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憧れのクリエイター達を前にしたらよぉ、誰でもおかしくなるってもんだ・・・そうだろ?

2024/10/03に行われた、漫画『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』最終巻発売記念トークイベントに行った感想です。

なぜ1ヶ月も経って投稿しているかというと、自分が14時間かけて音声アーカイブの書き起こしをしてしまったからです。

徹夜で書き続け「やりきった・・!」と万感の思いでブログを投稿した5分後、リアル友人から「Twitter見たんだけど、犯罪だから消しな」とLINEが来ました。

有料イベントを書き起こして残す事は犯罪です。

・・・すみませんでした・・・。

以後も友人には相談に乗って貰いました。

「しかしこの熱をどう処理したらええか分からんのや!」

「落ち着くまで時間を置け。」

「ッ・・・フゥ"~~ッ・・・、フゥ"・・・ワ"ガッタ・・・」

ありがとう友人。

おかげで哀しいモンスターから人間に戻れたよ。


ライブの感想には慣れているのに、明るいまま進行するトークイベントというのは、"そこ"に居る憧れの人々が生々しすぎて、上手く書けなかった。

記憶を頼りに書こうとしたが、人の発言は誤解を生むといけないので、正確性が欲しい。

そう思って音声アーカイブに頼ってしまったのだが、友人が言ってくれた「我々はライターじゃない」って言葉が、一番大事だったんだと思う。

やっちゃいけない事をやった表現じゃ、誰も幸せにならないよね。


そんなこんなでやっと冷静になってきた気がするので、当時の熱のまま書いた文章をリライトしました。


漫画家・魚豊(うおと)先生。

テレビ東京プロデューサー・大森時生氏。

WEBメディア「オモコロ」編集長・原宿さん。


メンツがアツすぎる。

このメンツでトークイベントをやるって、そりゃ秒で申し込むよ。息止まったもの。

気が付いたら申し込みが完了し呼吸してました。

チケットは完売との事で、取っといて良かったです。


新作の最終巻発売記念イベントだったけど、前作『チ。』が生涯ベスト漫画に入りかけているので「こんな凄い漫画を描く魚豊先生はどんな人なんだろう?」と知りたい気持ちがずっとあった。

どういう繋がりか最後まで分からなかったが、ホラーが好きなので大森時生氏も注目のクリエイターだ。『行方不明展』、今年の夏の思い出のひとつです。行方不明という入口から、展示を追うごとに深まっていくあるひとつの真実。構成が見事で心底、行って(体験して)良かったと思いました。

考察・感想記事が割とたくさんあり、↓の記事で全て納得できてしまったので、自分では書かない。とても良い記事だった。

そして、今年の7月からドハマリしてしまった『オモコロチャンネル』の原宿さん。

WEBメディア『オモコロ』やARuFa、ダ・ヴィンチ・恐山の名前だけは聞いた事があったけどどんな活動をしているのかは知らなかった。

こんな面白いおじさん達がこの世にいたなんて。

いや、面白さだけでハマったわけではないのだが。

クリエイター魂というか、ものづくり・人を楽しませるイズムみたいなのを勝手に感じてハマってるのだがその話はまた別の機会に。

●登場

司会進行は、小学館の編集者さん。

(帰宅して単行本を確認した所、奥付に名前があってちょっと感動した。)

髪型が『ミステリと言う勿かれ』の主人公に似てる。

司会ってスタッフさんがやると思ってたけど、編集者さんも色んな事するんだな。

続いてカーキ色のタイシャツ着たボブヘアの背がでっけぇ人登場。

(長谷川カオナシ(クリープハイプ)みたいな人出て来た~~~!)

こちらが魚豊先生でした。

続いて白Tに黒髪の大学生みたいなお兄さん、大森さん登場。

最後にYoutubeで見た事ある黄色いシャツにYoutubeで見た事あるセンター分けのおじさん・原宿さん登場。

魚豊先生の第一印象は「この人amazarashi聴かなそう」でした。失礼。


大森さんが製作した番組の登場人物が、原宿さんに影響を受けたというのは有名な話で、本人たちもイジってた。

大森さんは『原宿チルドレン』だそうです(笑)

接点がある事を羨ましがる魚豊先生が面白かったです。

●作品の感想1

編集者さんが普通にオモコロチャンネルを好きという事で、原宿さんに割とディープな質問をしていたのが面白かった。

"自分が自分らしくあり続ける"こと、"ぶれなさ"を描いた最終回だったという原宿さんの作品の感想と絡めて、「ぶれずにい続けるために実践している事はありますか?」という質問。


原宿さん「究極はぶれるのもアリだと思っているけれど、体幹力があれば何かの拍子に振り子が大きく振れた時に、自分の軸に戻って来る事が出来る。つまりレジリエンス(※)の話なんですけど、レジリエンスって言葉を使えて嬉しいです。」

