食べて、踊って、恋をして
その日の朝、わたしはまだ台中にいた。予定では13時ごろに台北に着き、そこからホテルへ行ってチケットを受け取り、専用バスは放棄してチェックインできる15時までロビーで仕事して時間をつぶす。そして15時になると同時に部屋に入ってシャワーを浴びて身支度をするはずだった。これまで数々のギリギリを潜り抜けてきたわたしだもの、開場から開演まで1時間あるから正味2時間あれば余裕っしょと思ってた。
ホテルに着いてチケットを受け取り、口頭で説明を受ける。グッズは16時になると売り場が撤収されるので、必ず16時までに引き取りに行ってくださいとのこと。え? 16時まで? 終演後は売ってくれないの? シャワーを浴びてから行ったら、絶対間に合わんやん。そこでやっぱり14時のバスに乗って会場へ行き、グッズを引き換えたのちにホテルに戻ってチェックインすることに予定を変更。実は前日に買った自強号は指定席が取れず、自由席だったので最悪立ちっぱなしの可能性もあり、その場合はデッキに座ることを考えて、比較的汚れてもいい恰好をしていた。それにあんまりうまくいってない髪をセットし直すには全部濡らす必要があるし、どうしてもシャワーを浴びて着替えたかったのだ。だって、このままじゃ町田くんの前に出れない。っていうか、一生残る写真にこの状態で写りたくない。
そこでバスに乗って会場へ行き、無事にグッズを引き換えてMRTでホテルに戻る。朝食は駅で食べようと早めにエアビーの家を出たはいいけれど、なかなかバスが来なかったため、結局宿の人が買ってくれていた葱肉餅を食べただけだ。大安の駅を降り、何かお腹に入れておこうと肉まんを買って歩きながらホテルを目指したのだが、ふとGoogleマップを見たら…
反対向きに歩いてるやん。(方向音痴あるある)多少のロスもありつつ、ホテルに着くとすでに15時を回っていて、チェックインのためにカウンターに列ができている。ここに並んでいたら間に合わないかもしれない。
そこでホテルマンを捕まえて、JTBツアー客だが急いでチェックインしてシャワーを浴びたいと言うと、JTB客はJTB専用のデスクでしかチェックインできないと言われる。でも、スタッフは一緒にバスに乗って会場に行ってるから誰もいない。「わたしはすごく急いでいて、どうしてもシャワーがあびたいんですぅぅ」と泣きつくと、いったん受け取った荷物に再度タグを付けられ(ホテルの客であることの証明)、「こちらへ」と案内されたのはホテルのプールのシャワーだった。
何か思ってたんとだいぶ違うけど、そこでシャワーを浴び、服を着替え、身支度を整え、再び荷物をあずけ、MRTで会場に戻ったら16時半ごろ。ギリギリでもなく全然余裕でした。
オープニングトーク
いよいよ始まるのか? と思ったら目の前の画面にEXILEがバーーン! ん? EXPG台北のCMだった。
次に登場したのは中国語、日本語、英語、タイ語(少しだけ?)を操るマルチリンガルの加藤夏希似のMC。めちゃハイテンション。もちろん自己紹介はされたが知らない言語で1度言われただけで名前が覚えられるわけがなく(というかそもそも聞き取れない)便宜上、ここでは夏希と呼ばせてもらう。
「いよいよ町田さんの入場です!」と呼びかけられたが、こちとら手練れのオタク、今回はどこから入場するのかと舞台上も気にしつつキョロキョロしてしまう。
実はですね、わたくし今回は下手側の通路脇の席をご用意されておりまして、ゲキエグ、羽田ファンミを経験した身としては、も、も、も、もしかして、ま、ま、ま、真横を通るんじゃない? ご褒美期待しちゃってもいいのかな? と思ったとして誰が責められましょうか?
すると下手側の後方扉から町田くん入場。キターーーーー!と思ったけど、こっちには来ずに上手側の通路を通って舞台上へ。いいんです。きっと帰りには通ってくれるはずだから。町田くんってそういう気づかいできる子やん?
