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ペルシアの春のお正月(2)

数千年という歴史を持つ庭園文化が根付いたペルシアの春は、春の訪れとともにまるで天上のような美しさを見せてくれるペルシア庭園の美とともに始まります。それは例えばフィッツジェラルドの英訳で一躍有名になった四行詩人のハイヤームがこんな風に歌った一瞬が永遠に変わるひととき…


菫は衣を色にそめ、薔薇の袂に

そよかぜが妙なる楽を奏でるとき、

もし心ある人ならば、玉の乙女と酒をくみ、

その杯を破るだろうよ、石のに。

(オマル・ハイヤーム「ルバイヤート」小川亮作訳、岩波文庫)

ペルシアの春がまるで時空を超越したような天上的な美に包まれているのは、春を待ち望み、誰もが一緒になって春の訪れの瞬間を祝い、春が運んできてくれた一瞬一瞬の美を人生の至福の時として生きる文化が、何千年もの昔から今までずっと変わることなく、ペルシア文化圏に根付いているからです。

たとえば、ハイヤーム詩集を片手に旅したり、旅先でハーフェズの神秘主義詩集をめくって人生の旅路を占ってみたり(🍀ハーフェズ占いについてはまたこんど!)、ペルシア庭園の木陰で小さなグラスに注いだ紅茶を飲みながら古典楽器の音色に耳を澄ませてみたり、あるいはコーヒー占いの絵解きに真剣になってみたり、、、と想像したらきりがないくらい、ペルシアの春の旅はとっておきの旅。お正月になって初春の声を聞いたら、そんな春の旅が待ち遠しくなってしまいました。皆さんは今年の春、どんな旅に出てみたいですか?


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