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お香日記 2024年6月25日(火)
自転車でいつも行かない方向に出かける。
先日の「蚊遣線香づくり体験」でお会いした方の家の庭を見に。
「場のお香」の候補地だ。
たまたまこの日は「庭にある広大な竹林の炭を無煙炭化器で作ってついでに竹筒ごはんを作ったり、竹細工の予備動作である竹の油抜きをしよう」というクローズドぎみのイベントだった。無煙炭化器、こんな簡単な構造で、、とバカバカしくなるが、これで煙でなくなるんだから本当にすごい。
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竹に詳しいおじさんがいて、「指輪作りますか」と聞かれた。聞くとまんまるプレイパークというプレイパークにいたおじさんで、10年くらい前、指輪づくり教えてもらったんだが、どうしてもできずに半分おじさんに作ってもらった。そして、今回もおじさんに半ば作ってもらった。前作ったのずっと気に入っていた。私の根本が太い指でもなじむし、私の人柄にも合う竹。最近捨ててしまったと思うが、捨てたらまたやってくる指輪。うれしい。結婚指輪ないからこれにしよう。
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お庭を見せていただく。竹林の向こうに開墾したっぽい畑があり、そこの竹林と畑の境にミントが生えていて、謎の感動があった。竹とミント。仲良さそう。
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竹筒ごはんは大成功。参加していた陶芸作家さんが、竹でへらをこしらえていて、それを竹筒にこびりついたごはんに使うと、金属のスプーンと違ってキレイにとれた。スプーンでこそげたごはん、誰にも気づかれずに会場のすみでひっそりしていたので、竹皮にのっけて、どなたかが持ってきてくださった小梅漬に、庭の山椒の葉を乗っけて、竹皮を裂いたヒモでしばってお持ち帰り用。
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陶芸作家さんに「やっぱり竹筒に竹のへら、同じ素材だととれやすいですね」と言うと、「それは物語ってのもありますね」とおっしゃる。その前も乳鉢も作ってらっしゃるというので、「お香を作っているので、いかに素材を細かくするかをいつも考えてますので、乳鉢興味あります」といったら「胡麻とかでも、一番いいのはおばあちゃんが縁側ですったものだっていいますよね」っておっしゃった。
「ああ、やっぱりゆっくり時間をかけて弱い力で、ってことなんでしょうか」といったら「物語の力もありますね」とおっしゃる。
「先ほどから物語、という言葉が何回も出てきて、物語のもの、そうじゃないもの、ってわけて話してらっしゃいますね」というと
「僕は自分のものに物語をつけないようにしているんです。でも、お客さんは物語のあるものを欲しがる」とのこと。
「私はお香というと草木からできているので、お香はしょせんは草木です、とは思う。けど、植物の力が思ったほど以上に大きくて、無意識にみんな支えられて生きているし、同じ品種でも育った場所や人や農法によってみんな違う。物語と物語じゃないところの境はずっと気になっています」という。
物語と物語じゃないただの作品。私は、ちょうど間に位置したい。
きになる草木をいただいて帰る。竹の灰も。灰と炭って確かに違うはずで、それがお香づくりにどう影響するのか。わからないのでやってみなくてはわからない。本当に、さまざまな命がひしめく庭だった。
夕方、カメラマンのまおさんに壁打ちしてもらう。かつてお香のknew!の動画を作ってもらった。今の自分のサービスを振り返ってさらに前進するために、いろいろ話す。
撮ってもらった動画…!
ものすごく整理された。そして、地に足のついた一歩…。
めちゃくちゃありがとうございます…。
家に帰って、そうめん+豚しゃぶ食う。めっちゃうまい。
そのあと、唐突にはじまった 心に風 の夏至を迎えるハーブブーケの解体と標本づくりと、お香づくりのための乾燥。
心に風 は淡路島のバイオダイナミックで作っているハーブの店。
いつか心に風に行きたい。去年、淡路島に行ったのだが、お香づくり体験しただけで帰ってきた。
キク科って、花の中にたくさん虫がかくれている。今回のヤロウもそうだった。ティーツリーの花がかわいすぎる。ミントが愛しい。
眠い!! 眠い!! といいながら、息子と話しながら、最後までとりあえず終えた。みんな愛しい。これがお香になったらどうなるのか。
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