今回、日本、台湾のみならず、香港、韓国、タイ、そしてニューヨークから来たという人がいたと知り、「Thank you for comming」と英語で言って夏希に「グローバルー!」と褒められていた。本人は言わないけど、海外の作品に出ることも想定して、もしかしたら英語の勉強をしてるかもなとふと思った。大変喜ばしいことなのでぜひ続けてもろて、リアル郁也さんになってほしい。
今回、ファンミーティングを開いたきっかけは? と聞かれて、前回、台湾に来たときに「どうやったら町田さんに会えますか?」と聞かれたことで、何とかその機会を作ろうと思った。やっと約束が果たせましたと言っていた。義理堅い男よのう。でも、わたしもこの感覚がよく分かる。約束したことが宙ぶらりんのままだと、ずっと心に引っかかってるもんね。そして今、やるといってまだやっていないことをいくつか思い出して、ずーーーんと肩が重くなった。
深掘り質問コーナー
さてスタッフと会議を重ねて決めた最初の出し物は「町田啓太深掘りコーナー」。羽田でもやったようにファンからの質問に答えるのだけど、こんなんどこでやっても無限に質問は沸いてくるから非常に汎用性が高い。質問を選ぼうとボックスに手を突っ込むと思ってた以上に質問の紙が入っていたようで、「この辺までズボッとあった」と手首の辺を指して「全部、答えるのに1週間ぐらいかかりそう」と。こちらとしては1週間ぶっ続けでやっていただいてもいいんですのよ。
張り切って引いた1つ目の質問。開いた瞬間に「読めない」。夏希が読み上げる間、神妙な顔で聞いている。結構長い。
Q:忙しい日々の中でパワーをもらっている。これまででやりがいがあったと実感したのは?
町:今、まさにそう言ってもらってることがエネルギーになる。自分が元々作品を見るのが好きで、いい作品からパワーをもらってきたから、そう思ってもらえることがうれしい。
質問2
町:これは読める。
Q:ドラムを始めた甥っ子とギターでセッションしましたか?
町:何で、そんなに詳しいんですか? あるかないかでお答えしましょう(急にななまがりみたいなこと言い出すやん)これまでやったことは「ない」です。でも、予定は未定という意味での予定は「ある」。いつでもやりたい気持ちはあるが、甥っ子が恥ずかしがってドラムやってるところ自体を見せてくれない。もしやったら報告します。
ねぇ、ちょっと待って。この質問コーナーが始まったとき、わたしはてっきり台湾のファンだけが応募できるものだと思っていた。というのも、羽田のときは事前に質問が募集されてたけれど、台北分ではなかったからだ。だから「これは読める」と言ったときも日本語を勉強してる台湾の人の質問だと思ったのだけど、質問者が日本語を話しているのを聞くと日本人っぽい。ちょっとちょっと聞いてないんですけど。いつ質問を募集したのさ? 知ってたらわたしも質問したかった。(ちなみに今の枕がフィットしてない気がするので、どこの枕を使っているのか切実に知りたい)
【追記】どうやらバナーの横に質問を募集した箱があったようですが、わたしが会場とホテルを往復している間に締め切られていた模様
質問3
Q:最近感動したことは?
ここまでの質問はそれぞれファンネーム(?)が書いてあったのだが無記名。匿名希望なのかな? と言いながらもこの質問をされた方は? と夏希が言うと後方で手が挙がったので、お町さんはまたしても上手側の通路を歩いて(またあっち側やん)その人の近くまで行き
町:今回来てからずっと感動している。ご飯は何を食べてもおいしいですし
ファ:何食べたのー?
町:ゴマ団子を食べましたね。おいしくて感動したし、空港に着いたときに群馬王子の垂れ幕で迎えてもらったことも感動した
すると垂れ幕の製作者と思しき方が立ち上がってその垂れ幕を見せた。もうここまでの感じで分かると思うけど、台湾のファンはめちゃくちゃ話しかけるし、アクティブに絡んでいく。一瞬、ここ大阪か? と思った。
質問4
町:かなり強めに書いてありますね(筆圧が高いということ?)
Q:髪が短くなってよかったことと悪かったこと
町:(舞台の前方に進みながら)よかったことは髪が乾くのが早い。悪かったことは時期的に頭が寒い。皆さんはどちらが好きですか?
会:どっちもーー!
