【ホロライブライブレポート】4年7か月ぶりの現地ワンマンLiVE「AZKi Major Debut LiVE “声音エントロピー”」で魅せた、”ありえないの向こう側”
2024年8月3日、KT Zepp Yokohamaにて「AZKi Major Debut LiVE “声音エントロピー”」が開催されました。
私は本公演の「昼の部」に参加させて頂きましたので、ライブレポートという形で振り返りながら個人的な感想、感じたことを残したいと思います。
普段の楽曲紹介とは毛色の違う記事となりますこと、また、あくまでも自身の感想を振り返る要素の強い記事のため、ライブレポートと言えるほどの密度ではないかもしれませんが、最後まで楽しんでいただけたら幸いです。
(記事内の写真は本公演の配信アーカイブから採取させて頂きました)
1. AZKiさんのご紹介
まず初めに、ご存じの方は多いとは思いますが簡単にAZKiさんのご紹介を。
AZKiさんは、カバー株式会社が手掛ける音楽特化型VTuber、いわゆるVSingerとして2018年11月にデビュー。
その後いくつかの”ルート分岐”を経ながら今に至るまで歌を中心とした活動を継続、現在はYouTubeチャンネル登録者数100万人超えやビクターエンタテインメントからメジャーデビューも果たしている人気のVTuber/VSingerです。
そんなAZKiさんの一番の魅力と言えば、やはり美しくエモーショナルな歌声でしょう。
柔らかくて優しい、透き通るような素敵な歌声はもちろん、曲に合わせて魅せる感情表現がとても素晴らしく、まさに魂を込めて歌い上げるその姿は本当に魅力的で、聴き手の心にスッと入り込んでくる、そして感情をグッと掴んでくるAZKiさんの歌声は唯一無二ではないかと私は思っています。
私自身、AZKiさんの歌声を初めて聴いた時はこれまで感じたことのない感情が芽生えたことを今でもよく覚えています。
(もちろんAZKiさんの魅力は歌だけには留まりませんがこの場で語り出すと収拾がつかなくなりそうですので、私がAZKiさんと出会ったきっかけ含めいつか記事にできればと思っています)
また、AZKiさんを語る上で欠かせないのが、彼女がこれまでの活動の中で選び、そして歩んできた”ルート分岐”です。
AZKiさんはこれまでの活動の中で現れたターニングポイントを「ルートα/β/γ」と呼んでおり、これらのルートを選んできたことによって現在のAZKiさんが存在している、今もAZKiさんとして活動ができていると言っても過言ではない、AZKiさんやファンにとって重要な分岐点となっています。
それ故に、AZKiさんの楽曲には、彼女自身がそれぞれのルートを歩む中で抱いていた想いや感情を込めたものが多く存在しており、AZKiさんの歴史を知れば知るほど涙なしには聴けなくなってしまう、いわゆる”床”になってしまう曲が豊富であることでも有名ですね。
なお、これまでのAZKiさんの歴史やルート分岐については以下の配信にてAZKiさん自身が分かりやすく振り返ってくれていますので、こちらをご覧頂くことでAZKiさんの解像度が高まるかと思います。よろしければご覧ください。
2. 「声音エントロピー」というLiVEとそれに臨む私の感情
そんなAZKiさんにとって現地会場でのワンマン公演は何と約4年7か月ぶり、と言うことで、AZKiさんはもちろん、これまでAZKiさんを応援してきた「開拓者」(AZKiさんのファンネーム)の皆様にとっても本当に待ち望んだLiVEだったことでしょう。
私もまさにそんな「開拓者」の一人です。
ただ、私はAZKiさんに出会い開拓者になってからまだ7か月程度(本記事執筆時点)の新参者です。
なので、先輩開拓者の皆様のように長い月日を待ち侘びていたというわけではありません。AZKiさんとともに歩み歴史を作ってきたわけでもありません。
それでも、私はAZKiさんの歌声に、魅力に心惹かれたイチ開拓者です。AZKiさんの歌声を生で聴いてみたい、画面の中ではないAZKiさんに想いを伝えたい、と思うのは自然なことではないでしょうか。
