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《石頭餅》

阿婆: 「あらま!歩きながら食べちゃだめよ!」
私: 「ごめん、お腹がすいて家に帰りたいんだ」
阿婆: 「ああっ!最近の子供は図々しいわね!」
(お店のおじさんは傍でばか笑いしている、私は石頭餅をかじりながら逃げる)

中学3年生のとき、金曜日の8時間目の放課後 夜、授業のない日は疲れた身体と心をほぐすためにご褒美をあげる 週にわずかなお小遣いで、鶏卵ケーキと石頭餅を買う 夕焼けを買い、のんびりとした時間を買い、自分だけの余暇を買う 国中からわずか2キロメートル程の小道に住んでいたから覚えている 5時の鐘が鳴るとき、私の足取りだけが違っていた ゆっくりとリュックをしまい、のんびりと学校の門を出ていく (壁を乗り越える話は高校から始まった、またの機会に話そう) 国中のサイドゲートには、価格が永遠に変わらない鶏卵ケーキの屋台があった 近所のおばあちゃんが近くを散歩している、いつもお店のおじさんとおしゃべりをすると、おばあちゃんは耳を傾けて聞いている 石頭餅ができると、私は歩きながら食べて家に帰る そして近所のおばあちゃんはまるでレーダーのように、その視線が固定されると急に怒り出す: 「歩きながら食べちゃだめよ!消化に良くないわ!」 正直に言おう、その当時の私は本当にいたずらっ子だった(笑) おばあちゃんが歩きながら食べちゃだめと言うと、私は走りながら食べていた、ハハハ おばあちゃんの言葉が終わると、私はリュックを背負いながら逆走を始める 右手に弁当袋をしっかり握り、口に石頭餅を咬む まあまあ…その当時は自分がかっこいいと思っていたんだ、夕暮れに赤く染まる風景の中で (まあ、今でもそう思ってる、中学時代はかっこいいって) そしておばあちゃんは怒って大声で叫ぶ:「やんちゃな子!」 そして一気に説教し始める:「最近の子供たちって…」 学校と道路の交差点は私の中学時代のランニングコースだった そして鶏卵ケーキと石頭餅は私のレースのチケットだった 向かいのおばあちゃんは私の忠実なファンで、とても嬉しかったな

今日の高雄は雨が降っていて、この出来事を突然思い出した 雨上がりの高雄は草の香りが漂っていて 甘く、しかし少し悲しげな感じがする 革靴を履き、皮製のデザインのリュックを背負い 6年間使った傘を持ち、慣れ親しんだ鶏卵ケーキの屋台に戻って、石頭餅を買う 再びおじさんとおしゃべりをし、天気や過去について話す 気づかぬうちに長い長い時間が過ぎ去っていたあの時について話す そしてもう二度と見ることのできない姿と声についても語る すっかり忘れかけていたみたいだね… ちなみに、君は石頭餅を食べたことがある?
#Vincihong #Timestory #Stonebiscuit #Daily #洪冠宸

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