アメリカ生活:idNYCを取得しました!
8月の終わりに申請していたニューヨーク市が発行する身分証明書“idNYC“がついに手元に届いたので、今回はこちらについて振り返りたいと思います。
idNYCとは
idNYCとは、ニューヨーク市に住む10歳以上の全ての方(ホームレスの方なども含めて全ての住人)が申請可能なもので、学校などニューヨーク市の建物への入館、市のサービスへのアクセス、仕事の応募(労働許可証が別途必要)に利用できるカードです。またニューヨーク市の警察に身分証明書を求められたときにこのカードを提示すれば、正式な証明書として認められるそうです。図書カードとしても使えたり、カード記載のバーコードで美術館・博物館の無料メンバーシップ、映画や舞台のチケットの割引などの特典も受け取れるので、ぺろさんはもっぱら特典目当てで申込みをしてみました。
特典情報はこちらのサイトにあります。日本語版は2019年から更新されておらず、、ですが、だいたい変わってないと信じたいですね。
なお、ニューヨーク市が発行する図書カードに付帯するカルチャーパスというシステムでも、美術館や図書館に無料で入館できます。カルチャーパスの方がたくさんの施設が加盟しており、どの施設も1年に1度のみ利用可能などの回数制限が設けられています。
idNYCの特典の場合、各施設のメンバーシップ(年間パス)を1回だけ無料で登録することができるというものです。メンバーシップの内容は施設によって異なりますが、例えばメトロポリタン美術館であれば、メンバーシップホルダーに加えてゲスト1名と17歳以下の子ども1名まで無料で何度も入館できたり、会員限定のイベントへの招待や会員用の入り口から入館できるなどがあるようです。
申請方法
申請方法はシンプルで、必要書類を揃えて役場に持って行くだけです。いろんな方のブログを拝見しましたが、時期によって、Walk−in(アポイントなし)が可能な場合や申請場所が異なるなど、違いがあるようなので、今回はぺろさんが申請した2024年8月Ver.の情報をお届けします。
必要書類の準備
せっかくアポイントを取っても必要書類が揃っていないと申請ができないため、先に書類を揃えることをおすすめします。
必要書類については、こちらの公式サイトに詳しく記載があります。要約すると、①申請書類(現地でも記入可能ですが印刷して事前準備した方が早いです)②写真付きの身分証明書(なければ保険証などいくつかの書類を組み合わせる)と③住所証明書類(自身の名前と住所が記載された公共料金の請求書や賃貸借契約書、銀行取引明細書など)の3種類の書類があればOKということだそうです。
①は印刷して記入すればOK、②もパスポートやNY州の運転免許証があればクリアできます。問題は③です。家賃と別に公共料金を支払っている場合、公共料金の請求書の宛先の名前を連名にしてもらうのが簡単な方法らしいですが、ぺろさんたちの学生寮は、公共料金が家賃に含まれており請求書がそもそも発生していませんでした。
こうしてぺろさんに残された道は、
⑴夫名義の賃貸借契約書・Attestation(適切な書類がない場合に配偶者やパートナーを証人として申請を承諾してもらうための書類(公式サイトからダウンロードできます))・Attestationのサイナーが配偶者である証明書(大使館で発行できる英語版の婚姻証明書(ビザ取得の際は戸籍謄本を自身で翻訳したものでもOKが出ましたがここは通らないようです)の3点を集めるか
⑵銀行口座を開設して取引明細書を発行する
の2つになりました。
ぺろさんは、ちょうど夫の銀行口座を開設するタイミングだったので、ついでに自身の口座も開設し、取引明細書をゲットすることにしました。Fー2ビザは働けはしないですが、銀行口座を開設するには特段ハードルがないらしく、パスポートとIー20のみ手続きができました。