そんな気持ちが日に日に高まっていたところでの今回のLiVE開催でしたので、発表を聞いた時、そしてチケットに当選した時は涙が溢れて止まりませんでした。私の夢が叶うんだ、と。
3. 「声音エントロピー」昼公演 開始前
かなり前置きが長くなってしまいましたが、遂にLiVE当日、2024年8月3日を迎え、いざ石川県からLiVE会場のKT Zepp Yokohamaへ。
会場のKT Zepp Yokohamaは約4年前にオープンした比較的新しいライブハウスと言うことで音響も良くとても綺麗でした。
会場キャパは1階スタンディングと2階指定席合わせて約2,000名と言うことでライブハウスとしては大きめの箱でしょうか。
とは言えチケットはSOLD OUTでしたので、スタンディングだとかなりすし詰め状態になるかな…と思っていましたが実際は周りの方と体が触れ合うこともあまりなく、ペンライトを振れるくらいのスペースは確保できていましたので思いのほか快適にLiVEを楽しめましたね、ありがたや。
ちなみに私はスタンディングS、かつ整理番号が若く開場後すぐに入場できたこともあり、最前列から3列目、ほぼ真ん中(ステージから見て少し左寄り)と、ステージに近い場所で見させて頂くことができました、これまたありがたや。
4. 「声音エントロピー」昼公演 ライブレポート
そんなこんなでLiVEの開始時間。
昼公演は当初予定の開演時間12:30よりも10分遅れた12:40からスタート。場内が暗転し会場内にSEが響き始めます。
LiVEの始まりを待ち侘びる観客を煽るかのようにSEは音量を徐々に高め、会場が湧き始めたところでSEが終了、それと入れ替わりでスクリーンにはアタックムービーが上映開始。
映像では、デジタル空間に浮かんだ難解な数式やグラフを背景に、まるでAZKiさんの歴史を辿るように、AZKiさんのデビュー日やこれまでの衣装のモチーフ、α/β/γ、推しマーク、過去のLiVE映像等が次々に登場。
そしてその空間の中で現在のAZKiさんが構築されていき、最終的には現実世界であるステージに飛び出してくる、そんな演出でした。
アタックムービーの最後にはLiVEに向けたカウントダウンが開始。
観客の歓声とともにカウントが”0(ゼロ)”を迎えた瞬間、スクリーンには”AZKi Major Debut LiVE 声音エントロピー”のタイトルが表示され会場は再び暗転、しばしの静寂が訪れます。
いよいよLiVEが始まるんだ…という期待感が溢れる中、静寂を切り裂くように満を持してAZKiさんが遂に「登場」。
個人的な感覚かもしれませんが、私には間違いなくそこにAZKiさんが立っている、そう感じることができました。
「画面の中の君」ではないAZKiさんに会えたという嬉しさ、感動でこの時点でもう既に私の眼には涙が滲んでいたことを良く覚えています。
4-1. Lazy
お馴染みの4th衣装を身に纏い最初に歌ったのは、メジャーデビューALBUM「Route If」でも1曲目を飾っている「Lazy」。
穏やかなサウンドの中で聴き手に語り掛けるように歌うAZKiさんの歌声が特徴的な本曲は、歌詞の世界観も相まって、まさにこれから”声音エントロピー”という物語が始まるんだ…と胸躍る感覚にさせてくれる、1曲目に相応しい選曲だったなぁと感じました。
いわゆるポエトリーリーディングな本曲はAZKiさんの透き通るような優しい歌声をよりダイレクトに堪能できるところもとても心地良くて素敵でしたね。
まるで演技をするかのようにステージ上をゆっくり歩きながら歌う姿は本当に可愛くて思わず見惚れてしまいました。
4-2. in this world
そして「Lazy」の曲終わり、「行くよ、開拓者。」の一言とともに始まった次の曲は、イノナカミュージック時代にリリースした2nd ALBUM「Re:Creating world」から「in this world」。