(※)「回復力」「復元力」「耐久力」「再起力」「弾力」などと訳される言葉で、ビジネスにおいては「困難をしなやかに乗り越え回復する力(精神的回復力)」とされている。

レジリエンスという言葉を使いたかったらしい(笑)


大森氏「ぶれなさすぎる人も怖い。幽霊を"絶対"いないと言う人が怖く見える。」

ホラー作家らしいと思った。


魚豊先生「ぶれを"破綻"や"偶然性"と定義してわざとやっている作品が増えたと感じます。そのあざとさ、わざとらしさに(作家として)気づいてしまうと、『いや、それはぶれじゃないし。』と思ってしまう。」

こっから魚豊先生のエンジンがONになります。

何故自分が書き起こしてしまったかというと、魚豊先生の発言はそのままが一番メチャクチャ面白かったからです。

↑はかな~り端折って92文字になりましたけど、元の文章(つまり書き起こし)は300字でした。

とにかく喋んだ。

話終わった魚豊先生に会場が呆気に取られている中、会場の気持ちを代弁するかのように原宿さんが「今日おもしろ。やばい。」と呟いた。


大森氏「(製作側が用意した)意図的なぶれを、視聴者が自分で見つけたと思わせる演出は僕も多用しちゃうけど、その意図自体が(作り手として)若干キモいとも思ってます。」

魚豊先生の意見に対する大森さんの考えも面白い。


結構3人の考えが違うというか、違うベクトルのまま話していたのが面白かった。

上っ面だけで「わかるわかる」と迎合せず、「どういう事?」と深く突っ込む事も無いのが独特。

(我々)観客はいるが、観客に頭の中身を理解して貰う会ではなく、3つの頭から出力される言葉を受け止める感じ。

(悪い意味ではなく)観客の不在性が心地よく、ラジオを聴いているような感覚だった。

●作品の感想2

大森氏「魚豊さんにも話したんですけど、『ここはすべての夜明けまえ』っていうSFの大賞を取った小説があって、小さな物語だからこそスッと自分の中に入って来たんです。(『FACT』の)最後のシーンも、それこそ小さな事しか起こってないけど、異常な爽快感をもたらすというか。なんか、助かったと思わされるし、自分は自分をこういう風に助けられて生きていかないといけないんだなぁと思いました。」

魚豊先生「凄いショボイ、物凄い小規模な話を書きたかったんです。何か大きな事をやろうとして、大文字の歴史みたいなものに接続しようとしても出来なさが付きまとってる。何か大きい、変えたいんだって意志だけは持ってるんだけど、やってる事は大した事ない。その小っちゃさにある豊かさを描きたかったので、そう言って頂けて凄い嬉しいです。」

本当の会話はもう少し長かったです。

『ここはすべての夜明けまえ』、大森さんの紹介の仕方が上手くて読みたくなりました。

●大人数で作品をつくること

「大森さんはテレビ局員ながら、局員らしかぬ活躍をされているように感じます。自分の立ち位置は気にされますか?」という質問に、「難しいですね(笑)」と苦笑いする大森さん。


大森氏「10人も20人も関わるプロジェクトだと、そのチーム全員がモチベーションを持つのは難しいです。で、その時何をするかっていうと元気よく挨拶をしたり、ダサい事をしない。知らない事は知らないって言うし。お金が無いんだったら最初に「お金が無い」って言うし。正直に、誠実に、自分がこういう事をやりたいと思っていて、こういう事を面白いと思っているから、その人の可能な範囲で付き合って貰うってのがラインだと思っています。」


この話は会社員として刺さりましたね。

若くしてヒットする物づくりをしてる人は、考えてる事が凄いなぁ。

物づくりだけじゃなくて会社で言われるノルマ達成とかもね。

上司がみんな大森さんみたいな考えだったら良いのになぁ。

●陰謀論への興味と"陰謀論者"との距離感

『FACT』の主人公、渡辺くんが陰謀論を信じていた事を「羨ましい」と言う原宿さん。

原宿さん「『MMR』っていう、講談社のマガジンでやってた漫画の影響でノストラダムスを信じてたんですけど、当時は1999年に世界が滅ぶって言われてて、それを説明するためにヨハネの黙示録みたいなのが出て、ニガヨモギという星が落ちると世界の川の1/3は苦い水になってしまうとか書かれてて(※)・・・ニガヨモギって、"チェルノブイリ"って意味なんですよ。植物の名前らしいです。」


司会である小学館の編集さんを気にしながら言ってたのが面白かった。

双方ともに複雑な顔だった。

オモコロチャンネルでもMMRの話はしてたけど、チェルノブイリのくだりは知らなかったので結構ゾッとした。

(※)”苦よもぎ”という名の巨大な星がすべての川の三分の一とその水源の上に落ち、水の三分の一が苦くなって多くの人が死ぬ。


原宿さん「1999年7月に滅ぶまでいかなくても、大変な事は起こるんだろうなぁって思ってたら、段々雲行きが怪しくなって来て(笑)。『MMR』も99年までやってたんですけど、最終的に「まぁ・・・ね。でも僕らはこれからも世界の謎を探し続ける!」で終わって、「あ、嘘だったんだ・・・」って分かりました。でも俺はその漫画めっちゃ好きだったから、「これはそういう話なんだ」って思いました。プロレスとかと同じで、陰謀論って半信半疑で楽しむ物なんだとその時知りました。半身(はんみ)でちゃんと楽しむ距離感の大事さというか面白さですよね。」


