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No.196 2024年10月 与党過半数割れ 第50回衆議院議員選挙
石破茂氏が9月28日に自民党総裁に選出されました。
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石破茂氏は総裁選の中で、「衆議院の解散は直ぐにはしない」ということを述べていました。ところが、総裁に就任した直後、まだ総理大臣には決まっていない段階で10月27日に衆議院議員選挙をすることを表明しました。私は今までの石破氏のイメージが全く変わってしまいました。おそらく多くの国民も同じように感じたことでしょう。このことで自民党が過半数を割ってしまったことにつながったと思われます。もちろん、自民党の裏金問題や統一教会との関連などいくつか要因もあったでしょう。2023年には日本共産党の機関紙『赤旗』のスクープをきっかけに自民党の裏金問題が大きな政治問題に発展しました。2024年9月17日『朝日新聞』朝刊に「安倍氏、旧統一教会会長と面談か」の見出しのスクープが載り、自民党と旧統一教会の関連が再燃しました。
さらに2024年衆院選終盤に、『赤旗』が自民党非公認の候補者に2000万円を自民党が配布したというスクープが世間を騒がせました。
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第50回衆議院議員選挙の結果は、自民党の過半数割れだけでなく公明党との与党が過半数割れを起こしてしまったのでした。場合によっては政権交代の可能性まであったのです。
ここで今回の選挙に関して周辺的な話題について述べます。
「第50回衆議院議員選挙」とありますが、第1回はいつのことでしょうか。
1890年(明治23年)7月1日です。134年前です。日本初の衆議院議員選挙(総選挙とも言います)の投票率は93.7%でした。選挙権は直接国税を15円(今の額にするとかなり高額になるようです)以上納税した25歳以上の男子に限られ、被選挙権も同額の国税を納税した30歳以上の男子とされていました。この時の有権者(選挙できる人)の割合は1.1%程度とされています。この時当選した人の中には、足尾銅山鉱毒事件で有名な田中正造氏もいます。栃木県3区で選出されました。
選挙前に各種メディアが選挙結果の予測を報道しています。以前から『週刊文春』の予測がよく当たるという評価がありましたので、その予測と結果を比べてみました。
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この誌面を使い予測と結果はどうであったか、書き込みながら調べてみました。
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自民党が197議席との予測は191議席でしたのでほぼ完ぺきな予測でした。公明党の24議席合わせての与党の議席は215議席で過半数の233議席を下回りました。
私は小選挙区289の予測と結果を比べてみました。私の拙い調査ですが、289選挙区のうち予測がはずれたのが23で、8%のはずれとして92%の予測が当たっていたという素晴らしい予測力でした。
ただ、国民民主党の予測議席は11でしたが結果は28議席でここは大きく外しています。
各党の議席予測と実際獲得議席は以下のようでした。( )が獲得議席。
自由民主党 197 (191)
公明党 25 ( 24)
立憲民主党 153 (148)
日本維新の会 42 ( 38)
日本共産党 12 ( 8)
国民民主党 11 ( 28)
れいわ新選組 6 ( 9)
社会民主党 1 ( 1)
参政党 2 ( 3)
日本保守党 5 ( 3)
無所属 11 ( 11)
今後、日本の政治はどのような方向に進むのでしょうか。当面、国民民主党がキャスティングボード(第三の少数勢力が決定権を握る状態のこと)を得るのでしょうか。日本の政治から目を離せません。