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院内見聞録 入院シーズン3 7日目

2022年5月19日
1:58、2:26、4:12(トイレ)に目覚める。

(1:18)露店のマーケットでまやちゃんと猿のイラストのかわいいTシャツを見ている。まやちゃんが「〇〇(アメリカの有名なイラストレーターらしいが名前失念)でこの値段は安い」と言ってるので、値札を見ようとするとシールに手書き文字で「90xx(下二桁の数字は忘れた)」と書いてあり、Tシャツに1万円か~と思うが、すそのカッティングも凝ったデザインになっているので、これはこれで安いのかもしれないと思う夢。

(4:12)昭和っぽさの残る住宅地。洋服屋か、ファッション関係らしい長髪の男が、シャツにステテコ姿の坊主頭のおじいさんが飼っている犬をやたらと挑発している。犬は勢いよく吠えながら向かってくるが鎖でつながれているから届かない。おじいさんもイライラして男に犬に構うなと言っている。ついにキレたおじいさんが犬を解き放つと、犬はリースを引きずったまま勢いよく空き地の男に向かっていく。いつの間にか集まっていた柴犬っぽい野良犬の親子(子犬が数匹)もいて多勢に無勢。あの男、どうする気だろうと思って見ていると、すごい勢いで大量の石を投げて応戦している。岩とは言わないがかなり大きい石も結構な飛距離で飛ばしている。あいつ、意外とやるな。野良犬の親子はどこかへ行ってしまった。

それからそのレトロな町並みを歩きの店などをのぞいたような気もするが詳細は思い出せず。気づくと空き地のような広場に多くの人が集まっている。どうやらこの町で行われる映画祭のミーティングらしい。ふくよかな中年の女性が関わっている別の映画祭の行程表か、何らかの内部資料を持ってきていて、この中に正社員は何人ですか? と聞く。つまり、映画祭専従のスタッフが何人いるか、という意味らしい。どこからか、ふたり? という声が聞こえる。その女性はふたりでは無理ですと言うのだが、今はどうだか知らないけど、わたしがボランティアだったころのレインボーリール(当時の名前は東京レズ&ゲイ映画祭)は全員ボランティアだったけどな~と思いつつ黙っている。

代理店勤務っぽいリーダー格の男性(今にして思えばこの病院での担当の男性医師に顔が似ている)が、ローラースケートの色は赤か青かどっちがいいと思う? とみんなに問いかける。わたしの右隣にいる人が両方と答えるが、わたしが多様性を謳っているなら、カラフルじゃないですか? とつい口をはさむと、なぜかめちゃくちゃ納得した顔をしている。それよりもなぜローラースケートなのかが知りたいので、そのことを質問するのだが、めいめいが私語をしていて周りがざわついているのと、もともと声が通りにくいのでまったく聞いてもらえない。

ふと左隣にいるいっちゃんを見ると顔がこわばっていて、何かに憤っている様子。そもそもこれは一体何のためにするのですか? といっちゃんが腹の底から声を出して質問すると、それまでのノイズがピタッと止み、いっちゃんの声だけが大きく響く。それに続くいくつかの質問が終わるとまた周りのノイズは戻ってきた。こんな映画やドラマの効果みたいなこと、どうやってやったの? とわたしはアホみたいな質問をしている。しかし、そのような効果を体験していたのはわたしだけらしく、他の音が聞こえない間に、誰かが余計なことを言い、それに誰かが応戦してケンカになりケガ人が出ていた。そのことを説明してくれた若い女の子(知り合いか、芸能人かとにかくそのときは誰なのか知っていた)が泥にまみれてたので、わたしはハグして、髪の毛を撫で、いい子いい子しているという夢。

トイレに行き夢のメモを取っていると完全に目が覚めてしまったので、新しいスマホのカスタマイズをする。これまでホーム画面にアプリのアイコンが少ししか表示されてなくて、毎回アプリを捜すのが面倒だったのだけど、これで多少使いやすくなった。壁紙を当然町田くんにしているのだけど、時計の表示が大きすぎて全然顔が見えなかったのが、やっと時計の文字を小さくすることに成功。その後、ベッドが窓際にあるため電気を点けなくても明るかったので起床時間の6時まで「ヒッチハイク~」の続きを読む。部屋の電気が点いたのでメールチェックとDuoを1レッスン。

朝の検温。36.2。やっと平熱に戻った。子供のころから予防接種の日などに検温するといつも36.2だったのだが、このところ朝に検温すると35℃台が多かったので、今や自分の平熱が何度なのか分からない。

朝食

昨日、洗濯したのでパジャマを着替える。先生がドレーンの様子を見に来る。術前のマーキングのときにうまくいけば土曜日退院もあると聞いていたが、まだまだ血が混ざっているので難しいかなと言われる。げ、月曜日は? おそらく月曜日なら…。