魚豊先生「本当に信じていた物に意味が無いと分かった時、それでも生きていかなくてはいけないって状況で、「無いんだ」っていう虚無を爽やかに変換して楽しむ感覚が"あはれ"なんだと思ってます。自然災害が多い日本は堅牢な歴史観や人間というものへの信頼を積み上げられなくて、「自然の方が強いじゃん」ってなった時に「じゃあ俺たちなんで生きてんの?」って思ってしまうはず。

そこで"ものが在る"というだけで"良いね"と思えるのが"あはれ"の感覚だと思ってて、「いや、あはれ良いじゃん。」って出力出来た人たちを凄いと思います。

僕はそういうタイプの人間ではないので、凄く大きな意味が欲しくて漫画を描いている所もある。けれどそれが"無い"事の肯定はこの作品(『FACT』)でやりたかった。

けれど『チ。』の「地動説って実は迫害されてませんよ」ってオチもやりたかった。その裏切られた時の"悲劇は面白い"っていう逆説的な感覚も好きなんです。」


原宿さん「陰謀論にハマった人に対し、普通の感覚だと「あーもうこいつ、狂った」ってシャットアウトしちゃう。でも、『FACT』はその先にある希望を描いている。」

大森氏「僕も、スピリチュアルに傾倒した人に対してついたてを立ててしまう。けれど、本人が自分をスピリチュアルだと言って大勢の前で笑いを取る場面に遭遇した時に、本人が自身を俯瞰しているのに対し、僕はついたてを立てて終わっている事が虚しく感じた。」

魚豊先生「理屈や思想を共にする事を考えたら、その人とはずっと断絶しなければならないかもしれない。でも、そうじゃないよってなるために世界が存在している。理屈や思想は共感できないけど、同じ食べ物好きだなとか、この夕日好きだな、とか。世界から与えられたモノで分かり合う事はできる。

世界というディスプレイの中に星があって、(世界という)大きな物に接続して、「話し合える気持ちはあるよね」って確かめられれば、希望はある。それより先の、言葉やロジックでは絶対に齟齬が生まれて戦い合うしか無くなっちゃうから。

「この夕日があってこの夕日を美しいと俺が思うって事は、俺は人間だから他の人間もそう思ってるはず」っていうザックリとした橋を架ける事はできる。

それは世界から与えられた希望だなと僕は思います。

ついたてを立てるって、言葉では立てられるけど心には立てられない。

生きててそこにいたら、絶対通じるクオリア(※)がある。僕が青いと思ってる。この人も青いと思ってる。それがどれだけ奇跡か、と。」

(※)クオリア(qualia)とは、ラテン語で「質」を意味し、たとえば、赤い色、緑の色、ガラスの透明感、オレンジの香り、おせんべいを食べたときに感じるテクスチャ、ヴァオリンの音色など、私たちが感じている様々な質感をクオリアと呼びます。


大森氏「優しく歩み寄るとか、対話するって行為はまた違う行動で、地続きであるってのを理解しつつ近寄らないのは大切だと思う。同じ延長線上にいるっていうある種怯えを持っておきたい。例えばバズってる怪しいものを拡散すると「おもろい」というその人たちの文脈に取り込まれるという事。それは地続きを越えて対話に近いから、怯えておきたいです。」


魚豊先生「漫画において刺激や戦いの面白さを下敷きにしたコンテンツって大量にあって、それに対する"平和"がチルな日常系なんだと思います。

闘うコンテンツっていうのは『進撃の巨人』的な(あっ!また講談社だ!)反省や露悪さを含んだストーリーで、対する日常系ってのはみんな好きな人と生きていけたら最高だよねってストーリー。その中間を見つけたくて、陰謀論を下敷きにする事はひとつ、突破口になる気がしている。」


原宿さん「破壊と創造をどっちも持ちながらつまらない日々を生きる事が一番つまんねぇよと思いいつつ、その重要性を感じる自分は確かにいる。そこが難しいよなぁ~って思いながら生きてるのが、結局・・・"好き"なのかな。むずいわ~~このむずさ見てぇ~~~!っていうのが、好きなのかな(笑)」


大森氏「破壊にも創造にも希望を持てなくなってるから、(陰謀論みたいに)一撃何かあったらうおー!ってなりそうだけど、本心ではマジで無いだろうなって思ってる。だから、それでも生きていくってなっちゃってる。」


面白い。

小難しい会話だが、今読んでいる本に通ずるものを感じて結局、小難しい話が好きなんだと認識させられる。

(やべっ!講談社だ!)


