
ぺルラの日記#2【トルコ】
2009年6月5日(金曜日)
Mr YogiとCiti Bankの一件を済ませてから、一旦家に帰ってきた。そして今日はトルコ君を会う予定。
今は友人宅の小さな6畳ほどのベッドルームを間借りさせてもらっていて、小さいベッドの上に座って、ぼーっと家で石を眺めていると、プリペイド携帯が鳴った。。
トルコからのテキストメッセージだ。。📧
トルコ君は今回ロンドンに引っ越してくる前に、休暇で一度ロンドンに遊びに来た際にクラブでナンパしてきた男の子。
4-5歳年下でアメリカ最大手の投資銀行でトレーダーをやっていた。The トルコ人、背は多分168-170cmくらいで小さいけれど筋肉隆々で彫りの深い顔立ち。プーさんのタテゥーがウェストの下、腰骨の横辺りに入っていて、腹筋からの腰への綺麗な筋肉のラインに可愛いプーさんのコントラストがとても可愛い。
系統で言うとPeter Andre(ここまでかっこよくないけど)、ラテン系の彫りの深さと黒髪、遊び人的な雰囲気と筋肉美。
私はどちらかというとあっさり塩顔が好きなのでタイプでは無いけれど、最近見かけない日本人男性には無い男らしさとオレオレな性格は嫌ではなかった。
自称、トルコで有名な実業家の家庭でお父様はお金持ち。まあ、このような話はロンドンで良く聞くので話半分で聞いておいた方がいいけれど、そう彼から聞いた。
📧『どうしてもクライアントと奥さんとのディナーは外せないから、ディナーの後のドリンクから来て!』
最初にクラブでナンパされてから3-4回会っただけ、良く知りもしない男性の会社の同僚とお客さんとその奥さんがいるところに
『昨日ロンドンに引っ越してきました!トルコ君とはクラブで前回ロンドン来た時に知り合って、そこから友達の日本から来たぺルラでーす!無職でーす!』
とは行けない、私が想像するよりカジュアルでお客さんと言っても友達みたいな感じなのかもしれないけれど、ちょっと気まずいので一度はお断りした。
『Nothing to worry, please just come!! 』
っと言われると、悪い気もせず即その気になり、スーツケースからここいちの戦闘服、ピタっと体の線が出るD&Gのブラックドレスとルブタンのピンヒールを持ち出した。
夜になると大粒の雨、大学の友人からお餞別でもらった緑の折り畳傘と刀にシャネルのハンドバッグを盾にして出陣、タクシーに乗り込んだ。
行先はロンドンで一番お金の集まる場所 MayFairのヒルトンホテルPark Lane。
メイフェアは日本で言うと六本木、赤坂、広尾を混ぜたようなエリア、高級レストラン、バー、クラブが乱立している。っと言ってもキャバクラや風俗などは無く、クラブと言ってもウィリアム王子がお忍びで遊びに来るような高級クラブやカジノ。高級ブティック街もあったり各国の大使館や政府の公館なども多い。
タクシーを止めるとトルコが迎えに来てくれていた。
『久しぶりだね』
軽く頬にキス👩❤️👩
3か月ぶりだけど特に久しぶりな感じもせず、なんだか結構長く知っている友達のような再会を経て、クライアントとちょうどディナーを終えたばかりだというホテルの最上階28階のレストランバーに連れていかれた。
男性だけの会なら、ただニコニコしていればいいけれど、クライアント奥様もいるのはさすがに緊張する。
素性を聞けば、ルーマニアの投資家夫妻で、この接待でうまくいけば約£40 million (日本円で60億前後)の金融商品の取引をしてくれるとか
奥様もかなりのゴールドディガー(金持ち目当ての成金)でボトックスバンバン売っている系のはず。。。気が重い
大きな金融機関にいて年金や資産運用会社のお客さん相手だと麻痺してきて60億円が多額なのかよく分からなくなってくるけれど、個人投資家だと思うとかなりの資産家だということになる。
ロシア系の石油関係の方かな?
