2024年アルバム



力尽きてる部分はご了承を…。

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Djesse Vol. 4 / Jacob Collier


ロンドン拠点マルチ奏者/SSWの5th。ゲスト含め全ての声や演奏そしてハーモニーが、圧倒的な陽の力で人の持つ力への信頼を思い起こさせてくれる。前三作での旅を経た素晴らしい最終章。スケールが大きく多国籍で宇宙を感じさせるサウンドの中にも零れ落ちるブルーなフィーリングは地に足のついた日常のようなものも感じさせる、祝福の音楽。


Speak To Me / Julian Lage


NY拠点ギタリストのリーダー作15枚目はJoe HenryプロデュースでBlue Noteから。泥臭くもキレのあるブルーズ、美しいメロディを奏でるソロ、鍵盤や管楽器のハーモニーも、大胆で繊細に十分に間を活かした即興性は抽象性に陥らず歌心を感じさせる。


Fearless Movement / Kamasi Washington


LA拠点サックス奏者の3rd。濃密なファンクネス、スピリチュアルなアンビエンス、重厚かつシンプルなテーマ、エモーショナルなソロ、全てに西海岸の息吹を感じさせる。ジャズ、自身の音楽をも再定義する定型のないダンスミュージック。


Matriarcas / Pradarrum & Gabi Guedes


バイーア拠点パーカッショニスト率いるグループの1st。現地で50年以上のキャリアを持ち、その文化や伝統に精通した彼の放つアフロブラジリアンミュージックには、ファンクやレゲエも混ざったフレッシュで開放的な空気感で満ち溢れてる。


Acadia / Yasmin Williams


バージニア拠点ギタリストの3rd。牧歌的で洗練されたメロディやハーモニーの緩やかな起伏に、呼び起こされる様々な感情が解きほぐされる。多彩なゲストが広がりを加えたフィンガーピッキングスタイルのインストゥルメンタル作品はNonesuch第一弾。


Reawakening / Keenan Meyer


南アフリカ拠点ピアニストの2nd。ピアノ、バンド、ゲストボーカル1つ1つのスケールが大きくなり、展開されるリズムアプローチもよりダイナミックに。1stの内省的で瞑想に浸るような癒しを引き継ぎつつ感じるのは、より外側に突き抜けるエネルギー。


nomthandazo / Zoë Modiga


南アフリカ拠点SSWの3rd。クワイヤによるコーラス、ピアノ、ゆったりとしたリズムの中での表現の広がりに感じる歌の力。シンプルかつ厳かでありながら温かみと大らかさがあり、南アジャズの歴史を踏まえたソウルフルなスピリチュアルミュージック。


Regreso a Gondwana / Andres Levin


ベネズエラ出身NY拠点プロデューサー/映画監督の新作。参加アーティストにも鳴ってる音楽にもジャズが自由やダンスの共通言語として通底しているのが分かる、正に「JAZZ is POP ‼︎」なカリブ~ラテン~アフリカに息づくポップの総動員。


YHWH is LOVE / Jahari Massamba Unit


MadlibとKarriem Rigginsによるユニットの2nd。都市の喧騒の中にあるスピリチュアリズム。ファンキーに畝る猥雑なベースラインとドープな清涼感に、多彩なアプローチや音でアルバム全体を掌握しグルーヴさせるドラムプレイが素晴らしい。


Zero Grace / Liam Bailey


ロンドン拠点SSWの2nd。人懐っこいメロディとアレンジ、抉るように強靭なリズムセクションをバックに、飾らないソウルフルなボーカルが親しみ易くもエモーショナルに心を打つ。徹底してヴィンテージな音像はモダンさも感じさせるUKレゲエ/ソウル。


Alkemi / Daymé Arocena


ハバナ出身SSWの5th。アフロキューバンミュージックをベースにネオソウルやファンクを昇華したポップ。エレクトロニクスの比重が増えたことでより濃密にそしてミニマルに音数少なくなったサウンドがハスキーで力強くソウルフルなボーカルを際立たせる。