ヴィトゲンシュタイン(1930-1951)というオーストリアの哲学者の考えを易しく紹介する、という本だ。

その哲学者は「わたしの"イヌ"と誰かの"イヌ"が一致しなかったらどうするか」という命題を、わたしのイヌと誰かのイヌを一致させるために言葉を尽くす人だったらしい。

わたしの考える"イヌ"は、言葉を尽くして説明し尽くすまで、誰かの"イヌ"とは一致しない。という考え。

正直、面倒くさい。

自分だったら、そいつをイヌんとこ行って触らせて「あなたはどう認識しましたか?毛がふわふわ。鼻がしっとり。ベロ出てる。かわいい。それがイヌじゃあぁぁぁ!」で終わってしまう。

だが、それで不都合があるからこのような哲学者が居たのだろう。

命題は触れる物・実存する物とは限らないのだから。

話を戻す。

「同じ青を見る事はできる。俺が青と思ったものを、その人も青と認識できる。」

これはヴィトゲンシュタインの考えとは真逆だ。

素直さと純粋さが、ヴィトゲンシュタインより好感が持てる。

『チ。』がその部分を汲み取ったとも言えるが、中世の、それこそ地動説以前の天文史は哲学と繋がっている。

神の存在証明と、神の御業と天(自然現象)のルールとの矛盾に、揺れる自己存在への疑い。

トークイベント中にもカントやハイデガーといった哲学者の名前が出て来たので、魚豊先生の哲学への興味が伺えて興味深かった。

「俺が青と思ったものを、他人も青と認識できる」とヴィトゲンシュタイン先生に言ったら発狂するか、まる1日かけて認識させられそう。その「わからせ」怖すぎ。

でも、その浅さが人間味があるというか、「ああ、人と人が理解し合うなんてその程度で良かったんだ」と思えた。


「人と人って、話せば話すほどわかり合えるんじゃないかと思ってたんですよ。でも、話せば話すほどわかり合えない」

峯田和伸(銀杏BOYZ/GOING STEADY)


わかり合えないと思えば大概の人間関係が楽なので、自分はこれを信条として来た。

だからこそ、青の話はもっとプリミティブ(※)な所にある考えだと思った。

もちろん、その人(トークライブの文脈的には"陰謀論者")との会話の深度で変わるだろう。

作品と無関係な話になってしまうのでどうかと思うが、願わくば会話の深度も設定した上で3人の考えをもっと聞いてみたかった。

※3:原始的な。


原宿さん→陰謀論は半身で楽しむ

魚豊先生→陰謀論に憧れが無いと言ったら嘘になる

大森氏→陰謀論は面白いが、陰謀論者とは距離を置く


まとめると、ざっとこんな感じでしょうか。

1児の父で40代の原宿さん、世代は近そうだけど会社員の大森氏と組織に縛られていな魚豊先生の考えの違いみたいなのが感じられて面白かったです。

●プール、本、映画

魚豊先生「多分僕がめっちゃヒマだからこういう事考えちゃうんです。1年間連載終わってニートやってるんで、プールと、本と、映画の日々がホンット嫌なんですよ!!ホントにつまらなくて!!


この辺から流れ変わった。

「最初は楽しかったんですか?」という質問に対して、「連載終わって半年はメチャクチャ楽しかったです。でも、明日何時に起きてもいい生活が嫌すぎて、目を逸らすためにワンチャン革命を。」

あまりのキレッキレな叫びに、会場爆笑。面白すぎた。


魚豊先生「ずっと・・・なんかプールいるんですよ。僕より前に来てるおじいちゃんが、僕が帰る時もまだ泳いでるのが信じられなくて。お前の人生だよってループを見せられている気になります。」


そんな生活は病んでもおかしくないけど、プールで病む人初めて見た。

この人面白いな。

●何をすれば面白いのか?

大森氏「作る側もマンネリは問題ですね。自分が今まで作った物で面白いと思ってくれた人たちにもう一度面白いなって思って貰いたいけど、それをループしてると結局それはプールで泳いでるのとイコール。」

魚豊先生「それで言うと原宿さんとか、これからどうしていこうとかメッチャ聞きたいです。」

大森氏「自分の中でまだ何かしたいって残ってますか?」

原宿さん「何かしたい?」

大森氏「僕もう無いんですよ。」

原宿さん「えぇ!?無いの!?」

大森氏「うっすらはありますけど、大きく言うと本当はもう無いんですよ。」

原宿さん「もう、死ぬしかない。ドキュメンタリーの中で死ぬのが一番面白い。」

大森氏「面白さで言うと一番おもろいですけど(笑)」

魚豊先生「ラジオとか出させて頂いても、繰り返しじゃないですか。この枠でこの会話が行われてって、面白くないんですよね。・・・そういうの関係無く俺と喋ってほしい!」

原宿さん「あははは!わかる。わかる。」

魚豊先生「以前出させて貰ったラジオ番組の休憩中に、作家さんとかがすごい褒めてくれたんですよ。で、明けて、MCさんが放送で「みんな先生の事褒めてて、私も危機感感じますよ~」って言うんですよ。だから俺も「じゃ、僕が乗っ取ります。」とか言い始めちゃって。」

