#235 New Orderに焦がれて

昨日、あまりにも簡易的な報告で終わって申し訳なかったが、とにかくイレギュラーな動きと普段履かない靴のせいでヘトヘトだったのだ。

そっちについてはまた別で語るとして、何がどうあれNew Orderなのだ。そう、New Orderのライブを見に行ったのだ、昨日。

正直、まったく世代ではないのだが、いかんせんニューウェイブやテクノポップに傾倒した音楽趣味という、友達が少なくならざるを得ない趣向を持っていると、遅かれ早かれ辿り着いてしまうのがNew Orderなのだ。

最初に聞いたのはやはりBlue Monday。
多分、何かのTV番組か映画BGMで流れていたのを聞いたのがきっかけだと思う。あのリズムとサウンドが耳から離れず、どうにも魅力的なのに、タイトルに繋がるような歌詞も分からない。そこで、私は覚えているメロディを口ずさんで動画に撮ってSNSにあげ「誰の、なんという曲か教えてくれ」と投稿した。

今聞き返すと、Blue Mondayとは似ても似つかないヘッポコな鼻歌で、みっともないことこの上ないのだが、ありがたいことに詳しい人から「New OrderのBlue Mondayじゃないか?」と教えてもらい、調べたら思い描いたあの曲であった。そこから、中野のショップ・メカノで2枚組アルバムの『SHNGLES』を買い、幾度となく聞いた。それが2018年のことだった。

翌2019年、あまりに出来すぎたタイミングでNew  Order来日公演の知らせが飛び込んできた。あのサウンドを全身で浴びられる機会があるなんて!と、私は喜び勇んでチケットを購入し、当時はまだ会社員だったので有給休暇ももぎ取って、2020年3月を待ち侘びていた。

2020年2月、来日公演の延期発表。
流行病の猛威により、無期限のライブ延期が決定されてしまった。ガッカリして天を仰いでいたら、事の顛末を聞いた当時の上司が「じゃあ、有休やめて出勤できるね?」と聞いてきた。いいわけないだろ、傷心を癒させろ。(結局出勤した)

何もかもが変わる日々を超え、ようやくライブも比較的以前のようなカタチで開催されるようになった昨年後半、再びNew Order来日公演の知らせ!やっとだ!と思いながら、チケット予約開始時刻にはeプラスを立ち上げてスタンバイし、無事にチケットも購入。積年の思いを晴らすときがやっと来た。

そして昨日。
電気グルーヴ、そしてマーク・リーダーをサポートアクトに迎えた、想像以上に盛りだくさんなラインナップに、ワクワクしながら会場へ。有明アリーナは初めてだったが、デカいし、広いし、動線意味不明で迷子になった。会場に集まる客層を見ると、見るからに「ロクでもない大人たち」が集まっていて最高だった。そう、平日の夜にNew Orderを見に来るのは、こういう大人たちじゃないといけないのだ。

途中、優雅にビールを飲むnakayamaさんとばったり出くわすなどありながら、電気グルーヴが始まった。

1時間ほどのパフォーマンスに、モノノケダンスやシャングリラなどの良いところはもちろん、今回は欠かせない『N.O.』もやってくれたのが嬉しい。「40年前の高校生のとき、こんな日が来るとは思わなかったぜ、最高だぜ!」と語った卓球が輝いてた。良かったね……本当に良かったね……こんなに嬉しいことって無いよな。

すっかり温まった場をマーク・リーダーがさらに盛り上げて、いよいよNew Order。

スクリーンに大きく出たその名前を見て万感のため息が出てしまった。やっと見れる、やっと浴びれる。どれだけ待ったことだろう。

基本的に、私はライブの前情報は必要最低限のこと以外は入れないようにしている。内容やパフォーマンスに関わるものもそうだ。なので、バーナードの歌が下手なのはいつものこととは知らず「あまり声出てないんだなぁ」としか思わなかった。

しかし、それを持ってしてもあまりにパワフル。問答無用でこちらをブチ上げてくるサウンドの強さったらない。あれは何なんだろう。知ってる曲や好きな曲が流れて、気分が上がるのは当たり前のことなのに、それ以上に気持ちを昂らせる何かがある。本当にずっと身体が縦揺れで止まらなかった。

Joy Divisionの曲もいくつかやってくれたのもアツいのだが、最初スクリーンにNew Orderと出たのが、最後にForever Joy Divisionと出て終わるのはあまりにズルすぎる。殿を務めるのに、こんなに素敵な演出ってないよ……

5年間、ずっと待ち侘びていた時間を余すことなく体験できたことで、心残りなく生きていけるってもんである。帰り道で、私の後ろを歩いていたお兄さんが「見ちゃった、伝説」とちいかわ構文で呟いていたけど、まさしくそうだ。
見ちゃったのだ、伝説を。

こうして報われるのなら、5年間待ち焦がれて良かった。卓球も瀧もそうだったのだろう。

どう感じたか教えてくれ。

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