Born in the Wild / Tems

ナイジェリア拠点SSWのデビューフル。EPやミニアルバムを挟みつつ正に待望。想うに初めてアフロビーツを好きになったのはその洗練された音数の少なさと野生みだったが本作は1stにしてその極致に達しており、ナイジェリアのシーンだけに留まらない孤高の存在感を漂わせている。


Jiggy Forever / Young Jonn


ナイジェリア拠点SSWの1stフル。bpm高めでひたすら上がれるのに疲れないメロディの良さとトラディショナルな風を感じさせるコーラスや管弦のアレンジ、曲間の繋ぎ、リズムパターンの多彩さが、まだまだ何か始まりそうな予感にワクワクさせられる。


No Love In Lagos / Show Dem Camp, The Cavemen., Nsikak David


ナイジェリア拠点の3組によるコラボ作。自然体なフロウに様々なバリエーションで魅せるギター、軽快かつゆったりとしながらも重たく響くリズムが心地良い。ハイライフとヒップホップのメロウなハイブリッド。


Sean Khan Presents The Modern Jazz & Folk Ensemble / Sean Khan, The Modern Jazz & Folk Ensemble

ロンドン拠点サックス奏者の5th。Pentangle, Sandy Denny, John Martyn, Nick Drakeのカバーを含み、サイケデリックなフォークミュージックを現代ジャズの視点でアップデートした作品。ジャケットデザインも洒落てる。


Below Dawn / Bryony Jarman-Pinto

ロンドン拠点SSWの2nd。しっとりと温かく揺蕩うようなボーカルにジャズと仄かに香るサイケデリックなサウンドが心地良いオーガニックなUKソウル。


Searching / Tristan De Liege


LA拠点プロデューサーのソロ10作目。ミニマルでいて多国籍の音やリズムを取り込んだ音は外への視野を広げつつ、ノスタルジックな響きの旋律、緩めのアンサンブルと自由度の高いインタープレイがより深部へと誘うインナージャーニーを巡る室内楽。


This Ain't The Way You Go Out / Lucy Rose


ロンドン拠点SSWの5th。まずはこのレトロモダンなジャケ、その魅力は音にも通底しているが懐古趣味的ではない。シンプルなバンド演奏に多彩なリズムやアレンジ、時に混沌を、一定のトーンに保った統一感を何よりこのジャケが表している。


Maple to Paper / Becca Stevens


NY拠点SSWの自身の名義としては7枚目。生々しい感情や悲しみの吐露を、ギミック無しのソングライティングに強くしなやかなボーカルと張りのあるアタック感強めのアコースティックギターのみで纏め上げた、緊張感と安らぎを同時に昇華した69分。


Shadow / Lizz Wright


ジョージア州出身SSWの8th。本作ではエグゼクティブプロデューサーも務める彼女のブルージーでしなやかなボーカル、バックで支えるバンドにも、音楽家としての力量にただただ圧倒される。カバー曲や客演の人選にもコンテンポラリーなセンスが光っている。


MESTIZX / Ibelisse Guardia Ferragutti & Frank Rosaly


共にアムステルダム拠点でボリビア出身マルチ奏者とアリゾナ出身ドラマーのコラボ作。扇動と瞑想をアヴァンギャルドなアンサンブルとボーカルで表現しながら普遍性も兼ね備えたクールなポストパンク/フォーク/ジャズ。


Cloudward / Mary Halvorson


ブルックリン拠点ギタリスト/作曲家のリーダー作13枚目。6人編成のアンサンブルで即興音楽家達が紡ぐ曲の緊張と緩和。ヴィブラフォンの音が作り出す空間とのクールな対比。ラストの何処か牧歌的な帰着も良い。Desiderataでのギターソロは圧巻です。


Phoenix / Grégory Privat

パリ拠点ピアニストの7枚目ピアノトリオ作品。洗練された躍動感のあるダイナミックなアンサンブルと歌、アコースティックとエレクトロニクス、三人の作り出す静と動の音空間に全身を解されながら引き込まれていく。歪んだシンセサイザーの音が良い。飛べる。