お・そ・ら・く? 土曜日か月曜日にエコーで確認してと言われたので、土曜日にしてください。推しの舞台挨拶があるので月曜日には絶対に退院したいんです、と懇願。ドレーンの血を減らす方法って何かありますか? とすでに以前にも聞いた質問をする。ないですねぇ、しいて言うなら安静とか。え? 安静?
まさか、動かしたりしてないですよね? と腕をボクシングのように構えて左右に振りながら先生が言う。動かしてはないですけど、歩き回ってます。ああ、それなら大丈夫と言われたのだけど実を言うと… もちろん積極的に動かしてはいない。でも、右腕は利き手だから、つい動かしてしまい。あ、しまった、と思ったことが何回かある。手術も3回目であること、傷の痛みを全く感じないため(今回も痛み止めは一切なし)体感が楽なことで気の緩みが出ていた。実際、こうやってパソコンを打っているのはどうなんだろう。そう思ってテーブルの上から、本来の意味でのラップトップ(膝の上)に下ろして脇をしっかり締めて、今タイプしている。今日は木曜日。3日間で結果を出す!

足の爪を切り、何日かぶりに髪を洗う。前回の入院のときに爪切りの必要性を強く感じたので、出張ギアに爪切りや耳かきを入れてセットしておいたのだ。入院だけじゃなく、出張のときにもこのポーチを放り込むだけでいいようになっている。歩くときにドレーンを下げておく袋があるらしいのだけど、売り切れということで、今まではパジャマの上の前ポケットに入れて歩いていたのだが、着替えた例の名画パジャマにはズボンのお尻にしかポケットがない、と困っていたら看護師さんが袋を持ってきてくれた。表面にアウトサイダーアートか子供が描いたような絵がついててカワイイ。

昼食

毎回、ジョアのストローを袋から取り出すのに一苦労だ。ポテチの袋が開けられない、プルトップが開けられない、ビンの蓋が開かない、若いころはウソだろ? と思っていたが、今や全部あるあるだ。指先に力が入らない。
昼の検温37.0。なんでーーーーー?

1時間半ほどのとある動画を見たのち、ちょっと余分なところをトリミングして、友達にあげられるようエクスポートしようとしたら45分ぐらい経ったころだろうか、まだ半分ぐらいしか終わってなかったのに、いきなりPCの画面が黒くなった。まさか落ちちゃった? と思ったら、開いていたワードやテキストファイル、辞書ソフトはそのままで、編集ソフトだけがなぜか強制終了していた。当然エクスポートは終わっていない。もう一回やり直そうとして、高画質だったから、ダメだったのかもしれないと思って今度は中画質で設定。その間、翻訳は置いといてヒッチハイク本を読む。

最初はエクスポートが順調に進んでいたのが、途中から全然進んでいるように見えない。もしやと思ってパソコンを持ちあげてみると、熱っつーーー。めちゃめちゃ熱を持っている。自分の手、膝、足先などで冷却を試みるが限界がある。自宅なら冷凍庫にある保冷剤をタオルで包んで急場をしのいだりもできるのだけど…。ふと窓の前の一段高くなっているスペースを触るとひんやりしている。ここだな。そこに置き、今開いているファイルを全部閉じる。頼む、持ちこたえてくれ。置いている場所が温かくなると、微妙に位置をずらしながら行方を見守り、途中夕食を挟んでやっと無事終了。正確に計ってたわけじゃないけど、トータルで3時間ぐらいかかったんじゃなかろうか。おかげで本がかなり読めた。

夕食

そういえば、今日向かいのベッドの人のところに医師が3人来ていたのだが、それが兄弟+血縁関係のない女性の先生だったのだが、3人とも〇〇〇先生という話が漏れ聞こえてくる。ちょっと~、向かいのベッドのわたしも〇〇〇だよ~。もちろん口には出さない。夜の検温36.9。ドレーンの量もまだまだ減っていないし、何よりもまだ血が多くて赤い。しかし、わたしは初代ギリギリガールなので、冷や冷やしてもいつも最後は絶対間に合うのだ。必ず月曜日には退院する。

またもや短い動画を編集して、本を読む。安静に。就寝30分前にスマホを見たら友よりLine。プレミアム先行予約は落選、そのまま先行を申し込んだとのこと。ありがとうと返信してふと気づく。これはわたしも申し込めるから、当選確率を上げるために申し込むべきじゃんか。もうパソコンを閉じてしまったので、スマホでぴあの会員になるところから。会員じゃないと思っていたが、メールアドレスは既に使われているという。いつ会員になったのか? 昔よく使っていたパスワードでログインを試みるが違ったのであきらめてパスワードの再設定をする。パソコンなら名前、住所、電話番号、メールアドレスなどすべて辞書登録してあるので秒で終わるのだけど、スマホにはそれがないのでいちいち打つので時間がかかる。(しかもわたしはフリック入力が苦手)何とか申し込みだん。あとは舞台挨拶を見に行ってるところをイメトレしながら寝る。

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