原宿さん「あははは!」

魚豊先生「ヤバイ空気になって。作家さんも「俺たちも行きます」って。「お前ら行けるよな?」みたいな、外の社員たちもグッ!とキングダムみたいな感じになってて、(おい!集英社!)その瞬間がめっちゃ興奮しました。」

大森氏「今めっちゃ興奮したなその話・・・」

魚豊先生「マジ全員、男性も女性も凛々しい顔になって、急に覚悟決めたみたいな。・・・あれ良かったなぁ・・・。」


この一連の話、勢いよすぎてメチャクチャ面白かったです。

会話のジェットコースター。

●陰謀論もコンテンツ運営に近い

魚豊先生「僕はコンテンツを作るだけですが、二人はコンテンツを作って広げる事までしていますよね。陰謀論もコンテンツ(情報)があるじゃないですか。でもその情報を統治する人がいなくて、ウィルスのように広がってしまうと。お二人は、自分が作ったコンテンツのコントロールはどうしていますか?」

大森氏「前提として、無限にバズれと思ってない。それこそ初めてテレビ局で番組作った時は一番広がれーって勢いでやってましたけど、今は・・・ちゃんと、これを面白いと思う人の所に届く・・・適正な範囲に広がって欲しいです。

段々と、耳目(じもく※)を集める事が主語になって、耳目が広がった結果全く面白くないって思う人にも届くようになってしまった。その結果、"人が面白いと思った感情"より耳目を集めたっていう"事実"だけが残ってしまう。」

原宿さん「俺は期待に応えたくないって気持ちが強い。オモコロって面白いよねって言われるととんでもないクソ記事を書きたくなるし、泥酔してラジオ録ったりする。あんまり良い人って思われると、ソイツが俺を持って行ってしまう。ソイツが俺になっちゃうみたいな感覚があるから、そこは別にやりたくない。」

魚豊先生「良い人に思われるのが嫌ですか?」

原宿さん「言わされちゃうっていうのが大きい。仕事になっちゃって、期待された事を出力しちゃいそうになる。良い記事が多すぎると、よ~~し、ちょっと・・・(腕をグルグル回す)つまんない記事書くぞぉぉ~~!ってなる。」

一同「(笑)」

(※)耳と目。見聞きすること。人々の注意・注目。


大森さんの話が興味深かったです。

この人冷静だなぁ。

あと原宿さんに質問しまくる司会・編集者さんが面白かった。

本当に好きなんだな。

●インターネットと本当の自分

大森氏「オモコロは数字は見ますか?」

原宿さん「見ますよ。良い記事の閲覧数がもの凄く高く出て、本になったりするのは凄い喜ばしい。半面"チェッ。"って思う自分の本心も出したい。良い物を全面的に褒めている俺を出してしまうと、ずっとその俺でいないといけなくなりそうだから。チェッと思う、自分の本心も表現しておきたい。

キャラ付けをさせられて、言える事が減るのが嫌ですね。言えない事なんて別に無いだろって。魚豊さんとちょっと似てるかもしれない。「話そうや。」って。腹を割って話したいです。・・・でも、大森さんはフェイクの方(ほう)・・・」

大森氏「そうですね・・・。フェ、フェイクの方って何ですか?(笑)」

原宿さん「フェイクドキュメンタリー。」

大森氏「どういう質問でしたっけ!?(笑)

・・・僕は、自分の箱庭で自分が面白いと思う本当っぽい偽物を作るのが一番テンション上がるからやってる。いつもやりたい事じゃないんですが、フェイクドキュメンタリーの『祓除(ふつじょ)』(※)では最後の方で自分役として出演したんです。

自分役をやってる時、自分役をメッチャ面白く感じたんです。よく考えたら現代社会は全員、自分役をやってるようなもんじゃないですか。撮影の中の決められた役割を演じている時、"本当の自分"が無理矢理創出されている面白さを感じました。・・・フェイクの方としては。」

原宿さん「フェイクの方(笑)」


大森氏の制作に対するスタンスが見えて面白かった。

出てましたね。

●自分の役割

司会「オモコロチャンネルに出てる時は、原宿というキャラクターを意識しますか?」

原宿さん「あ~~、なんか、ちゃんと川柳読んじゃいけないのかなぁとか・・・」

司会「(笑) 原宿さんを知ろうみたいな動画があるじゃないですか」

原宿さん「おっ、(オモコロ)好きですねぇ(笑)」

司会「(笑) その時印象に残ったのが、他メンバーへの印象をインタビューされた原宿さんが、マジ回答をしていた事です。他のメンバーは何を言ったか当てようと回答を用意してるんですが、ふざけた回答を用意したのに、原宿さんはマジだったという。」