正直なことを言うと、どんな髪型の町田くんでもかわいいし好きな気持ちは変わらないけど、どっちが好きかと言われたらわたしは断然長髪派よ、と考えていたら、またしても台ファが「ハゲでも好きーー」と。
町:勇気が出ます。ハゲてからファンミーティングをしたらぜひ来てくださいね。じゃなかったら、嘘ってことになりますよ。
わたしは彼女が言った「ハゲ」の意味が本当にハゲたらという意味だったのか、実は疑っている。案外、丸坊主とか剃髪の意味だったのではないのかと。だってほら、剃髪の町田啓太ならば見たくないっすか?
質問5
Q:短い髪と長い髪、本人はどちらが好き?
町:どっちも
質問6
Q:好きな言葉は?
町:お腹いっぱい。(こんなかわいいこと言う34歳)お腹いっぱいって幸せな言葉ですよね。(あたしらだって、幸せの大渋滞でお腹いっぱいだよ)台北に来てからずっと食べてる。
質問7
Q:何がおいしかった?
町:何でもおいしい。ルーローハン、一生食べてられるメロンパンは4つ食べたし、ゴマ団子も食べたし
夏:揚げてるヤツ?
町:水に漬かっててピーナツがかかってるヤツ。火鍋も食べたけど、臭豆腐はまだ。食べてみたい。あと赤くてひょうたんみたいな形のフルーツも。(会場から口々に名前が叫ばれるが、ビエンホー? ディエンフー? 聞き取れねー。てか、初見ならぬ初聞では無理、あとで台湾人の友だちに聞いたところ蓮霧【レンブ】と判明)あと小籠包も食べましたよ
ファ:50個食べた?
町:20個ぐらい。50個食べたら、ファンミに間に合わなかった
ファ:チョコ味の小籠包も食べた?
町:これは食べました
ファ:フランス製のチョコを使ってます
町:最初、合わないかなと思ったけど食べたらおいしくてビターで大人の味でした。
だからめっちゃしゃべるやん、台湾のファン。ここに「Tシャツに一生推す」ってメモが残っているのだけど、これはこの人が質問者だったのかな? とにかく黒字に白い文字で「町田啓太を一生推す」的な文言がかかれたTシャツの人が立って、後ろを向いて文字を見せていたのだけど、同じ列だったので文字はしっかり読み取れなかった。
質問8
Q:台湾で撮影する予定は?
町:ぼくの中では常にある。いつ呼ばれてもいいように準備はできている。撮影ならずっといられるし。もうここだけで言っちゃおうかな。もうすぐ新しい発表があるので楽しみにしててください。(だから、それは何も言ってないに等しいのよ)こうして質問を聞いてるだけでお腹が空いてきました
町田啓太クイズ
次は町田啓太クイズコーナー。羽田でもやったマネージャー秘蔵の写真から出されるクイズを本人が答えるというもの。マネージャーの秘蔵の写真なんてなんぼあってもいいもんですからね、汎用性…(以下略)
Q1:チェリまほで黒沢と安達が働いていた豊川は何を扱っている会社でしょうか?
町 :これはサービス問題ですね。文房具です
夏 :マネージャーから町田さんは忘れっぽいって聞いてますが
町 :さすがにこれは覚えています
町田くーん、わたしが今この瞬間メモを取ってるのはToyokawaのボールペンだよーー!!
Q2:小ぶりのパンをくわえている写真(たぶん初出、超かわいい写真だったので、思わずかわうぃーって声出た)を指して、何味のパンを食べているでしょうか?
夏 :もう忘れちゃいました?(このあとも幾度となく忘れっぽいキャラをいじっていた)
町 :これは髪が長いのでグラスハートのときですね。確か、志尊くんか健くんが差し入れしてくれたんですよ。これね、引っかけですね。見た目がアンパンっぽいんですが、アンパンに見せかけてクリームパン!
夏 :間違えたら罰ゲームしましょうか? 間違えたら1枚ずつ脱ぎますか?
フォ――――! (今日一大きい声が出た)
町 :そういうゲームじゃなので、(そうですよね~、すみません)間違えたらどこにも言ってない秘密の特技を教えます
ファ:メロンパン!
町 :惑わそうとしてますね
夏 :正解は…「生クリームアンパン」
罰ゲーム! 罰ゲーム! 沸き上がる罰ゲームコール。
町 :あれ、皆さんいつも優しいのに…。そうですね、実はバレエダンサーの立ち方ができます!
