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【第4夜】2024.11.30 dipワンマン「LABO TOUR」@下北沢CLUB Que

いやー凄いものを観てきてしまいました…

今回はdip(ディップ)のニューアルバムを引っ提げたワンマンツアー千秋楽ということで、下北沢ではシェルターに並ぶ老舗のCLUB Queに行ってきました。

チケット前売ソールドアウト。当日券もなし。
早目に買っててよかった

まずはこのライブハウスについて少し。

1.CLUB Queについて

今年で開業30周年!!

CLUB Queは1994年に営業がスタート。今年は30周年のメモリアルイヤーです。

下北沢駅から徒歩5分以内、ファーストキッチンの入るビルの地下にあります。地下2階分階段を降りると入口とチケットカウンターがあり、その奥にバーカウンター、ステージがあります。

バーカウンター。向かいにステージがあります

収容力はシェルターと同じ250人くらいですが、ステージおよび客席はシェルターよりも横に長く縦に短い感じです。

音も良いが照明のバリエーションが多いのも⭕️
左手にはモニター設置

過去の出演者で今も現役のバンドを見ると、氣志團、くるり、スキマスイッチなど今や大きな会場でやらないといけないようなバンドがたくさん。下北沢ではメジャーシーンへの登龍門的な場所として、今も若手バンドが鎬を削っています。

もちろん古参のバンドもたくさん出演してくれており、ペルー世代のミュージックフリークがほくそ笑むようなラインナップで日々ライブが行われている場所です。素晴らしい。

ちなみに携帯は圏外になってしまうので、そういう部分でもライブに集中できる環境です笑

次にこの日の主役、「dip」というバンドについても少し!

2.dipについて

これは、公式サイトから転用するのが間違いないので…↓

ヤマジカズヒデ(gtr./vo.)・ナガタヤスシ(b.)・ナカニシノリユキ(ds.)によるオルタナロックバンド。炸裂するギター、ソリッドなのに浮遊感のある音像は観客を魅了し続けている。2015年には「ARABAKI ROCK FEST.」に出演、Televisionほか海外アーティストとの共演など、1991年の結成以来、現在も常に挑戦的な姿勢は他の追随を許さない。

ヤマジは2013年より「FUJI ROCK FESTIVAL」に毎年出演するほか「ナイン・ソウルズ」をはじめとする豊田利晃監督作品の映画音楽を多く手がける。近年はクラウトロックに傾倒、ベルリンをはじめ海外での数々のセッションに参加、バンドの楽曲群にその体験が反映されている。ナガタは長年にわたりThe Ding-A-Lingsでも活動、ナガタ+ナカニシはDIAMONDS名義で山口冨士夫トリビュートライブに参加するなど、昨今ではメンバー個々の活動もめざましい。

dip公式サイトより転載

という感じです笑

ペルーとの関わりについては、高校生の時にアルバム「TIME ACID NO CRY AIR」に出会い、その激しくも大人なサウンドに惹かれる曲もありながらも、全体的に見て当時はあまりピンと来ず、アルバム「WEEKENDER」を最後に耳から離れていました。なのでもちろん生でその音を体感することもありませんでした。

当時流行っていたメロコアやハードコアにどハマりしてしまい、単純に盛り上がれる曲を志向していたのも原因だと思います!

それから20年近く過ぎて。たまたまニューアルバム出たんだ、ふーん…ととりあえずネット上で試聴した時。
えっdip、凄くない!?となったんです!

2023年12月発売「HOLLOW GALLOW」↓

ペルーの耳がやっとdipに追いついた瞬間です笑
これが縁で、今回のライブ参戦に結びついたわけです。いつどんな音楽にハマるか、分からないものですね!

3.LABO TOURについて

以上、前書きが多くなりましたがここからライブのレビューをしていきたいと思います。
(写真撮影禁止だったので、今回演者の写真はありません)

開演時間19時を10分ほどすぎて、フロントマン、ヤマジ氏とサポートキーボード細海魚氏が登場。
ヤマジ氏、黒シャツに年期の入った赤いギター(ジャズマスター)といういで立ち。加えてペルーが知った時から変わらない印象のサラサラショートカット。ゆったりと、曲が始まります。

魚氏の奏でるドリーミーな音と、ヤマジ氏のエフェクター(ギターの音を変える機械)を駆使したレンジの広い音像…
もうこの時点で異世界体験、怪しげな洞窟の奥に引き摺り込まれていく感覚。そして高まる期待。

冒頭のインプロが終わり、いよいよベースのナガタ氏、ドラムのナカニシ氏が登場。そしてニューアルバムのファーストトラック「Krauteater」が始まる。満員の客席が一気に沸き立つ!

dipの誇る鉄壁のリズム隊、ナガタ氏が高い集中力で奏でる硬質の繰り返しフレーズと、ナカニシ氏の細い体型ながらパワフルで軽快なドラミングが、ヤマジ氏の存在をさらに際立たせる。

二人が安定しているからこそ、ヤマジ氏のギターがフリーで暴れ回れるんですよね。

次の曲、duelからヤマジ氏のボーカルが入る。独特のクセはあるものの割と線の細い声なのに、爆音ギターが全然歌を邪魔してないのは、ヤマジ氏の職人がかった音作りの賜物ではないかなと思った(良くXで音作りについてつぶやかれている)。

曲が進む度に勢いを増す、ギター。まず、単純にプレイがうまい。そこに独特のルーズさがブレンドされ、そして沢山のエフェクターを曲によって使い分ける巧みさが加わる。

MCはほぼ無いに等しいし、クールで無表情な人なんだけど、ギターで話し、音に感情を乗せている。

時に耳を撫でるように優しく、時に鼓膜を破りに来るほど凶暴。
この人の内面はいったいどうなっちゃってるの!?と思った。その位、底知れない!

そんなヤマジ氏の脳内が色濃く反映されたdipの楽曲は、明るくも暗くもない、中性で中庸なイメージ。そこにヤマジ氏の抽象的な詩が乗り、ミステリアスな空間ができあがる。
しかしながらガツンと行くところは行く王道のロックンロールなところも感じるし、本当に聴いててスリリングで面白いです。

この日はこのnoteで紹介したtoddleの田渕ひさ子女史も参加(半分くらいの曲でいたのでは…ほぼメンバー)し、ヤマジ氏とのギターによる会話を楽しんでいるようでした。

若い頃からヤマジ氏の大ファンだそうで、曲をコピーしようとして挫折した経験があるらしいです笑
憧れの存在と一緒に演奏…ってどんな気持ちなんだろう。

ひさ子女史との「空に揺れたい」最高過ぎました。
この高速ギターカッティングが生で聴ける幸せ…。

この日はなんとアンコール3回(!)に応えてくれたdip。

以下のポストで分かるように、3回目は予定に無かったらしく笑 「もうやる曲ないんだけど」(ヤマジ氏)とつぶやきながらも、ぶっつけでラスト一曲やってくれるあたり、ショーマンだな〜と笑
来年春にまた。と言い残して去って行きました。

こちらこそ!またこの深い深い洞窟に、引き摺られに来るよ。

↑エフェクターの並べ方が美しくて最高

それでは、今回はこの辺で。
またお会いしましょう!

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