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生き急いできた人間には腕時計が必要

先日、仕事中に腕時計のバンドが切れた。

今じゃすっかり人気者になったチープカシオを何年も前から仕事用の腕時計として使っていて、今回切れたのも3年ほど使用したチープカシオだった。

ホテルの客室清掃という仕事柄、ガツガツぶつけるし水に濡れることも多々あるので、仕事用はチープなものの方が安心感があっていいのだ。

チープカシオとはいえ、デザインも良く機能性もいいので電池が切れれば自分で交換して大切に使っていた。

今回もバンドを交換して使おうと思い、同じようなバンドを通販で買おうとしたらそこそこ値が張り、これだったら新しい時計を買ってしまった方がいいのではないか…。という結論に行きついた。

気に入ったものをすぐに通販でポチッたが、届くには少々時間がかかる。
その間、腕時計なしで働かなくてはならなかった。

休みの日に着けているファッション性の高いものは仕事には着けて行きたくないので、仕方なくiPhoneの時計で過ごすことに。

とは言っても、時計が必要になる瞬間は清掃に入った時間と退室時間を名簿に記入する時くらいなので、そこまで不便は感じないだろうと思っていた。

実際に多くの同僚は腕時計ではなくスマートフォンの時計を使用している。

ところがどっこい、私の場合はどうやら違ったようだった。

まず、癖で頻繁に腕に目をやってしまうたびに「ああ、もう!」となり、そのたびにポケットからiPhoneを出すのが煩わしかった。

それだけではなく、どうやら私は清掃時にいつも無意識に時間を確認しているようで 清掃中、何度も腕時計がないことにムシャクシャした。

いつも清掃しながら、それとなく時間配分を考えて動いているんだなぁ。と、仕事熱心な自分に関心した。

仕事中もプライベートでも、無意識に時間を確認しながら「あと何分でこれをして、そのあと何分以内にあれをして、その次には…!」と工程をスケジューリングしながら慌ただしくあくせくと動いている人間には、どうやら腕時計がない生活な無理なようだ。

私と性格の似ている知人も、腕時計を忘れた日に、同じように頭を抱えていたことを思い出した。

「私たち、もしかしたら生き急いでいるのかもしれませんね。」

そう言って二人で笑いあった。

何事も自分の許す範囲で、マイペースに時間の流れをを感じながら生きていけたのなら、腕時計ごときでそんなに不便を感じないのかもしれないね。



数日後、無事に腕時計が自宅に届いた。

新しい腕時計はカシオではなく、シチズンのものにした。
なんと、チープシチズンはチープカシオよりもリーズナブルだった。

黒の文字盤にゴールドの数字がイケていて、すでに気に入っている。




生き急いできたことがデフォルトになっている人間にとって、腕時計のない日々は耐えられないほどにしんどい日々だった。

もう少しゆるやかに生きていけたのならいいのだけれども、なかなか自分には難題な気がする。

ましてやADHDのせいで、油断するとすぐに遅刻するしね。

でも、腕時計がない日々を過ごしたことで、自分がいかに焦りながら生きているのかが身に染みて分かった。

これからはもう少し頭の中をクリアに、自分に優しく生きる努力をしていけたらいいな。


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夏沢 ぺろみ
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