原宿さん「スベったのか・・・」

司会「そういう意味じゃないです(笑) 二面性みたいな物を感じたので、どう使い分けているのかなと。」

原宿さん「僕は本当に、演じる強さが無いのかもしれないっすね。徹する事ができない。こうなっちゃう。全体的に、俺という人間に感じるのは甘え・・・だな。みんなに甘えてる。」


ただのオモコロファンによる質問。

良いぞ。

ちなみに該当動画を探したのですが、分かりませんでした。

いつか巡りあうだろう。


●質問コーナー

原宿さん「会場の方から質問タイムにしてもいいですね。」

大森氏「魚豊さんから当てる勢いの方がいいですよ。」

マジ???

そして考えるより先に手を挙げていた。

今思い出しても手汗ビショビショ、足ガタガタなります。

『カシオピア係留所』のMVから『チ。』とamazarashiを知り、作者の魚豊先生がamazarashiを好きという情報を知り、魚豊先生がamazarashiで一番好きな曲をいつか知りたいと思っていたんですよ。

(後から調べたらロフトプラスワンのキャパは300人でした)

こんな大勢の前で、こんな事訊いていいのか???

そもそもそんな好きじゃなかったら、どうする?????

手挙げてから足が震え出した。もう後戻りできない。

原宿さん「ありがてぇ~。」

舐めるな。

今日が命日でいい。

音声アーカイブをガタガタしながら聴き直してたけど、思ったより会話できてたしウケてたので良かったです。


質問「魚豊先生が好きだという話を見て、amazarashiにハマりました。もし良かったら一番好きなamazarashiの曲を教えて欲しいのと、『FACT』にamazarashiの曲1曲テーマソングでつけるとしたら、何かありますか?」


魚豊先生「『FACT』は『後期衝動』のイメージです」


即答でした。

あの~~~~

良いですよね~~~~。

(脳内)


魚豊先生「好きなのは、『空白の車窓から』です」


あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

良いですよね~~~~~~~~。

後から冷静になったら、『カシオピア係留所』とか『1.0』って答えなかったのが""ガチ""って感じだったのでマジで訊いて良かったです。


魚豊先生「『空白の車窓から』って、もう夢叶えた人が飽きてる歌なのがスゲェ良いなって。

初期のamazarashiって青森から上京して『カメレオンライフ』っていうバンドで10年間ぐらいやってたんですけど、青森に戻ってからamazarashiって別名義でソロでデビューして、それから売れたんです。

初期の曲はもの凄く・・・東京で成功できなかったみたいな歌なんですよ。でも諦めてないからやるぜって出した曲がメッチャ売れちゃったんですよ。

で、メッチャ売れた後に「売れたいぜ」っていった曲が売れちゃったから、次はどんな曲だろうって思ったらめっちゃ爽やかに「もう飽きた」って歌うんですよ。

『空白の車窓から』ももう、何も無いし書きたい事も無いって曲。

その車窓っていうのが、ライブで全国に行くんだけど会場も満員になって、「飽きたな」って。その車窓に。またどうせ来るから。だから、「良いね」って。

でもそれが凄いカラッとしてて、でもこの表現って有るんだって思ったんですね。

飽きた事って、そして人生が続いていく事って、目的が無くなって大きな物語が無くなった事で、爽やかで・・・また来ようぜ、みたいな。「感動はもう無いけど、良いじゃん」みたいな。なんか、そんな事歌えるんだって思って。しかもスッゲェ爽やかなメロディーで。でもそれは音楽ならではだなって思って。

『FACT』はどちらかというとSAKANAMONの『ふれあい』っていう曲のイメージです。それも何か、「喋ろうよ。」って感じの曲で。・・・何か、喋れないけど喋りたいなって。最後の告白のシーンはそういう感じを出せたらなって思って描いてました。」


司会「めちゃくちゃ貴重なお話・・・」


本当に。

聴かなそうとか言ってすいませんでした。

この人ガチだ。

途中の"あはれの感覚"に通ずる物もあって、本当に訊けて良かったです。

ありがとうございました。


魚豊先生「ぜひ、良い曲なんで聴いてください。」

原宿さん「ありがとうございます。」

司会「素晴らしい質問。」

あざす。

自分「SAKANAMONもサカナクションも好きなので」

魚豊先生「あー本当すか!」

自分「めっちゃ嬉しいです。今日聴いて、死にたいと思います!

