ルールはいつも正しいわけじゃない

何の話なんだろ、となるかもしれないタイトルだけど、表面上はサッカーのお話。表面上は。知ってる人もいるだろうけど、以下の2つの記事を見てほしい。

9/7と9/11に試合のある日本代表から、山口蛍が離脱したとあるのが1つ目の記事。そして2つ目が、9/9のセレッソvs湘南の試合結果。これに山口蛍が出場していたのがどうなんだ、と(主に)他チームのサポーターが文句を言い出したのが始まり。

最初に言っておくと、まずルールには違反していない。山口蛍からすれば、単純に怪我で帰ってきたけど試合に出れそうだったから出たというだけのお話。セレッソからしても、出せると思ったから出したというだけのお話。

発言者の小田さんはセレッソの番記者で、大熊さんはセレッソの統括部長。言質をとる相手としては十分だろう。(さすがにこれでルール違反だったら笑う)

じゃあなんで文句言われてるのかというと、最初の記事にもあるとおり、別の選手が代わりに追加招集されているからだ。日本代表に呼ばれるような選手は、当然チームの中心選手。試合の結果も変わるかもしれない。そういう選手が代表は怪我で離脱したはずなのにすぐに試合に出てて、その選手が離脱したから中心選手を代表に持っていかれるチームがあるという状況がおかしいんじゃないか、という理屈だ。仮にこの2チームが対戦していれば、セレッソは本来いないはずの選手がいて+1、相手チームは本来いるはずの選手がいなくて-1ということになるので、これでもしセレッソが勝とうものなら、今回どころではない荒れ具合になっただろう。(今回セレッソはトーナメント敗退)

そういう構造なので、私は今回の件に文句を言う人の気持ちはわかる。でも、「山口とセレッソは処分されるべき」とか「山口蛍はもう代表行かないで」みたいな意見は違う。前者に関してはルールに反してないのでそれで終わりだし、後者に至っては個人攻撃に近い。(これらのコメントは以下の記事のコメント欄から引用しました。Twitterで探せばもっと酷い個人攻撃ツイートが簡単に探せるけど、噛みつかれたくないのでより匿名性の高いところから引用しました)

山口蛍が怪我したふりをした(セレッソがさせた)んじゃないか、みたいな妄想ツイートもあったけど、これはまずありえないことをついでに書いておく。なぜありえないかというと、そういうインチキをするならわざわざ招集されてから離脱するより、最初から招集を辞退するほうが確実だし簡単だからだ。ドクターもかかりつけだし、移動時間を練習に充てれるんだから。わざわざ北海道まで行って怪我したふりをして帰ってくる意味がわからない

つらつらと書いてきたが、私が指摘したいのは「こういうことはまた起きるだろうし、わざと代表を辞退することで相手チームの戦力を削ることができる可能性がある、その気になれば悪用できる可能性のあるルールかもしれない」ということだ。ルールは守るためにあるものじゃなくて、お互いがフェアに戦えるためのものだと私は思う。そして完璧なルールなど存在しないので、そのルールの運用目的により近づけられるように変えていくべきものだと思う。だったら、そういうことができないようにルールを変えたほうが、Jリーグはよりいものになっていくんじゃないだろうか。

他チームのサポーターも、次にこの立場になるのは自分に応援するチームの選手かもしれない。そういう想像力が少しでもあるのなら、物事の仕組みを見ずに表面だけ見て個人攻撃するようなことは思いとどまってほしい。

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