といって一番のポジションを取る。脚がすき間なくぴったりとくっついている。前からだけでなく横向きでも見せてくれたが脚がまっすぐだったので本当にバレエの素質もありそう。得意そうな顔でニコニコしている。あ、これ、あれやな。幼稚園男児がジャングルジムの上で両手を離し「ママ―、見てーー」って言ってくるのと同じヤツ。当然わたしらは皆、心に啓太のお母さんを飼っているので、口に出さずとも全力で答える。「啓太、見てるよーーー!」と。そして、そこからの華麗なるターン。ヒューー! まさかこれが「10DANCE」の布石だったとは当時誰も思ってもなかったのである。
Q3:新幹線で眠っている写真で、どのくらいの時間ぐっすり寝ていたでしょうか?(これも超かわ写真)
町 :デニムを着ているということは京都かな?(と推理を始める)
ファ:名古屋ーー、和歌山ーー、北海道(と口々に叫ぶ)
町 :北海道は新幹線ないから。じゃあ2時間で
啓太探偵よ、もし京都に行ったときだとしたら、2時間ぐっすり寝ようと思ったら品川に着くころにはもう寝てるってことよ。夏希も同じことを思ったらしく「寝つきはのび太みたいにいいんですか?」と聞くと「意外とかッと寝ます」とのこと。
町 :じゃあ、1時間
夏 :何分何十秒単位でお願いします(何とか罰ゲームに持っていこうとするファンへの気遣いがすごい)
町 :もし、マネージャーさんが何分何十秒単位で測ってたら逆にこわいわ
というわけでポンコツ探偵のファイナルアンサーは1時間半だったけれど、正解は30分。またしても巻き起こる罰ゲームコール。
町 :ふつう、こういうのって当たったら喜ぶものでは?
ファ:歌ってー
町 :歌いません!(あ、歌わないって言ったな、覚えとくからな)
実は親指の関節が外せます
ん? んんーーー? それ大丈夫? 関節外しといえば工藤静香の股関節でおなじみだが、当時見せられたほうはポカーンだった記憶がある。案の定まったく盛り上がらない会場の雰囲気を察して
町 :あ、後ろの席の方は見えないか。関節外せますけどやめときます
実は唇が…
ファ:セクシ――!(こういうときの台湾ファンの反射神経はすごい)
町 :上唇がすごい出るんです
と言って上唇を突き出す。ハ、ハワード・ザ・ダック?(毎度、ヤングなピーポーにはごめんやけど、分からない人は画像検索してね)通常、アヒル口と言ったときに想像するのとはまったく違う形状で、上唇の先が本当に三角形のようになっていた。ホテルに帰ってから鏡の前で再現を試みたけど、上唇だけを出すのは相当難しく、上唇を出そうとするとなぜか下唇のほうが出てしまうのだった。
Q4:この写真(↓)を撮るのに何枚ぐらい撮ったでしょうか?
町 :このときは確か汗ばむぐらい飛んだので10回ぐらいかな
ファ:連射の可能性もあるから、一気に100枚ぐらい行くかも
町 :30? 50?
と数を言いながら夏希の反応を伺うのだが、夏希のほうが何枚も上手なので数字ごとに表情を大きく変え、逆に答えが読めない。そして煽るように答えが書いてある紙をチラ見せしようとしたのだが、町田くんは顔を背けて見なかった。どこまでもフェアな男。そして決めたファイナルアンサーは50枚。で、正解は45枚。今思えば45枚のときに夏希めちゃくちゃニコニコしていた。引っかけかと思ってたけど大ヒントだったのか。相変わらず盛り上げ上手な夏希である
町 :靴のサイズを教えましょうか?(シーーン)それじゃない? 何があるだろう…??
夏 :じゃあ、あれしかないか
町 :あれって何ですか?
夏 :知らないけど(知らんのかい)
ここでまったくどういう流れだったのか思い出せないけど、メモには「実は今 鼻つまってる?」「食べたいもの」「臭豆腐」と書いてある。唐突過ぎて意味が分からないので、あとは皆さまの想像力で補ってください。
夏 :私は「幽白」が好きでもちろん見たんですけど、おしゃぶりをくわえたまま上手にしゃべってましたよね
町 :あれはね、ずっと家でおしゃぶりをくわえて練習してたんです
夏 :じゃあ、おしゃぶりの代わりに親指をくわえて(!!!)しゃべってください
町 :ようこそお越しくださいましたって何て言うんですか?