Agoja / Kjetil Mulelid


ノルウェー拠点ピアニストのソロ名義2作目。北欧を中心に多くのミュージシャンが参加した本作。メロディアスでエモーショナルなピアノと仄かに香るサイケデリア、日々の移ろいを切り取るように、完結させ切らないことで完成する物語の美しさを感じた。


1978 / José James

ミネアポリス出身SSWの12th。


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Miracle Body / Scott Orr


カナダ/ハミルトン拠点SSWの10th。エレクトロニクスを交えた瑞々しいアンビエントに絡むしなやかで肉体的なビートと囁くようなボーカルが優しく響く。フォークソングの土着性と洗練されたメロディの中にジャンルを越境した新たなスタイルを感じた。


nothing / Louis Cole, Metropole Orkest, Jules Buckley


LA拠点ドラマー/SSWの5th。前作やKnowerにあったバロックポップ的な方向性がこのプロジェクトで見えた全貌。キャッチーなメロディはそのままに、彼はクラシックのスコアを書こうが何しようが完璧にファンキーだった。


The Loop / Jordan Rakei

ロンドン拠点マルチ奏者/SSWの5th。オーケストラやクワイヤとの共演がもたらすアコースティックで広大な質感は繊細でビターなボーカルをよりエモーショナルに響かせ、ドラム際立つビートがソウルを駆り立てる。そして示唆的なタイトルの意味を考える。


Dunya / Mustafa

トロント出身SSWのデビューフル。ハスキーで憂いを帯びた声。中東の弦楽器ウードを使用した「Gaza is Calling」はやはり素晴らしい。


Halfway Somewhere / Galliano

ロンドン拠点グループの5th。27年ぶりの新作で場合によってはいなたくなってしまうようなタイトルをこのフレッシュな音が詰まったアルバムを的確に表現してる。円熟みを増した声がまた良いし、UKといえばレゲエ~ダブということを再認識した。このミニマルでグルーヴィなAcid Jazzサウンドを聴けばUKのクラブに直行できる。


Still / Erika de Casier


デンマーク拠点SSW/プロデューサーの3rd。一躍トレンドの人といった感じだけど、磨き上げられた音の重厚さとキャッチーな声質の相互作用は何処にもない異質なサウンドを作り出し、バブリーとは違うラグジュアリー感はSadeに通ずる気品を感じさせる。


Two Star & The Dream Police / Mk.gee

ニュージャージー出身SSWのデビュー作。他のアーティストの音を聴いてもMk.gee的な音をどこか探ってしまうほど、自分にとってローファイ~インディの音にまつわる概念が更新された作品。


Continue As Amery / Amery

モントリオール拠点SSWのデビュー作。私の偏愛するBorn At Midniteのボーカルのソロアルバムです。ハスキーなボーカル、80'sライクなサウンドとノスタルジックなメロディには相変わらず心をくすぐられます。マイペースな活動ながらBorn At Midniteも今年シングルを出しているので、そちらでのリリースも気長に待ちます。


Young-Girl Forever / Sofie Royer


ウィーン拠点SSWの3rd。ノスタルジックでキャッチーなメロディにクラシックの高潔さ、バニーガールの衣装とディスコ/インディを昇華したサウンドで消費社会とポップの猥雑さを表したコンセプチュアルなエレクトロポップ。Stones Throwから。


Daryl Johns / Daryl Johns

LA拠点ベーシスト/マルチ奏者/SSWのデビュー作。ノスタルジックなメロディ、ソフトロック~インディ~フュージョンといった70'sや80'sのビザールな音楽の参照点とそのブレンド具合がなんとも愛おしい。Mac DeMarcoのMac’s Record Labelから。


Big Swimmer / King Hannah


リバプール拠点バンドの2nd。退廃的な佇まいはUSインディのアンダーグラウンドに脈々と続く系譜を感じさせる。語り聞かせのように歌う気怠さを纏ったボーカルとノイジーでフリーキーなギターの拮抗したパワーバランスが良いアンサンブルを奏でてる。