魚豊先生「やめてください!」

司会「やめてください!」

原宿さん「責任は取れない。」


会話しちゃった・・・。

こんなんさぁ・・・おかしくもなるってもんだ・・・。

この事実を噛み締めるたびにアドレナリンが出ます。


あと、とても個人的な事だけど、amazarashiの曲について人と話したのが魚豊先生が初めてでした。

いつも一人で聴いてるからね。

なんか、それも嬉しかったな。

質問②

『チ。』のTシャツを着て来た気合入ってるお兄さんからの質問。

「『FACT』がどの段階で構想があったのかと、『チ。』は知性と暴力っていうテーマに地動説がハマっていましたが、『FACT』は恋と陰謀論に師弟関係がハマっていたと思います。どのタイミングでそうなったのか教えてください。」


魚豊先生「担当編集(司会)から『チ。』の打合せで恋愛の話をよく聞いていて、面白かったから。恋愛ものって自分で描かないと思っていたので。

もう一つは陰謀論という思想的な運動について、誰か作家が書くべきだし書きたいなと思って・・・自分程度の者で描ければと思いました。

それと、『チ。』で出来なかった事をやりたかった。

『チ。』は知性と暴力で疑う事を肯定するテーマだったので、『FACT』は恋愛と陰謀論で"信じる"という事を肯定したかった。この人達が信じてる事は、間違ってたり・・・評価できない事だったりするんだけど、でもやっぱり"最終的に信じるって素晴らしい事なんじゃないの"って事を凄い、描きたかった。

師弟関係についても、教える事と裏切られる事を描きたかった。それはずっと描いてるんですけど。裏切られる事で自立できるという事を。

逆説的ですが、師匠が言った事が伝わっちゃったら終わると思うんですよね。師匠の言った事が変更されて、批判的に継承されていくからその思想が続いて行く。そこも『チ。』は一緒というか、どんどん形を変えて残っていく物があって、そういう意味で師匠が言った事は全然違う形で受け取られて行くんだけど、弟子は育っていく。そういうテーマは凄く描きたかったです。」

質問③

赤髪のお姉さん「嫌な気持ちって、凄いバネになると思うんで私は積極的にインターネットで嫌な気持ちになるトピックを見に行ってしまうんですけど、もし良かったらお三方が最近見た嫌な気持ちになるトピックだけで良いんで、教えてください。」

切り口が新しいな。凄い人だ。

魚豊先生「本当に嫌な気持ちになるのは、倫理的な話ですね。でも、本当に嫌な気持ちになってバネにならないです。

つまんない漫画や嫌な動画も昔はバネになっていたけど、今では普通に好き。

GOAL-Bっていう企業コーチングとかをしている会社組織があって、その人たちのルーティーン動画とかはめっちゃ悲しいし現代的だなって思うんですよね。現代の男性の孤独、不満みたいな事が見ててエモいし文学的だなと思って見てますね。GOAL-Bの社員の1人が、ルーティーン動画を物凄い上げてるんですけど、この人すごいヤバくて、目的が無いんですよ。目的が無いけどルーティーン動画を作ってるんですよ。どうすればいいんだって3拠点作ってるんですよ。家を3個借りる事によって、移動してるシーンをめっちゃ撮ってるからめっちゃ忙しいんですよ。」

原宿さん「わははは!」

魚豊先生「移動しても何もしないんですよ。パソコンやるだけ。こんなルーティーン動画の作り方あるんだ!って。それで福岡に家買って、東京に2個あって、家4個に増えたのに説明無いんですよ。「やっぱり最高です」とか言って風呂入ってメシ食ってるだけの動画なのに、めっちゃ何かやってる感じになってるんですよね。

アマテラス村岡もマンティ福原もレッツゴーなぎらとかチャイ島田とか、めちゃくちゃ良いんですよ。」

原宿さん「wwwwww」

魚豊先生「あっ、今日ね新作ラップ上がる」

原宿さん「wwwwww」

魚豊先生「全員でラップをやってるんですよ。あと年収1000万円の男たちチャンネルってのが別であって、異常にチャンネルあるんですよ。」

大森氏「wwwwww」

魚豊先生「で、その人たちの間でしか通じない「何とかさん来た!」とか「●●の対談はアツイ!」みたいな」

原宿さん「あっははははwwww」

大森氏「[アマテラス村岡 信用できない]って出て来た」

魚豊先生「(調べるのが)早い」


このくだりもジェットコースターでした。

情報量が多すぎて軽く電子ドラッグかと思った。

大森氏「僕もインターネットで嫌な気持ちになったモノ全部メモってるんで」

原宿さん「うわぁ~(笑)」

司会「変な人じゃん。」


以下、大森氏の嫌なもの

・骨髄バンクに登録してたんだけどいざ来た時に断りましたって話

・戸塚ヨットスクールの

・ショートドラマのアプリの社長のツイッターの概要欄『バズるか死ぬか』


大森氏「いや、嫌すぎ!!じゃあ死ぬよ~。じゃあもう~。」

原宿さん「はははは。僕は呂布カルマさんの・・・恋山形の駅の。

まぁ、それは別に良くないけど良いかなって思ってて。その後それを聞いた鳥取県知事が「まんまと炎上商法に引っかかった。」って言って全てをサゲた。そこへの無警戒さが凄いなって。作った人もサゲてるし。」