疾走感あふれるアッパーなロックチューンでLiVEをグッと盛り上げるにはもってこいの1曲ですが、この曲の神髄はやはり歌詞に込められたメッセージではないでしょうか。
生きるのが苦しいこの世界の中でもAZKiという存在は開拓者一人一人の中に存在している。だからあなたがいる限りそこがAZKiの世界であり、AZKiは開拓者一人一人の世界の中で寄り添い歌い続ける。全ての開拓者が幸せだと思える世界になることを願う…開拓者にとって涙なしには聴けない1曲です。
歌い初めに放った一言「行くよ、開拓者。」、そしてそれに続いて歌う「in this world」は、これからも一緒に世界を創っていこう、というAZKiさんからのメッセージなのかもしれない、そう思うと私もこの曲を聴きながら涙が溢れて止まりませんでした。
私は開拓者歴が浅いためAZKiさんとともにずっと歩んできたわけではありません。先輩開拓者の皆様のようにAZKiさんとともに歴史を紡いできたわけでもありません。
そんな私でも、AZKiさんを応援すること、これからともに歩んでいくことを赦されたような気がしてとても嬉しかったです。
ちなみにLiVEでは、本曲セリフ部分の歌詞が以下の通り一部変更されていましたね。
今日の公演を見てくれている開拓者みんなで今日のLiVE、そして未来を創っていこう。そんなメッセージが込められているように感じました。
曲の後半ではステージから2本の火花が立ち上がる演出もあり、会場が一気に盛り上がりを見せた2曲目だったのではないでしょうか。
(AZKiさんと言えば水樹奈々さんのファンでもあるので、火花の演出はもしかして…なんて同じく水樹奈々さんファンの私は邪推してしまいました笑)
4-3. 最強×最弱ガール
3曲目はイノナカミュージック時代にリリースした21thシングル「最強×最弱ガール」。
私、この曲めっちゃ好きなんです。
強くありたいけど弱さを捨てきれない、そんな誰もが抱えるテーマを、跳ねるようなピアノのメロディと颯爽と吹き鳴らすサックスのサウンドに乗せてジャジーかつポップに歌い上げるこの曲からいつも元気をもらっているのですが、まさかセットリストに入ってくるとは思っておらず…イントロが流れてきた瞬間、思わず唸ってしまうくらい嬉しかったですね。歌声はもちろん、ラップ調の部分やサビの振り付けもめちゃ可愛くてもう最高でした…。
もしまたLiVEでこの曲を聴く機会があるのであればぜひサックスもバンドメンバーに入ってくれると嬉しいですね。
MCパート①
3曲目が終わったところで最初のMC。
恒例の挨拶「みんなーこんあずきー!右手にマイク、左手に地図!あなたのハートをゼロゲッサー!」に合わせて「バキュン!バキュン!バキュン!バキュン!」と銃を撃つ仕草で急に観客をGuessし始めるAZKiさん…
え?何それ可愛すぎませんかね?恒例の挨拶を生で聞けただけでも感無量なのに何ということを…開幕15分で開拓者の感情をジェットコースターにするAZKiさん、強過ぎました…。
「声と音とみんなの想いで一体感のあるLiVEしたい」というLiVEのコンセプトを語りつつ、観客とインタラクティブにコミュニケーションを取るAZKiさんの姿を見て、普段の配信とは違う、今日は私たちの声がちゃんと直接届いているんだな…とここでもまた涙ぐむ私でした。
4-4. map in the cup
MC明け、4th衣装に加えてGeoGuessrをプレイする時に着用している探偵風の帽子を被って登場したAZKiさんが次に歌った曲は、メジャーデビューALBUM「Route If」より「map in the cup」。
温かいカップをそっと手のひらで包み込むように、優しくゆったりと歌い上げるAZKiさんの歌声は音源で聴くよりも絶妙な感情の起伏があってとても素敵でしたね。
特にBメロからサビに入るときにグッと感情が盛り上がる部分は聴き手の私の感情も一緒に持ち上げてくれるようで楽曲の世界観に心地良く浸れた気がします。
