ニコラとテスラ
知らない単語が多い。
言葉遊びが多い。
音的にも、実験的というか、ポップでは無い曲。
自分の浅学によるもので、歌詞の意味が「うん!わからん!」になってしまった。
まずは単語を調べてみよう。
【ニコラとテスラ】
人物-ニコラ・テスラ
19世紀中期から20世紀中期の電気技師、発明家。
【テトリス】
コンピュータゲーム-ロシアで発案。
テトロミノ(□×4で作られる多角形の事。7パターン存在する。)とテニス(球技。ラケットでボールを打ち合う。)をかけ合わせた造語。
【アニマル・アルファ】
動物行動学-ある集団の中でリーダーとなる個体。
オオカミの群れの仕組みで知られる。
【アニマル・オメガ】
動物行動学-ある集団の中で最下位となる個体。
オオカミの群れの仕組みで知られる。
【指を期たす】
英語-ユビキタス
偏在(いつでもどこでも存在すること)という意味の英語。
英語ubiquitousは、ラテン語で偏在をあらわす「ubique」に由来する。ラテン語では、宗教的な文脈で神の遍在をあらわすために使われる。
【デマゴギー】
ドイツ語-デマゴギー
政治的な目的で意図的に流す、扇情的な嘘の情報。
事実に反するうわさ。
【無限に連なって和解する世界】
ニコラ・テスラの構想-彼自身が「世界(無線)システム」(World Wireless System)と呼んだ構想。
ひとつの巨大な送電装置を地球上のどこかに設置する事で、ケーブルを使わずに、地球上のあらゆる場所に電力を送り届けるという構想。
地球をひとつの組織ととらえ、すべての人が幸せな生活を享受できるよう、全人類に等しく電力(エネルギー)を行き渡らせるための構想。
『ニコラとテスラ』を初めて聴いた時、ニコラ・テスラを知らなかったのでずっと2人いると思ってた。ライト兄弟みたいに。
その後、3年後ぐらいに英霊のマスターとなって人理修復の旅をしてる途中に出会って初めて知った。1人だった。
初めて聞く言葉に、音楽の中で出会う事は多い。
中学生の時はASIAN KUNG-FU GENERATIONばっかり聴いていたが、アジカンはそういうのが多かった。
文学的だったんだと思う。
作詞者の後藤正文の繊細な感情を言葉にするには、本の中にある言葉―日常生活では出会わない言葉を使うしか無かったんだと思う。
焦燥感、ライカ、通奏低音。
難しい言葉を段々と使わなくなっていったアジカンから離れて、大学生になってから、SAKANAMONを知った。
歌詞には、辞書を引かないと分からない言葉があった。嬉しかった。
藉す、ミーム、幼気。
単語を調べるために、今はパソコンに打ち込んでいるけど、新しい言葉を知る喜びはいつだって変わらない。
さて、『ニコラとテスラ』。
不安を煽るドラム、シンバル。
それに遠くから聴こえてくる"フォン"みたいな"ボン"みたいな音色も、正体が掴めなくて奇妙だ。(これは打楽器なんですかね、ベースなんですかね?)
泥水に浸かったまま歩かされてるみたいに曲は進行する。
突如、音が切れる瞬間がある。
ここも「あれ?終わった?」と思ったら再び、泥水からドラムとシンバルが現れる。
この緊張感も、People In The Boxの(良い意味で)一面というか。曲幅の広さを味わえるというか。
穏やかな1曲目、爽やかな2曲目をチラつかせておいて3曲目で泥水に沈ませて来るんですねー。
悪いとは言っていない。
むしろ、こういう騙され方をして幸せ…かもしれない。
しかし調べた単語を見返してみると、【ユビキタス】【世界システム】からは"願い"のようなものを感じる。
ニコラ・テスラは、人類が使うエネルギーが増大している事に対し、それを補えるシステムを作ろうとしていた。
エネルギーの総量を増やし、全人類が等しく使えるように。
しかし、エネルギー=利益の独占をしたかった金融家たちに阻まれ、研究所を焼かれ、死後に構想すら奪われ、実現もさせられなかった。
もしもニコラ・テスラが2人いたら、世界システムは完成していたんだろうか。
多分、『ニコラとテスラ』を聴かなかったら、ニコラ・テスラについてこんなに調べていないし、世界システムとやらも知らずに生きていただろう。
100年前に世界をひとつに出来るよう、願い、行動していた天才が居た事も知らなかっただろう。
世界は、まだひとつになれていない。
経済を嫌う『Citizen Soul』だけど、この曲は経済の発展が阻む物=和解する世界への祈りに聴こえる。
経済は世界が和解する事を嫌う。
今、この手に無い物だから願い、祈る。
だから祈りはいつも少し悲しく聴こえる。
<ニコラとテスラが手を組んだ>
<無限に連なって和解する世界>
泥水を進んできた最後、メロディが切なく感じるのは、これは世界をひとつにと望む、祈りだからかもしれない。
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ニコラ・テスラの自伝らしい。
コメント欄の方々の感想が、分かりやすくて面白そう。
夏休みの(自主)課題図書として読もうかな。
https://www.amazon.co.jp/dp/4880862975/ref=cm_sw_r_tw_dp_C9KDKNZ9H8V8CA7KX95W
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アジカン答え合わせ
焦燥感・・・『青の歌』
ライカ・・・『ライカ』
通奏低音・・・『架空生物のブルース』
SAKANAMON答え合わせ
藉す・・・『ミュージックプランクトン』
ミーム・・・『カタハマリズム』
幼気・・・『幼気な少女』