大森氏「知事がただ、俯瞰で見れるって事だけしか示してない。」

原宿さん「情熱を持ってやってるかと思ったら、っていう。そういう気持ちなの!?っていうのが凄い嫌でしたね。」


原宿さん「これで2時間行けそう。」


ぜひオモコロウォッチでやってください。

質問④

青年「本当の事と嘘の事についてみたいな話が主だったように感じました。現代的な自分の感覚では、本当の事を言うためにめちゃくちゃ嘘を言って保険をめちゃくちゃかける最たる物はマッチングアプリだと思うんです。マッチングアプリをどう思いますか?」

原宿さん「マッチングアプリネイティブじゃないから、マッチングアプリで知らない人に会う感覚が無いのがコンプレックスかもしれない。」

大森氏「友達がやっているアプリがあるんですけど、入会したい人の顔を選ぶのがユーザーなんですよ。運営は介さず、ユーザーの右下に「今入りたい女の人」の顔が出てきて、○か×を選ぶんですよ。で、○が何%以上だったら入会出来て、×の方が20何%だと入会できませんと。もはや全員が創造主になれるんですよ。」

原宿さん「だはははは!」

大森氏「それをいっぱいやると、ポイントが貰えて課金量が減るらしいんで、特にお金の無い学生とかはどんどん判定するんですよ。それってSF的世界観でもあるし、それをやる先に待ってる物って怖そうすぎる。」

原宿さん「優生思想的な。」

大森氏「なんか日常でも言い始めそうじゃないですか?会社とかで会って、「バツ」とか。」

原宿さん「こわ~。」

大森氏「最近、それに感心を持っていますね。」

魚豊先生「それって、グロいと思うんですけど、なぜグロいと思うのか、なぜ自然の方が良いのかって感覚は変わるじゃないですか。

今日ずっと話している本当と嘘について、<『本当/嘘』の2個対1自体が幻想>という教育を僕は受けて来たけど、それでも<本当の事>はあるはずだと思うんです。

ドエストフスキー(※)の文体って無限に「?」が付く喋り方で、相手に問いかけ続けるんです。彼は「真実は相手がどう捉えるかだけ」と考えていて、マッチングアプリのように自分の良い所をセールスポイントとして、それは時に<嘘>なんだけど相手によっては<本当>になる。

マッチングアプリは社会を壊すまでいかないけど、今後の人間のアイデンティティの形成の仕方として、新しい人類が出来るんじゃないでしょうか。マッチングアプリ以前・以後で、人間が人間を消費する仕方も本当に過剰に変わって来ているんだなと。誰でも思いついたんだろうけど、実装したのヤバイ、みたいな。」

(※)ロシアの文豪。


マッチングアプリのプロフィールに書けるかこんな文章。

原文はこの2.5倍長いです。


●終わりに

原宿さん「魚豊さん、もっとイベントしてください。この喋りはやっぱ凄いな。衝撃的でしたね。まさかこんな喋る人だとは・・・。」

魚豊先生「(笑)家にいるんで。いつもの鬱憤を晴らしてる。」

大森氏「やっぱりラジオの話がめちゃくちゃ面白くて・・・イヤ本当、そうだよなって思ったんで・・・。お願いします。ちゃんと。」

魚豊先生「何を!?」

司会「じゃあ魚豊さん。」

魚豊先生「イヤ、本当にスイマセン。次回作も見てくれたら凄い嬉しいです。本当にありがとうございました。」


●その他の感想

原宿さんがずーっと相槌を打っていて、大人を感じた。優しい。

あと序盤から思ってたんですけど、魚豊先生はバデーニさんだ。

魚豊先生が喋ってる間、後ろに「ペラペラ」の擬音が見えました。
トンスラのイケメン・バデーニさん。

元々めちゃくちゃ好きな曲だけど、トークイベント後に聴くと感動もひとしお。

良いよなぁ~。

先生、SAKANAMON追っかけてんのか・・・(好感度↗)

これ聴きながら最終巻をもう一度読むと、なるほど・・・。

良い選曲だなぁ。

SAKANAMONの話も通じた人初めてで嬉しかったなぁ。

同僚に「誰?」って言われて心閉ざしたもんなぁ。


質問して良かったなぁ。


「どんな人が書いているんだろう?」の答えは、リアルバデーニさんという事で自分の中で結論も出せたし。

でもさ、やっぱり話も面白かったよ。

"世界というディスプレイの中に星がある"とか、「この夕日があってこの夕日を美しいと俺が思うって事は、俺は人間だから他の人間もそう思ってるはず」とか、割と純粋な感性だと思います。

それに、自分がヴィトゲンシュタインの本を呼んでて「そうかなぁ?」と賛同できなかった所が、解消された気がする。


「僕が青いと思ってる。この人も青いと思ってる。」


ホント、人間同士わかり合う事なんて、これぐらいで良いのにねぇ。

あなたのような人がいるなら、世界に少し期待するし、世界を少し好きになれるよ。

次回作も楽しみです。