マイルストーンの活用
今回も音読動画作りました。
音声で学ぶ方がお好みの方はご参照ください。
マイルストーンの役割
マイルストーンには、プロジェクトの全体像を把握し、「トンネル化現象」を避ける効果があります。
中間成果物とその実施順序を把握することができます。
言い換えると、マイルストーンとはプロジェクト全体の中間地点であり、これによってプロジェクトが計画通り進行しているか確認できます。
マイルストーンを用いて、プロジェクトの進行を妨げるような問題を最小限に留めることができます。マイルストーンが計画通り達成されていればプロジェクトは万事上手くいっていると考えて良いでしょう。
マイルストーンの達成が期日より遅れているなら、プロジェクトリーダーは次のプロセスを踏まえて対応していかなければなりません。
プロジェクトの遅れを取り戻すために軌道修正する
プロジェクトの計画を検討しなおす
納期を遅らせられないか調整する
プロジェクトの中止を検討する
マイルストーンは、それに対応する成果物が受け入れられたことも示します。
マイルストーンは測定可能な指標を用いて設定され、プロジェクトの途中で進捗状況を確認するために用いられます。マイルストーン前後の状況は常に明確になっているはずなのです。
感想
マイルストーンの達成が期日より遅れている時、プロジェクトリーダーはプロジェクトの遅れを取り戻すためにまず「プロジェクトメンバーにがんばらせる」ということがよくあると思います。
しかし、プロジェクトメンバーに発破をかけるだけがプロジェクトリーダーの仕事ではありません。
マイルストーンを組み直して作業順序を調整したり、成果物の精度を再考証したりといったことも考えなければなりません。
納期を遅らせられないかプロダクトオーナーに確認したり、プロジェクトを中止するといった強い行動に出るべきこともあります。
特に、プロジェクトが深い入れ子構造になっている場合、元のプロダクトオーナーは「そんなに急いでいない」「そこまでの完成度を求めていない」ということもありますので、明らかに無理のある成果物については改めて調整することをお勧めします。
実際に私がプロダクトオーナーの立場だった時、「判定書に発注先責任者情報と担当者情報を入力し所定のサイトにアップロードする」というWBSが、プロジェクトからさらに発注されたプロジェクトに「判定書」という成果物を持つマイルストーンとしてだけ伝わっていたことがあります。
私は、「判定書を完成させなければならない」と考えた発注先のプロジェクトリーダーから直接謝罪され、納期の変更を打診されました
「判定書の完成は再来月だよ。今日明日のうちに担当者欄にあなたの名前と電話番号だけ書いて発注元窓口に提出してくれたらいいよ」と答えると笑顔で帰っていきました。
このように書きかけの文書を提出してもらうことは、トンネル化現象を防ぐ方法にも該当しますが、発注時、成果物の完成度まで伝えないと発注先に多大な負担を負わせてしまいます。