【ベトナム】自粛緩和後の国内ビジネス概況
未来に繋げるための道筋を作る方が、必死に営業して売上作るよりも良い気がしてきた。しかし、資金が枯渇していく企業においては傷が深くなる前に閉じるのも手だろう。状況が活性化してから、別事業でも同事業でも再び経済活動をするのが良いかと思う。(前回)
前回とは異なり、ベトナムのコロナが市内感染が落ち着き、管理されてない新規感染は長く発見されていません。ベトナム国内でも新規感染は発見されていますが、帰国者の陽性発見や陰性後の再陽性という政府が認識想定している範囲内でのコントロール下にある事例のみです。この点でベトナムはコロナを制圧したと言っても過言ではないと思います。
懸念としては国境を開放したり、制限付きとは言え空路での渡航を大きく解除してからの感染です。しかしどの国も同様にこのリスクを抱えていながら、それぞれの決定に基づき開放していくことになります。
現在ベトナムの内需産業は一部ではコロナ前のように盛況になりつつあります。一方で海外と密接に結びつき、人を介して行う業態のビジネスはまだまだ悲惨という言葉が正しいくらい落ち込んでいます。
簡単な例を挙げるとホテル業です。国内移動の空路制限が徐々に緩和されても海外から圧倒的な観光客を呼び込むハノイやホーチミンの大都市では、一部のホテルは開業していますが多くはまだ開業していません。レストランについても一部閉店あるいは運営を止めてしまった店舗もあります。
第三次産業が被ったダメージは相当になっています。既に視覚的に閉店や休業の店舗を多数確認することが容易になっているくらいです。
また5つ星ホテルも開業し始めていますが、国内移動のみに制限されているため必要に応じた移動及び宿泊で利用されているので、数ヶ月前のような海外からの出張者や観光客は皆無になっています。そのため空き室率も非常に高く、ロビーにいる人もわずかです。そして宿泊施設としてではなく催し物を開催する際に利用されるボールルームの利用もまだまだ低いです。
これは不特定多数の大人数が一箇所に集まることをリスクと考える主催者側と開催に際して許認可を得るための書面の不許可率、参加希望者の少なさなど複数の要因があります。
客室は基本的に専門業者により清掃されてからの開業が推奨されています。
入館前に入口で検温することは多数の施設で一般化されています。
中規模ホテル(30〜50室規模)のホテルでは観光客メインの売上に依存してたので、自粛緩和後でも影響があり開業してないホテルが多数です。
一方で、飲食店には活気が戻りつつあります。特にベトナム人経営のベトナム人向けのベトナム料理店です。
今まで自宅にいる時間が非常に長く、友人とも会えない日々が多かったため、開店と同時に多くの旧態依然の親交を深めるべく繁盛してきています。やはりベトナム人も気心の知れた仲間と共に食事して、お酒を飲むことが大好きです。これは今の日本では到底考えられないことだし、光景でしょう。
ベトナム国内のみを見ると、空港及び市内各所で活気が戻ってきています。しかし、深刻なのは諸外国とビジネスをしているケース、そして諸外国からの人にサービスするケースです。ここについては日本同様に今後の見通しが立てづらく、中には計画的に事業を断念して、新規ビジネスに移行する企業も出てきています。
ただそれでも1月末から5月までベトナム政府は国民と共にコロナウィルスに対して懸命に戦い、抑え込みに成功しました。
4月1日全国規模での流行を宣言したフック首相ですが、その後約50日後には下記の宣言です。
5月19日にコロナウィルス感染症の終息宣言をしました。見事です。
日本との比較が一概にはできませんが、「社会主義だから」「法律より人治国家だから」ということは理由になり得ないかと思っています。ロシアや他の社会主義の国を見てください。
ベトナムはベトナムの医療環境・人の流入経路・人口分布などを総合的に理解して分析し、優れた決断の延長線上に今の結果があると思います。非常に優れたトップの決断だと思います。
なので、第三次産業の一部にはまだまだ明るい光は見えてきませんが、どこを見ても暗闇よりは良いと思います。まずは国内の状況を鑑みて、売上確保に行くのか、撤退と新規事業に行くのか、開店休業で耐えるのか、それぞれの経営者がそれぞれの全てのリソースを見てベトナムの首相のように判断していくに尽きると思います。
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