「map in the cup」、聴けば聴くほどAZKiさんの魅力がどんどん伝わってくる…流石やなぎなぎさんの曲ですね。
4-5. FreeGeo
同じ衣装のまま続けて歌うのは、ビクターエンタテインメント所属後初めてリリースしたメジャーデビューEP「3枚目の地図」より「FreeGeo」。
まだまだ旅路は途中、それでもまだ見ぬ新しい世界に進んでいこう、と自身の想いを前向きに歌うこちらの曲はAZKiさんの大好きなゲーム「GeoGuessr」をモチーフにした1曲。
明るく軽快なエレクトロポップで会場全体がまさに跳ねるようにグッと盛り上がっている印象でした。
サビでドロップを採用していることもあって、一番盛り上がるポイントでコールできるのがこれまた楽しかったですね。LiVEなのでシンプルに盛り上がれる曲はやっぱり最高です。
4-6. エトランゼ
その後、被っていた帽子を脱ぎ次に歌ったのは、メジャーデビューALBUM「Route If」より「エトランゼ」。
近くにいるはずなのに遠い存在、相手を想い焦がれているのに気持ちを直接伝えられない葛藤、そんな切ない感情をしっとりと歌い上げるこの曲は、いつも近くにいるようで実際の距離はとても離れているAZKiさんと開拓者そのもの。
そんな両者が今まさにこの「声音エントロピー」で相まみえているのです。これはもう奇跡と言っても過言ではありません。
AZKiさんは歌で気持ちを届ける、そして開拓者はレスポンスで気持ちを伝える。お互い叶えたかった夢をまさに今この場所で実現できたと思うとそれはもう涙も溢れてくるでしょう。
後悔しないよう今日は余すことなく想いをちゃんと伝えよう、この曲を聴いてそう決意しました。
曲に進行とともに徐々に感情の熱量が上がっていく曲調、歌い方も本当にグッとくるんですよね…「エトランゼ」、とても良い曲です。
MCパート②
ここで2回目のMCへ。
地図に関わる2曲を歌ったこともあり、AZKiさんと観客みんなでKT Zepp YokohamaをGuess!!
その後、LiVEの特典付きチケットを購入した方に配られていた無線制御ペンライトを使って、AZKiさんの指示に合わせて会場のペンライトの色が変わるかどうかチャレンジしていましたが、見事に指示通り色が変わっていましたね~とても綺麗でした。
ここまでの曲中もそうでしたが、主催者側がペンライトの色をコントールして切り替えることで、ペンライトも重要なLiVEの演出になるのでとても良いアイデアだなぁと思いました。
(そもそも曲に合わせてペンライトの色を変えるのって結構手間ですから自動でやってくれること自体とてもありがたかったです)
MC最後には、AZKiさんの「声出していけますかー!?」の掛け声に合わせて声出し。
大きな歓声を聞いたAZKiさんが「開拓者ってこんなにいたんだ…!」と驚くとともに、開拓者に対して今日は実際に床にならないよう依頼していましたが、個人的にはもうこの時点で床になる直前という…まだLiVEは始まったばかりなのに大丈夫か私…と自分で自分を心配した瞬間でした(笑)
4-7. まいすとらてじー!
MC明け、力強いドラムのリズムがタイトに鳴り響き、それに呼応するかのように会場のボルテージも徐々に上昇。
その後ドラムのリズムにベースラインが合流してきたタイミングでブライト衣装に着替えたAZKiさんが登場。
「ここからはもっともっと盛り上がっていきましょうー!」というAZKiさんの掛け声とともに会場内にコールが沸き上がり、盛り上がりが最高潮に達したところで次の曲、メジャーデビューALBUM「Route If」より「まいすとらてじー!」がスタート。
エキゾチックさとコミカルさを兼ね備えたような独特のサウンドやリズムが面白いこちらの曲、韻を踏むかのようにリズミカルに流れていく歌詞とメロディがとにかく楽しくて良きでしたね。
サビ終わりの「次!」と言うセリフはもちろん、感情豊かな歌い方や表情、そしてコミカルなダンス…どれをとってもAZKiさんの可愛いがとにかく溢れる最強の1曲でした。
