[GTO理解]Ahi/Khi board レンジ安CB→ターンA/Kがペアった時の処理[BTN BB SRP]

前提

・これまで、AハイボードやKハイボードはPreflopのレイザーが有利なのでなんとなくレンジ安CBを打っていた。(Aハイボードはプロテクションの必要がないためある程度頻度は下がるよね。くらいの理解)
・しかし、ターンのカード次第でどのようにアクションを分岐させていくかというプランに欠けていた。
・なんとなく、ターンでフロップのハイカードがペアるとオリジナル側に有利そうだが、実際にWizardを見てみるとそうとも言えない結果が得られたので、考察してみよう。


設定

・6max BTN vs BB
・Rake : 5% 0.6bb
・Eff :100bb
・Betsize : 簡略 (hero IP)
・Board : A72r A, K72r K (ターンペアの影響をピュアに見るため極限までドライに設定)

分析

※BTN視点で書いています

【Ahi ボード】
・EQチャート:70%くらいまで負け。それ以上(7hit+)は拮抗。
 ・EQ,EVやや負け。EQR勝ち。
・Bet43% (Half 基調)
 ・バリュー下限:7hit 中kicker
 ・ブラフ:Qhi弱kicker ~ 8hi
 ・betに対する相手のIDライン:KT, QJ, Q2, 66-33

【Khi ボード】
・EQチャート:70%くらいまで負け。85%くらいまで(Pocket vs Pocket)やや勝ち。それ以上(K trips+)拮抗。
 ・EQやや負け。EV,EQR勝ち。
・Bet頻度40% (Half30%, Potover10%)
 ・Halfバリュー下限:7hit 弱kicker
 ・Halfブラフ:Qhi以下ごちゃ混ぜ
 ・Potoverバリュー下限:KT
 ・Potoverブラフ:98, Qhi~Thi

考察1 ナッツ群(Trips)のコンボ数

・なんとなくAやKがペアるとオリジナルレイザー(BTN)有利かと思っていたが、EQ/EVはゴリゴリに負けている。
・その要因としては主にナッツ群のTripsは拮抗している上で、BTNはFlop広いレンジで打っておりハイカードもかなりのコンボ数ターンに持ち込んでいる事による。
・Ahiボードの方がプロテクションの観点からFlopCB頻度が低く(55%)、CB率高いKhiボード(88%)に比べターンに持ち込めているAの数が少ない(ターンのA/Kコンボ数[BTNvsBB] A:44vs36 K:51vs20)
・結果的にターンKペアボではイカついPotoverも混ぜたベット戦略を取っているのに対して、AペアボではHalfのみにとどまっている。

考察2 EQチャートとベット戦略のズレ

・そもそもEQチャート上でもガッツリ負けているし、数値的にもEQ,EV周りだけ見ると不利なのにも関わらず、AhiでもKhiでもわりとガシガシ打っているのが面白い。なぜだ。
・EQチャートの形的にはBTNが負けているが、ポジションとアグレサーである事を活かしてBTNがBetすると、BTNの7hitのEVは0に近くなりかなり厳しい状態に追い込まれる。
・そのため、EQで負けていてもEQRで勝っているような状態にターン開始時点でなっており、そのアドバンテージを最大化するべくBTNはEQチャートに見合わないBetをしている(?)。というかむしろEQチャートでは負けているので、レンジ全体のEVの源泉がそこなのでBetインセンティブが強い(?)。ポーカーにおけるポジション持ち、アグレサーの2要素が強すぎ問題。
・もしくは、考察1のコンボ数の切り口で考えてみる事もできそう。BTNサイドは、強い部分のコンボ数の「割合」でみると負けているが、「数」で見ると勝っているので、ハイカードの雑魚EQを切り捨ててポラーに仕掛けにいっている(?)

考察3 他のターンカードと比べた時どうなのか

集合分析比較 [Khi->Kペア, Ahi->Aペア]

・基本的に、BTN側がレンジで打ったCBに一方的に含まれる(打たれる側では落ちている)ところ(8hi+)が落ちると、ベット頻度が高まる。AhiボードはKハイボードにくらべこのエリアのベット額がクソデカ(185%)ジオメトリックオンリー戦略を採用しているのはなぜ(?)
・ペアると、わりとBet頻度は高いが安めの傾向。先述のナッツ群拮抗の話で、他のボードに比べると思い切ったサイズは使えない(?)
・ミドル/ローがペアるとバレル頻度が最低になる。
・AhiボードとKhiボードでややテクスチャが違うのは、Kハイボードはレンジ全体で高頻度(88%)でFlopCB打っているがAhiボードは中頻度(55%)なこと、またそれによって選定されているコンボが変わってきている影響が大きそう(例えばAhiボードはKのbetコンボ少ない)。
・ここらへんは、現実だとどういったコンボをCBに混ぜてくるか人によりそうなので、都度相手がターンに持ち込んでいるコンボの種類と濃度を考えるのが重要そう。

GTOの想定しているFlopCBレンジ比較

新たな研究テーマ

・他のポジション関係や3RPだとどう変わるか
・今回はオリジナル=IPだが、オリジナル=OOP(Blind HU, UTG BTNなど)の場合どう変わるか。(EQチャートで負けているのに割とバレル打つ。EQRが高い。みたいな状況が生まれるか)
→この場合、UTG BTNだとコールレンジにAが多い的なGTOが想定してるプリフロコールレンジの部分で均衡解が影響を受ける部分デカそう。

・Qハイボ→Qや、ドローが多いウェットなボードの場合など少しテクスチャをズラした時の変化

・ターンペア以外のカードが落ちた時のベットサイズ/頻度の変化(主にRuseAIのベットサイズ:オートマティックを使って)


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