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【日記】 メメント・オシ (推しを推さなくなる時が来るのを忘れるな)
「推しは推せる時に推せ」……
このアイドル界隈からネット全体に波及していったらしいコレ、いたることろで揶揄されています。
僕も(ファンに"類する"んじゃ無くてお前が推しってカテゴリに"入れる"側なのかよ?)……と思うけど、それでも一番最初に口にした人は切実だったんだと思う。
後悔とやるせなさを感じます。辛い言葉だ。
僕も今月(3月)いっぱいで解散する大好きなバンドがあるんです。
the chef cooks me。最初は大所帯だったのにもう一人になっても活動している真っ最中のバンドでした。ここでは推しとします。
この際だから恥ずかしげもなく言わせてもらうんですけど、このバンドと出会うきっかけになった「回転体」っていうアルバムが僕の作りたい音楽ど真ん中ストレートだったんですよ。
暖かいポップスがきゅうぎゅうに詰まっていて、それが嬉しすぎて「あ、この人達に付いていけば良いんだ」って本気で思ったもんです。
「四季に歌えば」が一番好き。
特別人気では無かったけれど、それでも20年近い歴史があるバンドだったし、一人になってからも結構活動していたもんだからまだまだ続くもんだと思ってたんです。
アニメのEDを作曲したりドラマ主題歌になったり、家入レオの作曲とかKANA‐BOONの編曲をしたり。映画「missing」の劇中歌も作ったりしたんですよ。
こう思いました。(いよいよ反撃はこれからですよ)と。別に誰に負けてるわけでもないけど。
でも丁度一年前に解散が発表され、あっと言う間にその時になり、彼は一人でバンドを解散をすることになった。豪華なサポートメンバーは沢山いたけど。
the chef cooks meは、来年2024年3月のライブをもちまして活動を終了いたします。
— the chef cooks me (@TCCM_OFFICIAL) March 31, 2023
9月にアルバム「回転体」リリース10周年記念ライブ、そして2024年3月に東京・O-EASTにてラストライブも決定いたしました。
新曲リリースと新規ライブも予定しておりますので来年3月まで宜しくお願い致します! pic.twitter.com/Hrb60gGbOP
正直、もっとアレコレしておけばよかったと思う。グッズとかライブとか、並ぶのが億劫で貰わなかったサイン、とか。
でもそれは結果論で、あのときは服に困ってなかった。グッズがダサかった。手持ちがなかった。抜けれない仕事があった。疲れてた。
しょうもないけど、当人には十分な理由があったのは確かでした。
「別に明日いなくなるわけじゃなし。」
……いや寂しい。10年ほど人生の支えにしているバンドが今居なくなろうとしている。
でも、そんなときだからリリースショーとラストライブを二日間に渡って開催するらしいですよ。
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そういえば、これまでも好きなバンドやミュージシャンがいくつか居なくなってきたけど解散ライブには行ったこと無かったな。
それはやっぱり当人にとって十分な理由があったからなんだけれど、一番には"終わってしまう感"を感じたくないのが大きいんだ。
映画にせよ絶叫マシンにせよ、楽しく鑑賞したいじゃないですか。楽しく絶叫したいし、楽しく胸糞になりたい。
「もう聴けないんだぁ…」なんて感傷はノイズだし、周りがしんみりし出したり泣く声が聞こえたら僕の気持ちが邪魔されるのは想像に難くないし。
自分だけで育ててきた気持ちとか思い出を最後の最後で、それも不特定多数の誰かとごちゃまぜにして済ませたくないと、僕は強く思います。
バイト・仕事終わりに「あ~、そういやもう解散したか……」とSNSをチェックしつつ自分だけの思いを馳せて聴きながら帰るぐらいが一番良いですからね。
ねぇ一番良いですから本当にね。
それに、「それしか見れないぐらい好きなもの」が消えるのを目の当たりにした時、それまでソレに執着してた自分に何が残るのかわからなくて怖くなっちゃうんですよね。
今までの時間とか気持ちが全部無駄になる、とはまっっったく思わないけど、熱意を向ける矛先を見つけられなくなって抜け殻みたいになっちゃうんじゃないかと思うと怖くなります。
そう思わないため、そうならないために買い支えなよ。って意味が「推しは〜」に多分に含まれてるのもわかるけどね。
でも、いつか必ず死ぬ時が来るのを忘れるなとまで大げさでは無くても、今更言うまでもなく始まりがあれば終わりがあって、
それは誰かの引退とか死とか、はたまた自分の熱が冷める瞬間だったりするんだ。あんまり想像したい瞬間じゃないのは確かでも。
実は、最近フィギュアが欲しい欲が出てきたので3体ぐらい買ったんですよ。
予約して1年越しに届いて飾って満足してるんですけど、早速(どうやって処分しよ)って考えちゃうもんな。だって箱がデカ過ぎるもんコレ。
いつか必ずフィギュアを手放す時が来るのを忘れるな…(内省)
あんまり想像したい瞬間じゃなのは確か。
支えが無くなるとやっぱり心がグラつく。
だから一本柱じゃなくて沢山好きなものを作っておきたいですよね。
リスクヘッジです。三角食べです。それが無くなった時に中毒とか欠乏症とか燃え尽き症候群にならないようなエンタメ接種をしてた方が心の健康を保ちやすいのは明らかだもんね。
the chef cooks me。本当に憧れてるしトップクラスに大好きなバンドだけど、首位タイはまだまだいるしな。
4色ボールペンの芯を変えるような気持ちですよ。
でも薄情だよな。あんだけ好き好き言ってた癖に芯を変えてしばらくしたら捨てたソレに向けてたこの熱も薄れてしまうんだもん。
興味が塗り替えられて下地が隠れてしまう。
僕たちは他人の「エンタメインク」を使いつぶして形にもならない自分を上塗りして形成してるらしい。勝手すぎるって!!
なのに使い切って抜いた芯と同じ色は二度と見つからないじゃん!!やっぱりすごく寂しいって!!
そう思ったので初めてラストライブに初めて行くことにしました。「好きだったけどちょっと最後のライブでな~…」ってなっても良いやと思っちゃった。
やっぱり最後だし。祝日だから行けちゃうし。
平日も定時で上がる段取りまで取っちゃったし。
インスタグラムでやってほしい曲もリクエストしちゃったし、な。
やっぱり結局ウキウキしちゃってるんだ。
巡り巡る 回り回る
また逢えるかな グッドミュージック
わかっちゃいるから普段口にしない分、僕もいっちょ、ここで言っておくか。
ス――――ッ……
「推しは推せる内n
追記:ライブは最高でした
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