個人的にはサビの「どっちっちーのち?」の部分がツボなのです…本当にありがとうございました。
一方で、生バンド演奏による効果か、その独特なメロディやリズムがより際立っていたというか、CDで聴くよりもサウンドのエッジが効いている感じがして凄くカッコ良かったですね。
跳ねてうねるベースラインなんて特に気持ち良かった…流石クラムボンのミトさんが作られただけあります。
AZKiさんの歌い方含め、LiVEで聴いて一番印象が変わった、より好きになった曲でした。
4-8. リアルメランコリー
続いて8曲目は、イノナカミュージック時代にリリースした2ndシングル「リアルメランコリー」。
AZKiさんの超初期曲ですね、そしてAZKiさんの楽曲を語る上で欠かせないクリエイター「瀬名航」さんとの出会いの曲と言うこともあって個人的にも強く印象に残っている曲でしたので、LiVEで聴けてとても嬉しかったです。
ミドルテンポながらも明るくポップな曲調でゆったり聴ける素敵な曲で、それでいて「Yeah!」や「boo!」と言ったコールもあってとても可愛らしい1曲。
ネット社会の生き辛さ、活動の難しさから生じる負の感情に寄り添って進んでいくことを込めた曲と言うこともあって、AZKiさん自身、優しい感情そのままに、素直に歌っているような感じがしました。その分だけ、AZKiさんの優しい歌声がストレートに堪能できた素敵な1曲でした。
4-9. ω猫
そして9曲目は、メジャーデビューEP「3枚目の地図」より「ω猫」。
はい、遂にやってきましたAZ猫タイム。
普段の清楚で穏やかなAZKiさんとはちょっと異なるツンデレ要素満載のとにかく可愛い曲だということはわかってはいましたが生で聴くと何と衝撃が強いこと…
ずっとにゃんにゃん言ってるAZKiさん可愛過ぎませんかね…終始悶絶、ニヤニヤが止まりませんでした。
会場一体となったにゃんにゃんコールは凄まじく、AZKiさんと観客が遊びながら歌を楽しむ、そんな空間になっていた気がします。
α/β/γの終着点、ギリシャ文字の最後「ω(オメガ)」まで一緒に行きたい!まさにそう思えた瞬間でした。
MCパート③
その後は3回目のMCへ。
LiVEあるあるの「お水飲んで良いですか?」やり取りで場を和ませつつ、暑い中LiVEを見に来た開拓者を労わってくれるAZKiさん。
身に纏うブライト衣装をクルクルと回りながら見せつけたところで、LiVEはもう中盤、ここからは後半戦であること告げ、ここからはいよいよバラードゾーンへ突入。
4-10. 藍深く
暗転後、ドレス衣装に着替えて再び登場したAZKiさんが歌うのは、メジャーデビューEP「3枚目の地図」より「藍深く」。
ここまでの明るく楽しい空気から一転、静けさの中に響き渡るAZKiさんの儚く感傷的な歌声。
美しいピアノのメロディとともに悲恋のバラード曲を歌うAZKiさんの歌声、そして表現力に、私自身、そして会場全体が一気に惹き込まれていく空気をこの身で感じました。
序盤は優しく裏声で綺麗に歌いつつも、曲が盛り上がっていくにつれて地声で力強くストレートに歌い上げるAZKiさんの歌い方も、音源で聴いて分かっていたとは言え、生で聴いた時の迫力は段違いでしたね。
曲の始まりから余韻に至るまで、切なさと心地良さが心の中で揺れ動くような、まさにAZKiさんの歌声の良さを全身で感じることができた圧巻のバラードでした。
「ボイスドラマ」パート
続けてもう1曲バラードが来るのかな?と思いきや、ここでボイスドラマが差し込まれます。
ボイスドラマは以下のようなストーリーでした。
4-11. 画面の中の君が好き
そしてボイスドラマからの流れで披露されたのは、イノナカミュージック時代にリリースした23rdシングル「画面の中の君が好き」。
この曲はタイトルの通り「画面の中の君=推しのVTuber/VSinger」への想いをストレートに歌った歌です。
推しのVTuber/VSingerがいる方であれば、この歌に込められた気持ちにきっと共感できることでしょう。