ロンドンにいるととてつもないお金持ちがその辺にごろごろいる。特に中東やロシア系のお金持ちは日本のお金持ちとは桁が違う。
彼らはロンドンに住んではおらず世界中に家がある、遊びに来るだけの為に高級車をプライベートジェットかクルーザーかに乗せてやってくるのでよくアラビア語や解読不可能な外国語のナンバープレートの車を見かける。
テーブルに着くと、うっすら白髪交じりのスラっとした紳士的な40代中頃と思われる男性と、多分30代中頃のブルネット(濃い茶色)の長いストレートヘアの女性が座っていた。
この奥様、ケミカルウォッシュでダボっとしたジーパンに大きな花柄のスカーフを三角にして方に巻いている(ダブル浅野時代のOLスタイル!)とても寡黙そうで、私が想像していたロシアンスタイル、ボトックスバンバン、長身、ブロンドロングヘア、超ミニスカート、ルブタン20㎝ヒールでは無かった。
拍子抜け
その隣に昔いた芸人、ザ パンチにそっくりな東欧出身のおちゃらけ同僚のセールスマンが座っていた。
(あー助かった、こいつがいれば大丈夫!乗り切れる!)
席に座るや否や、おじ様はにこにこしながら私に色々話しかけてくる、よほど日本に興味があるのか、気を使ってくれているのか、色々と日本について質問してくれた。
一杯目のシャンパンを飲み終えたあたりにはもうその場の雰囲気にも馴染み、ザパンチに軽くつっこみをいれられるくらいになっていた。
当時私はスパスパたばこを吸っていたので、仲良くおじ様とトルコ君と3人で喫煙所までタバコを吸いに行くぐらい打ち解けていた。
4-5杯目を終える頃になって
おじ様『ホテルのコンシェルジュに頼んで近くのクラブのテーブルを押さえてあるんだけど行かないかい?久しぶりに妻を育児から解放する為の旅行だから、今夜は少し遊びに出たいんだ。』
キタ━(゚∀゚)━! さすが60億円
日本なら一流の営業マン、客が行くならどこえでも朝まで吐くまでお付き合い(もう今の時代は古いかな?)するのが基本スタイルだけれども、そこはドライなヨーロッパ人達
ザ パンチ『僕は帰ります、ブラックベリーのバッテリがもう無くて最近知り合った女の子からのメールチェック出来なくなっちゃうから。』
(。。。っは?可愛いんだかノリが悪いんだか)
でも、そんな事は誰も気にせず、誰もザ パンチ引き留めもせず
そしておじ様、奥様、トルコ君とぺルラ4人はタクシーに乗り込みClub Movidaへ移動した。
今はもうクローズになってしまったけれどMovidaは、ウィリアムやハリー王子、海外セレブのパリスヒルトンやキムカーダシアンなども来ていた有名なクラブ。
時刻は深夜12時をまわったころ
当時大人気だったクラブの外には見せ列(混んでもいないのに人を並ばせる)で派手な格好の女の子や男の子達が並んでいる
その脇を私たちはVIP待遇でIDもチェックされず通される。この瞬間、自分の力ではないけれど一瞬の優越感 ( ̄ー ̄)ニヤ
テーブルに着けばシャンパンやジン・ウォッカなどバケツ一杯の氷の中にわんさかドリンクが入っている。
飲めや踊れやですっかり気を良くしたおじ様
『明日二人は暇?明後日帰国しちゃうから、明日はお寿司屋にいかないかい?ぺルラがお寿司屋さん選んでさ。お寿司は好き?ルーマニアで今新しい家を建ててるんだ、お寿司もロンドンには及ばないけど美味しいお寿司屋が出来ているから、いつでもルーマニアに遊びにきなさい』
『ありがとう❤うん、おじ様任せて!ロンドンの高級なお寿司屋さんなら色々知っています!明日ね!』
固い約束をして午後3時 とりあえず明け方になる前に解散
当然一緒にトルコ君の家に帰る雰囲気になってしまったけれど、私は一切泊まるつもりはなかった。
とりあえず彼と一緒にタクシーには乗ったものの、彼の家まで行ってから
『今日は泊まる用意も無いし、明日はお寿司屋さんだから今日は帰るね』
『あ、そっか。。』
タクシーを呼んでもらい。車が来ると乗り込んだ。
ドライバーに行先を告げ、彼にバイバイと明日連絡する旨伝えようと窓を開けたけれど既に彼の姿は無かった。。