夏 :謝謝…(あとは聞き取れるはずもない)
何度か練習したあと、親指をくわえて言った。謝謝から始まるのでたぶん、ようこそではなく「来てくれてありがとう」的なことを言ったと思う。
町 :最初の問題は簡単だったのに…(ま、バラエティの定石やわね)
グッズ紹介
グッズのアイデアはスタッフと相談して決めた。UMAのイラストの秘密は片方の眉のほうがちょっと太い。大河の撮影中、公任の扮装のままデジタルパッドに指で描いた。
アクスタ
結構大きいですよね? 髪が長いときなので、今後はもうあまりないかも。普段、撮影ではスーツを着ることが多いのでカジュアルな感じを出したくてデニムにした
ノート
自分がよく使うので。キラキラした服を着ているのは、最初Tシャツにしようと思っていたけど、スタイリストの石川さんが「こんなのあるよ~」とキラキラしたのを持っていたから、それを着てみた。だって、そのほうがおもしろいから。(分かる! わたしも人生のあらゆる面で常におもしろを優先してるもん)
タオル
(夏希より汗を拭いて会場に投げたら?と言われ、一瞬投げるふりをして)いやいやいやと言って元に戻す。(もし、ここで投げてしまったら、グッズ販売の意味は? ってなるからね)カラフルな感じしたいと思った。辛い物を食べて汗ダラダラのときに拭くのに使ってください
トートバッグ
使いやすいサイズ。意外と大きくていろいろ入るし、しっかりしているからお土産を入れるのにいいかも。台本を入れて現場に持って行くのに使えそう
ここでの最大の謎はファンミ終了後のグッズ販売はないのに、なぜ紹介コーナーを作ったのかである。ふつう、こういうのって販売促進につなげるためだと思うのだけど、本当にただ「見て、見てー」つって紹介したかっただけなのか? アクスタはわたしが見た時点では売切れてなかったっぽいから、国内で通販あるといいね。
啓太が歌った… そして踊った
一緒に踊りましょうコーナー
台湾でのウェブ記事で事前に予告されていたにも関わらず、一切ダンスの予習せずに行ったオレ。だって結構出発ギリギリまで仕事をしていてそれどころじゃなかった。(実は飛行機の中でもちょっとだけ仕事した)台湾のガイドブックも買ってないぐらいギリギリ。そして波打ち際のラブレター並みの記憶力なのに、その場でフリを覚えようと必死だったため、このコーナーだけA6サイズのメモ1ページ分しかない。許せ。
「ダンスをやっていたので、手フリでいいので皆さんと踊りたい。ぼくのダンスの先生を紹介します」と言うと、EXPG台北のキッズダンサー二人が出てくる。日本語と中国語で自己紹介をするが子供特有の超早口だったので聞き取れず。日本人の名前だったので駐在員のお子たちだろうか?
この子たちです。(高木美伶ちゃんと松岡蒼天くんでした)
真ん中に町田くん、上手側に蒼天くん、下手側に美伶ちゃんというフォーメーションでレクチャーする。
「♪スキだから…で右手で作ったハートが飛び出して」と「ギミギミ」ダンスのフリを説明してくれるのだが、ジムのインストラクターのように鏡でやってくれてるわけではない。あかん、わたしは頭の中が立体じゃないし、展開図の問題も苦手だから、向かい合って反対方向に動くのは脳がバグって混乱する。どーしよ、どーしよ。
♪スキだっから ちっかづきたい~…
え? もしや歌ってる? さっきは歌いませんって断言してたのに。そして鼻歌レベルだけど特に音程は外してない。
そうこうするうちに音楽をかけて踊ることになった。見よう見まねで必死でついていく。「いいですね。皆さん踊れてますよ」って言ってくれるけど、ほんと? わたしはグダグダだったけども。でも会場が一体になって踊るのは不思議な高揚感があって楽しかった。だって今、ここにいる町田くんファンで「チェリまほ」のことが嫌いな人はいないと思うのよ。作品によって好き嫌いは当然あっていいと思うけど(実際わたしにはある)、まじで「チェリまほ」のこと嫌いな人いる? まあ「チェリまほ」きっかけで沼に沈んだわたしは最初に見たドラマを母鳥と思い込んでる可能性がないわけじゃないけど、みんなにとってもホームみたいな作品だよな? な? な?
