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ここからは補習です
【 妄想劇場~~~ もっと、教えてよ】
キーンコーンカーンコーン🎶
「はい、じゃあ今日の授業はここまで。
明日までに提出物だすよーに。」
「朱音(あかね)さん、いつまで寝てるんですか。朱音さんは補習残ってるから、あとで社会科室に来るように。」
『規律、礼。…した。』
「ちょっと、あかね〜、また呼ばれてるよ?早く起きていかないと今度こそヤバいよ!?」
前の席のルナが私の伸ばした左手の甲をつねった。
頭がまだ夢の中の私は、時計を見てぼんやりと教壇にたつ人影を眺めた。
どうしたって眠くなるこの授業は、この無駄に声のトーンが心地いいあの人のせいだ。サラッとしたツヤのある黒髪に、幅の狭いメガネの奥から切れ長の目を細めてじっとこっちを見ている。
私はその人をサスケと呼んでいた。
口角がくいっと上がったところや、話し方はおっとりとしたスローペースはまさに我が家の猫のサスケみたいだからだ。
どうせ、テストの点数も赤点だし、補習も追試も決まっている。結局のところ、私にはなんの取り柄もないから、落第して親に怒られ学校辞めさせられるんだろうな、、、。と、仕方なく机の上のノートと筆箱を持ち社会科室へ向かった。
失礼します。
社会科室にはまだサスケは来ていなかった。
ノートのまとめを書かないといけないが、まったく内容が入ってこない。
歴史上の人物なんて、社会に出てなんの役に立つのか、私にとってはどうでもよくて、ただただ学校と言うハコに行かなければならない、理由も意味もない場所だ。
放課後には校庭にいる体育部の声が遠くに聞こえる。また頭がぼんやりしてきた。
ガラガラ
『ようやく補習に来ましたね。』
サスケは、ノートが見やすいように私の右隣へ座った。
『さて、今日はどこまで進んだんですか。』
私のみみずがはったような字の書きなぐりノートをサスケが覗き込む。
(いや、近いだろ!)
急な距離感に、一気に眠気が吹き飛んだ。
ほんの少しのけぞって、
サスケの覗き込んでいるノートの隅に目を向けた。
しまった。。。
授業中寝ぼけてサスケの落書きしてたの、バレたァ💦
慌てて右手でメガネの落書きを隠した。
「あの、コレは、うちの猫なんだけどまだ1歳で可愛くって…💦」
『猫、、なのにメガネかけてるんですね』
はいもう終わった〜。
補習に呼び出されて提出物もろくに出てないような私にわざわざ時間作ってまで補習してくれてるっつーのに、落書き見られたとか、あぁもう最悪だぁ。
これはさすがに怒られるよねぇ、、、
恐る恐る横目にチラリと見上げると、やわらかい眼差しで私の手から漏れている落書きをにんまり眺めているようにみえた。
こんな顔、するんだなぁ。
これが、私のサスケとの補習の始まりだった。