何事にも別れはつきもの。
なので「私」の推しである「君」との別れだっていつかは訪れるかもしれない。
それでも「私」は「君」に出会い救われた。
だからこそ、「君」が「君」でいるこの時間が、「君」にとって素敵な思い出であってほしい。
そのために、「私」は「君」の幸せを一番に願い最後まで見届けるよ。
それが「私」にとっての幸せでもあるから。
「私と出会ってくれてありがとう」
この曲を聴きながら涙ながらに心の中で何度も叫びました。
私たちの想いをAZKiさんが目の前で歌ってくれている、というのも、私たちの気持ちがAZKiさんにちゃんと伝わっている気がして何だか嬉しかったですね。
MCパート④
そしてここで4回目のMC。
「今日のLiVEはここまで活動を続けていなかったら叶うことがなかったことをいっぱい叶えてくれたみんなへの恩返し」であること、「いろんな分岐点があった中でも開拓者と今日この道を歩くことができてとても幸せ」ということを感謝の言葉とともに伝えるAZKiさん。
そして「これからも一緒に開拓してくれますか?」と会場に投げ掛けるAZKiさんと、それに呼応しドッと沸き上がる会場。
私もそうですが、感謝しているのは開拓者の皆さんも同じですからね。
ここまで活動を続けるルートを選んでくれたことへの感謝、そしてこれからも一緒に開拓できる喜びを私も力の限り叫び伝えさせて頂きました。
この気持ちを上手く伝えられたかどうかは正直分かりませんが、それでもAZKiさんに直接伝える機会を頂けたことにただただ感謝です。
4-12. エントロピー
MCが終わり、ドレス衣装のまま次に歌うのは、メジャーデビューALBUM「Route If」より「エントロピー」。
喜びや悲しみ、不安や葛藤…様々な想いを抱きながらも紆余曲折を経て今ここに辿り着いたAZKiさん。
「誰かを照らしたい、救いたい」、そう言える自信を持つまでに成長した彼女の歌う姿はこれまで以上に頼もしく感じました。
ルートαで終わるはずだったAZKiさんの物語が今もこうして続き、まだ誰も知らない「ありえあない」の向こう側にこれからも進んでいく彼女の希望溢れる歌声は本当に素敵でした。
美しい鍵盤の音色、爽やかで疾走感のあるメロディ、ラスサビでの転調、と曲からも溢れ出す前向きさも兼ね備えているのがこの曲「エントロピー」の良さですね。瀬名さんの曲はどれも違った角度で胸にグッと来るものばかりで本当に素晴らしいです。
4-13. オーバーライト
この流れで次に披露したのは、イノナカミュージック時代最後の24thシングル、「オーバーライト」。
「開拓者のみんなー!これまでいろんなことがあったけどみんなと一緒に歩んでこれてAZKiは幸せです!出会ってくれてありがとう!」
感情を掻き立てるような壮大なイントロが流れる中でAZKiさんが開拓者に伝えたへの感謝の言葉。
ただでさえオーバーライトと言う選曲だけでも胸が熱くなってしまうのに、こんなこと言われたら泣き崩れない開拓者などいるでしょうか…いやいないでしょう。
一度は終わりを迎える予定だった”AZKi”という存在。
それでもまだ見ぬ世界を開拓者とともに歩みたい、その一心で新たなルートに進むことを決めたAZKiさん。
この「オーバーライト」という曲は、「開拓者のみんなが繋げてくれた未来、これかも一緒に楽しい思い出を上書きしていこうね」というAZKiさんの想いを込めた曲です。
「こちらこそ、AZKiさんでいてくれて本当にありがとう」
この曲を聴く度に感じていた想いを、現地で、AZKiさん本人に対して直接伝えられたことは本当に嬉しかったです。
4-14. エンドロールは終わらない
「オーバーライト」が終わり、観客全員に対して改めて感謝の気持ちを伝えるAZKiさん。
そして、心からの感謝を込めて歌う本編最後の曲は、メジャーデビューEP「3枚目の地図」より「エンドロールは終わらない」。