「皆さん、けっこう踊れるようなので、ちょっと難しいですけどグラユラ行きますか?」
そうだよね。こっちが本体だよね。グラユラはギミギミよりもはるかに長い。波打ち際のラブレターの記憶力では、もはや反転させたら覚えられないので、鏡でやらせてもらいます。まっちーはまっちーで、ゆっくり教えてるせいで、ところどころフリをド忘れすると、振り返って蒼天くんに指示を仰いでいた。「いや、ぼくよりも二人を見たほうがいいですよ」なんてポンコツを装いながら。
わたしは全然フリを覚えきらないうちに、相当見切り発車だが音楽と合わせることになった瞬間、啓太がジャケットのボタンに手をかけた。ごくり。こ、これは…。
本イキのダンス、キターーーーー!(←すんごい大きな字でメモしてた)
フォーーー! 最後のターンも決まった! ヒューーー! そんでめっちゃドヤってるし。かわいい。
これ、あれでしょ。ナメてたダンサーが実はスゴ技でした~をやろうとしたんでしょ? 残念でした。全員、啓太が踊れることは知ってました。だから最初からナメてません!
すかさず巻き起こるアンコール。それに応えてもう一度踊る。ありがとう、ありがとう。踊るんじゃないかなとは思ってたけど、予想をはるかに超えて魅せてくれた。免疫力が爆上がりし、寿命が延びた。
プレゼントコーナー
これは町田くんが自ら選んだ日本のお土産を抽選でプレゼントするコーナーなのだが、その前にプレゼントを選んでいるドキュメンタリービデオが流れる。
雨の京都、嵐山。デニムを着ているので、あの新幹線で寝てた写真はやはり京都行きだったよう。だからどう考えても1時間半って無理筋だったと思う。
それはさておき、まずは扇子選び。この動画は店内で撮っているので声を張らずに普通のトーンで話している。それを見ながら町田くんと夏希がマイクを使ってコメントするので、動画で言ってることが聞き取れない箇所もいくつかあった。ただ中国語のテロップが出ていたので、台湾の皆さまは分かっていたから、ときどき聞き取れなかった場所で会場が沸いているときもあった。
考えるときに口元に手を添えているのを見て「意外とぼくこうやるんですね」と言っていた。たぶんだけど、わたしの記憶が確かなら「また今日が過ぎても」のビハインドシーン(公開が終わったほう)で、町田くんが将康に「将康くん、手をこうしますよね」みたいなことを言ってるシーンがあった気がするんですよ。で、あのときに将康に言ったけど、自分もじゃんって思ったんじゃないかな。まぁ、オタクの妄想ですが。
扇子の次は箸を選ぶ。選んだものにJAPANと書いてあったので「ジャパーン!」と億千万の言い方で言っていた。あと選ぶときにアヒル口(ハワード・ザ・ダックじゃないほう)になっていらっしゃって、大変かわいらしかったです。
次はガマ口バッグを肩掛けしてポーズ。もうファッションシュートが日常に組み込まれちゃってるのでお手のもの。“ねこ”っていうメモがあるから、猫の柄だったのかな?(もはや記憶にない)あと“口とんがらかして”と“Vサイン”というメモもあるから、きっと選んだあとにやったんだろう。
そして団子を見つけて「お腹すきました?」(お腹すいてるのはあなただよね?)
