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下北SHELTER(裏)発見

2024.06.05

People In The Box 春の航海(裏)ファイナル

下北沢SHELTER


地下へ続く階段を、「SHELTER」のネオンが照らしている。

秘密基地のようなライブハウスは思ったより小さくて、まさに「箱」へ入っていくようだった。


[セットリスト]

1.アメリカ

2.無限会社

3.数秒前の果物

4.月曜日/無菌室

5.さまよう

6.水晶体に漂う世界

7.泥の中の生活

8.海抜0m

9.報いの一日

10.潜水

11.木漏れ日、果物、機関車

12.木曜日/寝室

13.マルタ

14.カセットテープ

15.DPPLGNGR

16.鍵盤のない、

17.ユリイカ

People In The Box @ 下北沢SHELTER (東京都) (2024.06.05) | ライブ・セットリスト情報サービス【 LiveFans (ライブファンズ) 】


[下北沢シェルターとは]

東京都世田谷区にあるライブハウス。キャパは250人。バンドの力がなければ出演できないとされ、敷居が高いとされている。Hi-STANDARDやASIAN KUNG-FU GENERATIONなど、数多くの有名ロックバンドもアマチュア時代に出演している。

下北沢シェルター【アソビュー!】

250人の選ばれし者たちがここに集まっているわけだな。

ステージとの距離の近さに磔磔(京都)を思い出し、そちらもキャパを調べてみる。

350人。

磔磔より小さいのか。

SHELTERの観客席は高低が無いから、後方だと演者は見えなかった。

人の隙間を縫ってドラムがかろうじて見える。

そんな事を考えていたら、And I'mSingingが流れ定刻通りにライブが始まった。


1.アメリカ

いや予想外。

ちょうど聴きたかったので助かる。

ハコが狭いからか、<哲学は銃殺刑だ>あたりの広がる音より、<皆の衆、射撃用意だ>からの鋭い音の方が、音を叩きつけられる感じがして良い。

ステージは見えないけれど、多分ベースの正面に立っていたんだと思う。

前奏のベース音に心臓を揺らされる感覚がして、「あ、まただ」と思った。

距離の違いなのかもしれないが、この感覚が一番ハッキリと得られるのはPeople In The Boxのベースだけなのが本当に不思議だ。


2.無限会社

聴きたかったので助かる。

いつも通りカッコイイけど、何となく、音の狭さを感じた。

素人ながら「250人のキャパの音じゃないんだろうな」と思った。


私事で申し訳ないが、その日は新人をきつく叱ってしまった日だった。

昔は叱られて凹む側だったのに、いつの間にかそちら側に来てしまった。

自分のスタンスが正しいのか?間違っているのか?悩みながらやって来た下北で、<ようこそ間違いの国へ>と叩きつけられるコーラスが身に染みた。

間違ってる、間違ってる。人を傷付けるのは間違っている。

だけど間違った事を言わないのだって間違ってる。

ごめんなさい、ごめんなさい。

そんな事を考えていたらあんまり集中出来なかった。

優しくしていたらちゃんと聴けていたのかなぁ。


3.数秒前の果物

全曲感想の方でイラストの制作に入った所なので、個人的にタイムリーで嬉しかった。

感想とか書き留めたい事はあったけど、全曲感想の為に取っておきます。


4.月曜日/無菌室

歓声が上がった。

恵比寿の時も歓声が上がってたなぁと2か月前を思い出す。


5.さまよう

感想を書いたばかり(と言っても、4回前だから1か月前か。)なので、こちらもタイムリーに感じて嬉しかった。

相変わらず隙間からドラムしか見えないが、両手を振り上げて力強く叩く姿が格好良かった。


6.水晶体に漂う世界

聴けて良かった。

無限にライブで聴きたい一曲。

<ローリング、サウンド、カメラ、セット、アクション>のビタッと音が止まる瞬間が最高に気持ち良い。

歌ってる側もドラムとベースがビタッと止まるの気持ちいいだろうなと毎回思う。


7.泥の中の生活

6月だから『六月の空を照らす』が来るかと思ったけど、そっちか~。

いや、非常に良かったです。

『泥の中の生活』じゃなかったかもしれないが、ベースとギターを高く掲げて演奏していた瞬間があった。

天井に届いてしまいそうな高さに、ここが地下である事を再認識した。


8.海抜0m

初期の曲が続くから、まるで活動初期のライブに来ているかのような錯覚をした。

<もう一度そこに行きたい、だけ>

<居させてきみの街に>


叱られていたあの頃にはもう戻れないんだなとまた嫌な事を思い出してしまった。

もう一度そこに行かせてくれたら、どんな言葉が嫌だったか思い出せるのに。


9.報いの一日

波「ごめっ・・・ごめぇぇーん!」

客席「!?」

入りを間違えたっぽくて仕切り直しになった(笑)


