この世界は本当に自己中で、美しい
星の見えない真っ暗な世界で、悪夢を見ているかのようだった。
夢であるなら醒めて欲しかった。
新しい世界に居場所を求めてわずか十数日後。
信じていた人は少なくて、誰を見ても悪魔の顔が見えた。
何をしていても心の底から楽しめていたわけではない。
「生きていくんだ それでいいんだ」
テレビで聞いたことのあるこの歌詞にどれほど救われたことか。
1人で泣きそうになったこともある。
自分を見失わずに済んだのは、心のどこかで「いや、こんなもんじゃない」と自分を過大評価し励ましてくれるやつがいたからだと思う。
3日ほどの休養期間を経て活動を再開した。
再開したと言っても内容はそれまでと全く違う。
じっとしていると頭にこびりついた悪魔が顔を出すから、とにかく動き続けた。
もちろん、布団なんかに入ったらその瞬間に魑魅魍魎がどこかしこから現れるからそんなことは出来なかった。
何ヶ月か経過してようやく周りの顔が『人』になった。
人をきちんと見れるようになった。
周りの世界はいくらか明るくなって、この頃には、ちゃんと感情を表現できていたと思う。
ふと空を見上げると見たことのないような綺麗な星空が広がっていた。
「この町の星ってこんなに綺麗だったんだ。」