「これからも一緒に思い出を作っていこうね」と、”未来”への想いを込めた 「オーバーライト」から、新たな旅立ちとなる「ルートγ=3枚目の地図」と言う、”これから”進む新たな旅立ちへの想いを込めた「エンドロールは終わらない」というこの流れ…まさにこれまでのAZKiさんが辿ってきた軌跡そのものじゃないですか…本編最後にしてこのセットリスト、本当にズルいです。
「エンドロールは終わらない」最後の歌詞、「今日も音楽に救われて僕は生きている」。
私自身、まさに「AZKiさんの音楽に救われた」一人です。
仕事に日々忙殺され、公私のバランスのとり方すら分からなくなっていた冬の夜、AZKiさんの歌に出会い、何故か心がスッと軽くなったことを今でもよく覚えています。
そんな私の中でも思い出深いこの一曲で本編を締めくくってくれて涙が止まりませんでした。
本編ラストでのこの流れ/畳みかけ…多くの開拓者はもう立ち上がることができなかったでしょうね。。。強く胸打たれる素敵なセットリストでした。
ちなみにメジャーデビューEP「3枚目の地図」は全ての曲がセットリストに入っていましたね。
私なりの解釈で恐縮ですが、これまで歩んできた過去をしっかりと昇華しつつも、今まさに進んでいる「ルートγ=3枚目の地図」を大切にしたい、新たな道をもっと開拓していきたい、という、未来に対するAZKiさんの希望が込められていたのかもしれませんね。
「アンコール」パート
本編が終了しAZKiさんやバンドメンバーはステージを退場、それとともに会場内に響き渡るアンコールの声。
一人、また一人とアンコールに加わっていき熱烈なアンコールが頂点に達したその時、AZKiさんとバンドメンバーがステージに再び登場。
会場全員の熱い想いが溢れる中、遂にアンコールがスタートするのでした。
4-15. いのち
アンコール1曲目は、イノナカミュージック時代8thシングル、「いのち」。
AZKiさんの代表曲でもある本曲は、先日リリースされたメジャーデビューALBUM「Route If」にも「いのち(2024 ver.)」として再録されておりますが、本公演で歌ったのはオリジナルの2019年バージョン。
序盤はアコーステックギターの音色とAZKiさんの歌声だけ、というシンプルな編成ながらも、AZKiさん自身がまさに”いのち”を燃やすかの如く感情を込めて歌うその姿は音数/音圧以上の迫力を感じましたし、何よりも生で聴く「いのち」という曲の重さ…本当に終始胸打たれるばかりでした。
中盤で楽器隊が全員合流する部分のグッと盛り上がる感じもとても良きでしたね…本当に素晴らしいアレンジです。
そして歌唱中、スクリーンにはこれまでのAZKiさんの活動の軌跡を辿るかのように流れる過去の映像。
当時をリアルタイムで知らない開拓者新参者である私ですら、映像を見ながら胸にグッと込み上げるものがあったくらいですから、デビュー当時から応援されている先輩開拓者の皆様はきっと涙が溢れて止まらなかったことでしょう…
MCパート⑤
ここで5回目のMC。
アンコールでは、LiVE演出では定番の自身のLiVE Tシャツを着て登場。
この公演でAZKiさんが着用していたのは、昼公演Sチケット特典の声音エントロピー白色Tシャツでした。私はライブグッズのピンク色ライブTシャツを着用していましたが、自分たちと同じTシャツを着て登場してくれるという演出はやはり嬉しいものですね。
そしてここでバンドメンバーの紹介。以下の方がAZKiさんのLiVEを一緒に盛り上げてくれました!(以下、AZKiさんの紹介順)
ちなみにこの編成でのバンド名は「HamaGuessrs(ハマゲッサーズ)」。
KT Zepp YokohamaでのLiVEであるということと、AZKiさんと一緒に”Guessr”していこう、と言う2つの意味を込めてこのバンド名にした、ということ、そしてこのバンド名から、バンドメンバーの名前にもサフィックスに”ゲッサー”が付いている、ということを説明してくれました。
オリジナルのバンド名を付けて今日のLiVEに挑んだからこその一体感だった気もしますね、本当に素敵な演奏をありがとうございました!