再スタートして思ったが、こ~れは演奏難しいぞ。

あまりライブで演奏する印象が無いが、難しいからかな・・・?

「パッポー」みたいな音、別の楽器で出してると思ってたけどギターなんだ!

ずっと「凄いな・・・」って聴いてました。


レアすぎて曲名が思い出せず、終演後メモに「KodomoRengouの1曲目」とだけ書いてありました。

雑ゥ!!


10.潜水

健太さんの高音コーラスがめっちゃ綺麗に聴こえた。

高すぎてダイゴマンかと思ったらダイゴマンはただただ、ドラムを叩いていた。

他の会場では照明が青い事が多い印象だが、今回は白と薄いオレンジで、明るかったのが印象に残っている。


11.木漏れ日、果物、機関車

聴けて嬉しかった。

ただ、最後の方のベースとか、手元を見たい曲だったので見られなくて悔しかった。

これも『馬』の記事と関連して書き留めたい事が沢山あるのだが、全曲感想のために取っておく。


12.木曜日/寝室

『水曜日』が来るかと思ったけど、そっちか~。

レアかな?と思ったけど、そうでもない気がする。

セルフライナーノーツの「重要ポイント」という評を噛み締め、まったりとした狂気を味わう。


13.マルタ

こいつぁやべぇや。

恵比寿(1日目)は1曲ごとに歓声が上がったが、今回はそこまでではなかった。

だが『マルタ』は確実に会場の熱が上がった。


<「また間違ったんだ」って言ったあとにやったんだ>

<罪は果たされた>

またダウナースイッチが入ってしまった。

間違ったって言いながらやれば贖罪になると思うなよ。


14.カセットテープ

やってくれてありがとう。

<優しいポルターガイスト 放っといても問題ないよ>

<贖うツァイガイスト 驚いて笑い飛ばして>

最後のコーラスは永遠に聴いていたい。

この辺から、努力してステージを見るようにした。

結構、みんな最初の位置とズレてるから意外と見えるようになってるもんだ。

福井氏の頭がリズムに乗りながら揺れているのが見えた。

うん、やっぱり楽しそうに演奏している人達を見るのが好きだ。

そこも含めてライブだ。


15.DPPLGNGR

アルバムラスト曲を、1曲目に繋げるっていうね。

そういう事するバンドですよ。

勢いの全く衰えない演奏にまだ中盤かと勘違いしそうだったが、後から思えばこの後2曲で終わってしまうのだった。


16.鍵盤のない、

正直これで終わりかと思っていた。

ポエトリーリーディングは心地よく、モヤモヤを抱えたままライブに来てしまったけど「来て良かったな」と思えた。


17.ユリイカ

そんな事ある?

客席が沸いたのも勿論だが、終わりだと思っていたテンションを吹き飛ばして「うわぁ終わらないで」の気持ちが一気に火を噴いた。

今回1回でもいいから、波多野さんの歌う姿を見たくて体を動かし続けた。

<男達は耳をそばだててる>

このワンフレーズしか見られなかったが、手元でもなく、客席でもなく、どこか遠くを真っ直ぐに見つめて歌っていたのが印象的だった。

そしてそれが解釈一致というか、客席(観客)を見る=人の為に歌う というスタイルではなく、音楽の為の演奏 といったスタイルを改めて感じて、良かった。上手く言えないのだが。

こちら(観客)は勝手に集まって勝手に意味を見出して勝手に踊るから、何というか、気にしないで欲しいよな。

<きみの持ち時間はあと8小節>

ワン、ツー、スリーから始まるワルツのような後奏に合わせて、観客が揺れている風景が美しかった。

いやぁ、まさか、裏と銘打ったツアーファイナルでユリイカとはね・・・。


[MC](順番は前後します)