Paradise Pop. 10 / Christian Lee Hutson


NY拠点SSWの3rd。LAから拠点を移し、稀代のメロディメイカーっぷりはそのままにボーカルや演奏をよりフラットに響かせる録音はどこか殻を破ったような力強さを感じさせる。パワーポップ好きならラストの"Beauty School"は必聴かと。


"hella (˃̣̣̥╭╮˂̣̣̥) ✧ ♡ ‧º·˚" / 1999 WRITE THE FUTURE


88risingが送るコレクティブのデビュー作。カジュアルでフラットに自由な遊び心が詰まってて、ヒップホップで括れないところがヒップホップ的というか。様々なゲストを迎えつつ、構成も練られた飽きさせない73分。


DON'T GROW UP TOO SOON / Nascent

シカゴ拠点プロデューサーの2nd。シカゴ周辺のアーティストを中心に多くの客演陣を迎えて制作された本作は自身のインナーチャイルドと対峙するディープなテーマ。エレガントでハードな要素を用いつつカジュアルにピースフルに纏め上げたソウルフルなヒップホップ。


HOOD HYMNS / Tobe Nwigwe


テキサス出身ラッパーの11th。ナイジェリアにルーツを持つイボ族でカトリックとして育った彼がフッドと共にフッドに向けて作った賛美歌に、私自身に照らし合わせたら全然違うと思いつつも魂を揺さぶられ奮い立たされるのはポップの魔法なんだろう。


Cape Town to Cairo / PJ Morton


ニューオリンズ出身SSWの10th。タイトル通りテーマはアフリカ。アフロビートを中心にナイジェリアや南アフリカのアーティストとの共演で、彼のソウルフルな歌との融合が楽しい。旅の記録さらっと書き写したような28分という短さも心地良い。


TIMELESS / KAYTRANADA

ハイチ系カナダ人でLA/モントリオール拠点プロデューサーのソロ3作目。相変わらず跳ねるようなビートが心地良いラグジュアリーな作品。


Head Rush / Channel Tres

コンプトン出身ラッパー/プロデューサーのデビューフル。ハウス~テクノ~ヒップホップをベースにソウルミュージックとP-FUNKを強く感じさせるバラエティに富んだ作品。


WORLD WIDE WHACK / Tierra Whack

フィラデルフィア拠点ラッパー/SSWの2nd。少ない音数で構成されたミニマルな空間に歌を交えた独特なフロウと声がポップなコーティングを施し、キャッチーな中にも潜むゾッとするような瞬間をもエンターテイメントに昇華したクールなファンク。


ORQUÍDEAS / Kali Uchis


コロンビア出身SSWの4th。前作から10ヶ月、全編スペイン語の本作。自身のルーツを再訪するようにラテンやレゲトンの要素が濃く、バラエティに富んだ享楽的なビートにノスタルジックなメロディとトラディショナルとチルアウトの成分が配合されてます。彼女のエンパワメントとも挑発ともましてや迎合とも違う、湿り気を含んだサイケデリックな性の発露にオルタナティブな存在感を感じてる。


Where the Butterflies Go in the Rain / Raveena


インド系NY拠点SSWの3rd。彼女の甘く伸びやかな声は自身の音を見つけた様に前作にも増して生き生きとしている。メロディを活かしたソングライティングにタブラやシタールを使ったアレンジ等、全てにおいて瑞々しくパーソナル。




Flower of the soul / Liana Flores

ロンドン拠点イギリス系ブラジル人SSWのデビュー作。


Cyan Blue / Charlotte Day Wilson


トロント拠点SSWの2nd。シンプルかつレイヤーのように重ねられた音響や音楽的なリファレンス、そして加工を施されたスモーキーなボーカル。その隙間に吹くエモーショナルで憂いを帯びた風がカタルシスのように心地良いオルタナティブR&B。


Night Reign / Arooj Aftab

パキスタン出身NY拠点SSWの4th。


しゅー・しゃいん / 寺尾紗穂

東京出身SSW/文筆家のソロ14th。わらべうたやバンド(冬にわかれて)も含め、毎年のように素晴らしい作品をリリースし続けている彼女の最新作。

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