「おにぃちゃん、今何時?」

それは3年前の4月上旬、ある日の出来事。
急に襲ってきた尿意に耐えきれず、近くのコンビニに駆け込んだ時のことです。

入り口付近のゴミ箱のそばに、おじいさんが立っていました。彼はタンクトップ姿で、頭にはハットをかぶっていました。

私が店内に入ると、突然おじいさんが声をかけてきました。
「おにぃちゃん、今何時?」

腕時計をおじいさんに見せて、「1時30分です」と答えると、おじいさんは続けてこう言いました。
「1時30分って、何分?」

正直、少し面倒だなと思い、その場を切り抜けてトイレに駆け込みました。

トイレで用を足してスッキリした瞬間、「ドンドンドン!」とドアを叩く音が。
驚いて耳を澄ませると、またしてもおじいさんの声が聞こえてきます。
「おにぃちゃん、今何時?」

イラッとしつつも「1時31分です」と答えると、おじいさんはさらに言ってきました。
「おにぃちゃん、さっき1時30分って言ったよね?なんで嘘つくの?ホントのこと言って!」

さすがに耐えきれず、少しキレ気味に「時が進んだの!」と答えました。
その後5分程、おじいさんとのやりとりが続きました。

やっと静かになった頃には、すっかり疲れ果てていました。
トイレから出ると、今度は銀行ATMの前にそのおじいさんの姿が。

正直、「またか…」と思いつつも手を洗い、その前を通り過ぎようとした瞬間、再び声が。
「おにぃちゃん、今何時?」

もう絡んだらめんどくさいなと思い、無視してそのまま店を出ました。笑

なんか世にも奇妙な物語みたいな感じ。
その時の一言です。


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