流行り廃りが起こると、やはり様々な問題も発生します。
それは流行りの犬種の乱繁殖です。日本において、この問題は深刻な問題となっています。ビジネス的な考え方をすると当然起こる現象ですが、流行が生まれると需要が高まります。それに対して供給を上げることは必然となります。
なので、今不動の1位ですが、トイプードルが流行ってきたタイミングでは、トイプードルを飼いたい人が今まで以上に増える。だからトイ・プードルの子犬をいっぱい産ませて流通量を増やせば儲かるという流れになりますね。
確かにそうなんですが、これがただの作ったもの、食べ物なんかなら製造すれば済むのでそこまで問題にならないかもしれませんが、流行り出したからと言って繁殖犬の母犬に『今まで1度の出産に3頭だったけど5頭にしてくれ!』って言って増えるものでもありませんし、人間で例えればわかりやすいですが、世の女性の方達も出産はとても大変なことですし、それこそ体に怪我を負いながら命を生み出す行為ですよね?
そんな大変な行為なので、母犬だって同じで1度出産したら体を休める期間も必要だし、出産できる回数だってある程度決まっています。
そんな中、流行ったからといって流通量を増やそうとすると、絶対に無理な計画での出産をせざるお得ないですよね。
だからこそ物と違って生きている生物として流行りがあるのはどうかと思ってしまいます。

乱繁殖の定義と背景

ちなみに、乱繁殖の定義とは計画性のない繁殖行為を指し、特に人気犬種の大量生産を目的としたものが多いです。
これにより、犬種本来の特性が失われたり、健康問題を抱える犬が増加することが懸念されています。

乱繁殖による犬への影響

日本では特に小型犬が好まれている傾向だと前述していますが、単純に小型犬の繁殖による影響だけでなく、小型犬の更なる小型化も問題に拍車をかけている状況でもあります。
それらにより、膝蓋骨脱臼などの遺伝的疾患が一般的になったり、他にも犬の遺伝的多様性が失われて、特定の遺伝病が広がるリスクが高まります。
近親交配が繰り返されることで劣勢遺伝子が固定化されて、関節疾患や水頭症などが発現しやすくなります。
少しずつ繁殖基準が厳格化されてはいるものの、その一方で健康状態を無視した繁殖で健康問題を引き起こしています。

繁殖犬の引退問題

また、それらの繁殖問題を解決するべく法律の改正により、飼育頭数や、出産回数に制限が設けられるようになりました。しかし、その結果繁殖引退犬が増加しています。繁殖の役目を終えた後は手放されることが多く、ただ貰い手も見つからないため行き場を失ってしまいます。
推定ですが、10万頭以上の繁殖犬が保護施設にいるとされていて、これがまた新たなペット業界の問題となっています。

結論

もしもサモエドが流行った時の予想

これらのことを考えると無闇に犬の流行を作ることで、乱繁殖を誘発するのは良いこととは思えないですね。そして、日本人は小型犬を好む傾向にあるので、例えばこのままサモエドがめっちゃ可愛いと流行った場合には、『でもサモエドって大きくてなかなか家では飼えないよね。』という流れになり、そうすると悪い人は『じゃあサモエドの小さい個体を繁殖させて作ろう!』とか考える人が出てくるんですよね。
そして、あまりその辺りを考えていない人もいるので、単純に『可愛い!!』と言って飼おうとしてしまい、需要が生まれると供給も加速します。

前述しましたが、乱繁殖の中で犬の小型化も問題になっています。過去にも柴犬が流行ったので小型化して豆柴が流行り、トイ・プードルが流行るとまた小型化してティーカップ・プードルやらタイニー・プードルが生まれました。
そういう無理に小型化された個体は決まって短命です。健康問題を抱えている子も多いです。そりゃ、単純に考えても元々の大きさで適切な体だったのを小さくしたら、内臓がギチギチになるしどこかしら異常が出てもおかしくないですよね!

トリマーとしての願い

私は日々、トリミングサロンで働いてきている中で、そんな健康問題を抱えた子や小型化されて短い命で亡くなってしまった子も実際に見てきました。
やはり、気持ちいいものではありませんし、いずれ亡くなる時は当然くるのですが、できる限り健康に少しでも長く過ごして欲しいし、トリマーという職業は獣医ではないので、病気を治したりはできませんが、定期的に美容することで、その犬の状態を見て飼い主様が気づかない異常に気づいてあげることで、病院に行くきっかけを作るという役割もある職業です。
だからこそ、犬達の抱えている健康問題なんかもよく相談もされます。
健康問題はなくなりはしませんが、そういったペット業界の問題から起こる健康被害は亡くなって欲しいと思います。

そのためにもできれば、犬を飼っている方、これから飼う方にもそれなりの知識を持って欲しいし、学ぼうとして欲しいです。少しでも多くの人にこの気持ちが届くと嬉しいです。

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