できたてのみたらし団子と抹茶の団子を買って、まずは抹茶から。ハフハフさせながら団子を食べる姿をとくと鑑賞する。たぶん、まだ「お腹いっぱい」にはなってないと思うけど、プレゼント探しを再開。
ウサギ模様の風呂敷。ここで“また団子っていう”というメモがあるのだけど、また団子を食べたんだっけ? それとも団子の話をした? まったく記憶にないので識者がいたら教えてほしい。ここで毛色が違うものをと言って、河童のぬいぐるみっぽいうたた寝枕を手に取る。選ぶのかと思いきや、いったん戻して竹製品を扱っている店へ。
竹ざるをや風鈴を真剣に見ているが、新幹線の時間も迫ってきているようで、しきりと気にしている。そして何に使うのか分からない長い竹(インテリア用?)をつかんで「ダメ? 違う?」と言ってるが、ダメに決まっているだろう。これは修学旅行のお土産に木刀を買うメンタリティが発揮されたのか? その辺で我に返ってさっきの店に戻り、結局うたた寝枕を購入。新幹線には乗り遅れたと聞こえた気がしたが、特に大きな笑いも起きていなかったし、夏希もツッコんでなかったので間に合ったのだろう。
という動画を見た後、抽選で選ばれた人たちが順番にステージに上がってプレゼントを手渡された。渡すときに握手するかな? と思ったけど、握手はなし。これはやっぱりCovidのせいなのかしら? お箸が当たった人に渡すときに「ジャパーン!の箸です」とまた億千万の言い方で言った後に、「日本人だったらついこう言っちゃいますよね」と言ってた。うん、たぶんわたしも言うと思う。あと「かんさーい、電気ほーあんきょーかい」も言う。関西ネイティブだから。
記念写真&クロージングトーク
「ぼく、皆さんとやりたいことがあるんですよ」
やりましょうとも。君がやりたいことには全部付き合います。全員で記念写真を撮ることになり、どういう経緯だったのかがどうしても思い出せないのだけど(親指おしゃぶりからの流れか?)、みんなでグーのポーズ(サムズアップ)で撮ることになった。カメラさんが台を用意してセッティングする。
「これ、全員入るので後ろの人も油断しないでください。では撮りますよ。はい、ポーズ」
会:グ―――!
夏:町田さん、ピースしてますけど、グーで撮るって言ってませんでした?
町:あーーっ! 素で忘れてた
前半でさんざん振った“忘れっぽい”をきちんと回収していた。それにしてもさ、美しい心と体、カッコいいダンスで会場中を魅了したあと、ぽやぽやで締めるなんて、こんなかわいい子、愛さずにはいられないよ。
町:今日は本当に自分も楽しかったし、皆さんが楽しんでくれたのも分かった。皆さんのことも全部見えてますから、嘘か本当か分かります。(余談だけど、以前役者をやってる友人に同じことを質問したことがある。観客が思っている以上に見えてると言っていた。彼女は基本的に見えるのはエネルギーが飛ばせる範囲なので、自分はホールの真ん中よりも後ろぐらいまでだけど、ジャニーズに人たちはもっと飛ばせるはずなので3階席で目が合ったと言ってるファンの話もあながち嘘じゃないと思うとも言った。だから町田くんも一番後ろの席まで見えたと思う)また同じような集まりもしたいし、俳優としてももっと頑張りたい。本当に幸せな時間でした。大幅に時間もオーバーしましたし…(と時計をはめてもいない腕を見て)時計してないのに見ちゃった、ダハハ。
と八の字眉で笑った。
!!!
わたし、これとまったく同じことをしたことがある! (すぐ推しとの共通点を見つけては自分の養分とするのはオタクの悪い癖よ)とあるイベントの仕事で当日スタッフにオリエンした後に「とりあえず今からトイレ休憩をして…」つって時計をしてない腕を見てしまったので、「なんでわたし腕見たんだろ、時計もしてないのに」と言ったらウケて場が和んだことがあります。
そして啓太は「ありがとうございました」と言って舞台袖へとはけていった。
え?
え? え?
それでは下手側通路脇の席で期待に胸を弾ませていた皆さん、ご唱和ください。
こっち来んのか~い
いや、分かるよ。だって、時間が押してたもんね。この後、写真撮影タイムもあるし。時間さえ押してなければ、きっと会場をぐるっと回ってくれたはず。だって、そういう子やん? と自分で自分を納得させた。
歌あり(?)、踊りあり、笑いあり、かわいいあり、でお腹いっぱい。大満足のファンミーティングでした。しばらくはこの余韻だけで十分です。
……
すみません。噓を言いました。
いったんはお腹いっぱいになったんですが、日本に帰って1週間も過ぎたら、またお腹がすきました。だから声を大にして言いたい「おかわり!」