(余談ですが、アメリカではジョイントアカウントというシステムがあり、パートナーと2人で1つの口座を持つことができます。万が一、一方が何かの理由で手続きができなくなった場合に、もう一方が簡単に手続きを進められるので便利です。)
肝心の取引明細書ですが、パスポートと口座開設の際に発行してもらったデビットカードを持って、口座のある銀行の支店に出向き、Bank Statementが欲しい、idNYCを作成したい、と伝えるとすぐに印刷してもらえます。(もちろんお金はかかりません。)ぺろさんは、デビットカードが手元に届く前だったので、パスポートのみを持参し、まだカードが届いていないことを伝えたところ、生年月日と住所を口頭で言うように言われ、お伝えすれば問題なく印刷してもらえました。
話が長くなりましたが、これで必要書類が揃ったので、次はアポイントを取りたいと思います。
アポイントの取得
ぺろさんが申し込んだ2024年8月現在、Walk-inを受け付けている会場はなく、申請のためには必ずアポイントが必要でした。会場はマンハッタンに3ヶ所、クイーンズやブルックリンなどにもあります。アポイントサイトは毎日おそらく0時頃に更新され、1週間後の1日分の予約が可能になるシステムでしたが、予約枠がすぐに埋まってしまって予約が非常に取りにくい状況でした。
定期的に確認しているとキャンセルが出ることもあるようなので、ぺろさんは0時は諦めて、6時台に起き、当日のキャンセル待ちを狙いました。
確認し始めて3日ほどで、当日キャンセルの空きを発見でき、無事予約できました!
アポイント当日の流れ
ぺろさんが予約できたのは、マンハッタンの3つの会場のうちの1つ、ユニオンスクエアガーデン近くの会場でした。
チェックイン
まずは建物に入り、左側の廊下に進んですぐ左手のお部屋に並んでいる機械でチェックインを済ませます。ここで受付番号を発券し、部屋の前にできている列に並びます。この日はすでに40人ほど並んでいました。
(余談ですが、チェックイン機の前で操作に手こずっていると、案内係の方がまとめて適当な枚数刷っていた受付番号の紙をくれました。アポイントを取った際のConfirmation numberは他で使う場面がなかったので、おそらくこのチェックインに必要なものだったと思われ、適当に受付番号くれるんだったらWalk-inでもバレないじゃん、と思いました。)
書類受付
列の進みが悪いなと思いながら待つこと1時間、ようやく書類窓口に着きます。ここでなぜ列の進みが悪いのかわかりました。こんなに多くの人が並んでいるのに窓口はたった2つだけでした。持ってきた書類を提出すると“後で呼ぶから隣の部屋で待ってて“と言われました。パスポートも書類も受付番号の紙も全て回収されて待たされるのでやや不安です。
データ内容の確認、写真撮影、電子サイン
隣の部屋で待つこと1時間半。待ち時間が長すぎて、ぺろさんの書類忘れられてない?それとも呼び出しを聞き逃した?と何度も思いましたが、ちゃんと呼ばれました。(自分より前に並んでいた方を数名覚えておくと安心ですw)
名前で呼ばれるので、呼ばれたらその担当者の方に連れられ写真撮影ブースへ。まず提出した申請書類に書いた内容と担当者がPCで入力した内容が合っているか確認を求められます。確認が済めば、カード上に表示される自身の電子サインをします(クレジットカードの決済でサインが必要なパターンのときのあれです)。
最後に写真を撮ったら、提出した書類と申請内容の控えを渡され、これで終了。
idNYCカードの受領
アポイントの際にカードは登録した住所に郵送するが、手続きに3週間ほどかかる見込みとのことでした。アメリカで伝えられた期限より早くできた、という経験がなかったので、期待せずに待っていたところ、なんと2週間で手元に届きました!
まだ使う予定はないですが、渡米後こんなにスムーズに物事が進んだことがなかったので、少し嬉しい気持ちになりました。またアポイント当日待っている時間は、どこの国の役所も融通が利かず、長時間待たせるという点では変わらないなとしみじみ感じる良い経験でした。