プロジェクトコントロール
プロジェクトコントロールは直訳するとプロジェクト管理ですね。このシリーズの中核となる部分かと思いますが、内容は薄っぺらい……
今回も読み上げ動画を作ってありますので、音声で学ぶ方がお好きな方はご活用ください。(今回はPDUについても少しお話ししています)
プロジェクトをコントロールすることは、容易なことではありません。
プロジェクトを立ち上げる際に、目的に達成するための道筋を明確にしますが、これは変更不能な一直線の道ではありません。プロジェクトは常に計画から外れてしまうリスクをはらんでいます。
最終目的に到達するために、継続的に道筋を調整していくことも必要です。
プロジェクトのコントロールは、プロジェクトリーダーの仕事の中核になります。
プロジェクトをコントロールするために、以下のことを行なっていきます。
変動をみつけだす
原因を探しだす
対策をみつけだす
対処する
スケジュールを改定する
進捗会でメンバーから反発があったらどうするか
進捗会で、メンバーが「そんなことを報告するつもりはない」などと反発してきたらどうしましょうか。態度は柔和でも「報告する意識がなかった」などと言って報告を避けようとする場合もあります。
今、情報が必要であることを伝え、着実に進捗報告を受け取るようにしましょう。
進捗度とは
進捗度とは予定されていた活動量に対する実際の活動量の割合です。
活動がスタートしていない時の進捗度は0%で、終了した時は100%なのは当然ですね。
ただし、責任者の承認まで終わってから終了になるということを忘れないようにしましょう。責任者不在で次々と後続作業を進めてしまってはいけません。
進捗が遅れている場合、メンバーがその原因や解決方法を提案してくる場合があります。プロジェクトリーダーは、それを鵜呑みにせず、どれくらい遅れているのか、どのようにしたらリカバリできるのか原因と対策を分析して決定していく必要があります。
変動とは
この文書の冒頭で、実際の進捗度と予定された進捗度の差のことを「変動」と呼んでいます。
「変動」がプラスであれば作業が進んでいて、マイナスであれば作業が遅延していることを表します。
必ずしも、作業が進んでいればいいというわけではありませんが、遅延は最終成果物の完成時期に影響を与えるため、対処が急がれることになります。
作業が進んでいる場合も作業の漏れや承認処理の漏れがないか、きちんとチェックしましょう。
プロジェクトの途中の進捗チェックで、未来の進捗度を計ります。何らかの対策によってプロジェクトの終了までに予定をリカバリします。
プロジェクトの終了時に見えてくる変動は「完了時のギャップ」と呼ばれます。
プロジェクトリーダーの2つの仕事
プロジェクトマネジメント
プロジェクトの準備段階で予定を立てること。
全てのプロジェクトリーダーの重要な仕事。
予定があることで、予定より進んでいるか遅れているか判断することができるが、準備段階で予定を立てているから絶対に予定通りに進むということはあり得ない。プロジェクトコントロール
予定通りに進めるために下される一連の決定。
プロジェクトリーダーは単独で決定を下すことはできない。
決定を急がず、着実に変動の要因をみつけることから始める。
プロジェクトリーダーはプロジェクトオーナーにプロジェクトの進捗を報告する義務があります。
プロジェクトの遅れをみつけた時は、そのリカバリ方法まで考えて報告しにいきましょう。
こうした解決策は「完成のためのシナリオ」と呼べます。多くの場合、解決策は複数ありますので、いくつかのシナリオを用意することができます。
「完成のためのシナリオ」は変更後の新しいスケジュールを作るために活用されます。
完成のためのシナリオ例
活動の質を変える
活動の質を落とすことで期間を短くする要素の結びつき方を変更する
作業の構成を変更し、作業の順番を変更する資源の利用可能性を変更する
スケジュールは人材などの資源と深く関係している
シナリオはスケジュールに対応するが、スケジュールは人材に深く関係しています。
資源の観点からスケジュールを2種類に分類することができます。
資源が無制限のスケジュール例
オペレーションの支援
梱包資材とトラック
後方支援
スペース
資源が限定されたスケジュール例
予算資源
レンタル機器
技術者
ITチーム
オペレーションの支援は技術の制約がありそうだし、レンタル機器には人材の限定はなさそうな気がするので理解が難しいですね。
レンタル機器は借りられる時期が決まっているので、資源の利用可能なスケジュールが限定されていることになります。
対して、支援やトラックは借りる時期の調整が自在なものという考えですね。
資源が限定されたスケジュールは資源が無制限のスケジュールよりスケジュール調整に時間がかかります。手遅れになる時期が早いので早く手を打つ必要があります。
改定スケジュール
新しいスケジュールです。
プロジェクトリーダーに対する人材など資源への責任を表しています。
コントールの決定のたびに見直されるもので、進捗度チェックを契機に見直しが入ります。基本スケジュール
全体的なプロジェクトの計画です。
プロジェクトリーダーのプロダクト側への責任です。
基本スケジュールはプロジェクトのスコープが修正された時だけで、その際には成果物の見直しが必ず入ります。
プロジェクトリーダーは改訂スケジュールを基本スケジュールになるべく収束できるように動きます。場合によっては、プロダクトマネージャーの要求を拒否して、スケジュールを厳守する必要があります。
基本スケジュールと改訂スケジュールにズレが出てくると、もはや基本スケジュールは成り立ちません。見直す必要が出てきます。
プロジェクトマネジメントの例
プロジェクトの予算を設定する
活動の進捗レベルの記録を確認し、不正確な箇所を検出する
プロジェクトコントロールの例
中間的な承認を行う
他の人材にプロジェクトの一部の活動を割り当てる
追加の人材を要求する
感想
私が学習した教材では資源のことを人材呼んでいて、ところどころ腹落ちしなかったので、言葉を変えてみました。
いかがでしたか?
プロジェクトマネージャーの仕事は計画がメインでしたが、プロジェクトリーダーは進捗チェックと調整がメインの仕事で、とっても大変そうですよね。