下北駅

ダ「久しぶりに電車で来たんだけど、(観客:エッ・・・?)ここ来るまで迷わなかった?前はマックある方を右に行って~右曲がって~で来れたのに。」

波「僕も、エスカレーター上がった所でもう終わった。」

ダ「再開発してる所は変わってるけど、奥の方は変わってないのかな?」

観客「(うんうん)」

下北詳しニキありがとう。

3年前の404(波多野ソロ)以来だったけど、凄く綺麗になっててビックリしました。

エスカレーター上がって終わったもめちゃ分かる。

あんなんだったっけ?笑


感謝地獄

ダ「みんな仕事だった?休み取った人もいる?」

波「急な招集にも関わらずホント、感謝感謝・・・感謝地獄でしかない。

ここ初めて聞く日本語すぎて若干聞き取れなかった笑

感謝状・・・?感謝地獄・・・?って思ってたらTwitterで判明しました。気に入ったんかい。


グッズMC

ダ「今回Tシャツを作っております。僕はうしろに「裏」ってでっかく書いてあるのが良いと思ったんですが・・・」

波「見たよ。メールのツリーで。」

ダ「正直、「僕はこっちの方がいいんじゃないかな~?」っていうグッズもありますよ・・・?でも、その結果がアレなのもあるからなぁ・・・」

波「でも、あっち(ダ案Tシャツ)も良かったよ。」

ダ「・・・。優し~んですよ!」

まじで言い方優しかった笑

ダ案も見たかったです。


ライブ

ダ「明日から夏の航海ツアーやります!・・・いや、無いよ!笑」

波「僕たちは意義の無いライブというのをやりたくなくてそんなにたくさんライブをする方ではありませんが、今回は良い意味で力の抜けた演奏が出来た。」

もっと詳細に覚えていたら良かったのですが。

"意義の無いライブをしたくない"というのが、露出の少ない彼らのスタンスを理解する一歩になった気がして、貴重なコメントだったと思います。


裏ファイナル

ダ「ツアーが無事に終わって、大阪で裏ファイナルを匂わせて東京でやるっていう。」

ダ「次のツアーがもしあれば、裏ファイナルは大阪でやろうか?」

波「大阪の裏ファイナル匂わせを、東京で告知するっていうね笑」

観客のお兄さん「裏ファイナルツアー!

ダ「裏ファイナルツアー!?裏の裏とかいって・・・終わんねぇぞコレ!?www」

それはおもろすぎる。行くの大変すぎるけど。


最初の挨拶

波「こんな突然の招集にも関わらずありがとうございます。」

波「皆さん、特別足腰が強い方じゃないと思うので・・・。無理しないでください。」

波「久しぶりの曲とか、一切やりません。いつも通りやります。」

この一言が沁みましたね。

運よくチケット当たったけど、落選してたらめちゃくちゃ落ち込んだもん。

"いつも通り"だから、レポを書く必要は無いかなと思ったけれど、『ユリイカ』でやられてしまった。

『ユリイカ』で書きたい事がぶわっと出て来たら、個人的な事でさえも、≪このライブを聴いた時自分が何を考えていたか。どう感じたか。≫を記録したくなってしまった。

このブログを始めた当初、何を目指して続ければいいのか決まっていなかった。

やけくその"理由"として、「他人の日記を読むのはみんな好きなはず!」と覚悟を決め、対面で話したら気恥ずかしい事でも、書いてみた。

だから「上手く書けないなぁ」と思った日でも、「いいやどうせこれは日記だから」とある程度、力を抜けた。

だから続けられた。

それは"発見"だった。

「書かなくてもいいかぁ」と思ったライブ終盤、<ユリイカ 光を>溢れる光と音、揺れる観客を見ていたら、書きたい文章が沸き上がった。

後輩にごめんと謝りながらライブを見てたら集中出来なかった事。

歌詞と実生活がリンクして、複雑な気持ちになった事。

そんなもん全部吹っ飛ばしてくれる音楽を聴いた事。


それは"発見"だった。


オマケ。

明けて6/6の朝8時、トレンドにPeople In The Boxが入ってました。

250人しかいないのに1495postは熱量が凄くないか。

その上、この時だけはVaundyに勝ってたぞ・・・!!