皆さんの生演奏があったからこそ観客に伝わった想いがあったと思います。
恐らくステージの広さや演出を考慮した上で、バンドメンバーの方々はその姿を表に出さなかったのだと思いますが、LiVEの一体感を味わう上ではバンドメンバーの表情やパフォーマンスも見どころ/醍醐味の一つだと思いますので、次回また機会があるようでしたら個人的にはぜひバンドメンバーにも表に立って楽しく演奏する姿をぜひ見てみたいですね。
(余談ですが、会場だと演奏するシルエットであったり、角度によってはバンドメンバー自身も見えていましたね、私の角度からだとドラムの方が良い感じに見えていました)
4-16. フェリシア
そして本当に最後の最後、改めて開拓者に感謝の言葉を告げた上で本公演を締め括るアンコール2曲目は、イノナカミュージック時代3rdシングル、「フェリシア」。
「昼の部なので明るく笑顔で終わりたい」という気持ちでAZKiさんが選曲したこの曲、切なくて甘酸っぱい青春や恋愛を爽やかなサウンドに乗せて歌う、まさにラストに相応しいポップチューンでしたね。
「相手のことを想いもどかしくなりながらも、結局その気持ちを口に出せないまま自身の胸の奥に秘めて終わってしまう、それでもその感情は私にとって大切な宝物だからそれで十分幸せなんだ」と言う想いが込められた本曲。
私にとってAZKiさんはまさに近くて遠い存在、AZKiさんに想いを口に出して伝えたくても伝えられない、でもそれでも良い、AZKiさんのことを思うこの気持ちがとても大切なんだ、そう思いながら普段はこの曲に向き合ってきましたし、これからもその気持ちはこれからも変わらないと思います。
でもこの日、この「声音エントロピー」公演でだけは、そんな気持ちを口に出しても良いよね、そう思えた最高に素敵なLiVEでした。
「フェリシア」は花の名前で、花言葉は「幸福」と言う意味を持っています。
まさにこのLiVEを鑑賞した多くの方の心はきっと幸せになったことでしょう。
最後の最後まで溢れる涙は止まりませんでしたが、この「フェリシア」を聴いて、あたたかい気持ちで帰路につけた気がします。さすがセトリストAZKi…完璧・感無量なセットリストでした!
「今日は本当に本当にありがとうございましたー!盛り上がってくれてありがとー!また絶対絶対会おうねー!みんな大好きだよ!」と言うAZKiさんの言葉で最後を締め括ったところで「フェリシア」が終了。
ずっと鳴りやまない歓声、まぶしく光り続けるペンライト、宙を煌びやかに舞う銀テープ…会場が最後まで盛り上がる中でAZKiさんはスクリーンの中に消えていき、エンディングSEとともにエンドロールへ。
最後に改めてLiVEタイトル「声音エントロピー」のロゴがスクリーンに映し出されたところで、AZKi Major Debut LiVE「声音エントロピー」昼公演は終了となりました。
5. LiVEを終えての総括/感想
ここまでのライブレポートの中でもコメントはしてきてはいますが、一言で言うと「本当に最高のLiVE」、もうそれに尽きると思います。
確かにそこに”いる”AZKiさんの存在、そしてAZKiさんの美しく感情溢れる歌声/歌唱力、その歌声を最大限引き出す各曲のLiVEアレンジと生バンドの演奏、更には物語性を付与するようなステージ演出、どれを取っても本当にお見事でしたし、これら全てが揃ったからこそ生み出せた素晴らしいLiVEだと感じました。
“これまで”歩んできた歴史を振り返りつつも、”これから”は新たな道へと更に開拓を続けたい、というAZKiさんの意志や想いを感じた、そしてその未来はきっと実現するであろうと実感できたLiVEでした。
本公演は追加公演も既に決定、しかも本公演のKT Zepp Yokohamaよりも更に大きな豊洲PITでの2 Days開催、と言うことで、まさに現在進行形で開拓を続けていくAZKiさんの歩む道がどうなっていくのか、これからも楽しみで仕方ありませんね。
そんなAZKiさんのことを、最後まで悔いのないよう応援していきたいと思います。
恐らく超過密スケジュールだったことでしょう、AZKiさん、本当にお疲れまでした!
6. AZKi Major Debut LiVE「声音エントロピー」 昼公演 セットリスト
ということで最後に改めて、AZKi Major Debut LiVE「声音エントロピー」昼公演のセットリストを記載して本記事は終わりにしようと思います。
恐ろしいほどの長文に付き合ってくださった方はどれだけいらっしゃるか分かりませんが…少しでも現地の温度感が伝わったようでしたら幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございましたm(_ _)m