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ふたり芝居 第3回公演「グレイテストレスト」

2024/11/17(土)-18(日) / 新宿村LIVE
ふたり芝居昼夜4公演を観劇しました。

前回の第2回公演「シンキングブルー」から2年。2日目の夜のみを観劇して、1日目2日目の違いや昼夜の結末を生で観たかった…と後悔してたので次こそは両日昼夜絶対観るぞ…!と意気込んでチケット買いました。
両日CDも予約済み。届いたら思い出して追加するかも。

セットは上手(かみて)に机とノートPC、配信用?の置きマイク、マグカップが置いてあって、ゲーミングチェア。
下手(しもて)はfuraniさんが生演奏するピアノ。
中央はメインキャラ用のスタンドマイク2本(後ろに待機用の椅子)、奥に段差がありサブキャラ用のマイク2本。
照明は四角いライトが5つぶら下がっており、真ん中のライトが少し大きめ。(□  □  ⬜︎  □  □みたいな感じ)
舞台上から客席を照らすライト2つ。

シンプルなセットと新垣さん平川さんの衣装が白いTシャツ、黒のパンツのもあり(ラーメンズのコントみたいだ…!!)とテンション爆上がりした。シンプルいいよね大好き。

登場人物

☆メインキャラ(複製台本抜粋)
・佐鳥冬越(さとり とうご)くん 通称トーゴ。
控えめな性格で自分のことを進んで話さない。
母親を飛行機事故で亡くし、それ以降父との関係が冷え切ってる。事故のせいで飛行機が苦手。

新垣さんは純真無垢でちょっと素朴感もあり、声の奥にどこか活発さがあるというか。
小学生の頃は休み時間にクライメイトに誘われて校庭で遊んでそう。
平川さんは純情というか透明さがあって、どこか人見知りのような拒絶感があった。浮世離れ感強かった。
小学生の頃は休み時間に友達と教室で本や図鑑を楽しんでそう。

・月山春風(つきやま はるかぜ)くん 通称ハル。
感じたことや経験を積極的に共有するタイプ。
自分の思いや、感情を率直に表現する。
人懐っこい好青年。トーゴとの友情を大切にしている。

新垣さんは明るくて実直さがあるというか思慮深さがあった。
隠し事ができなさそう。
こういうキャラ得意そうだな〜って思った。
平川さんは少しお茶目さがあってクラスの中心にいそうなムードメーカーっぽい。
隠し事があってもすぐバレそう。

☆サブキャラクター(複製台本抜粋)
・佐鳥明(さとり あきら) トーゴの父。
トーゴとの関係が冷え切っていて、妻を亡くしてから仕事に没頭している。
内心ではトーゴのことを気にかけている。

新垣さんは朴訥さ口下手な感じが強くて一家の大黒柱感あった。年齢は40後半〜50前半ぐらい?
平川さんは実直さというか家族に対しての慈愛が滲み出てた。年齢は40半ば〜後半ぐらい?

・三長基輝(みつなが もとき) 明の部下

新垣さんは黒のスーツ着て腕まくりしてそう。さわやか体育会系っぽい。
平川さんは黒ストライプのスーツ着てメガネかけてそう。さわやかインテリっぽい。

おはなし(ネタバレあり)

飛行機事故により妻を亡くし喪主(トーゴ父)として弔辞を読み上げるシーンからスタート。
もうここからお2人のお芝居が違くてすでに感動してました。生の醍醐味。
新垣さんは「仕事」として喪主をこなしてるような、妻の死を受け入れてる感あって優しく労わるように語りかけてた。
平川さんは弔辞を読む前に客席を参列者に見立てて軽くお辞儀してて細かい……!!って感動した。妻の死を受け止めきれずに、涙ぐんで嗚咽混じりに語りかけてた。

用事があり告別式に出られなかったハルがトーゴ家を訪れる。クラス全員で参加することになってたのに、用事があって参加できなくてごめんとハル。トーゴはお母さんの知り合いじゃ無いのに気を使わせてごめん、とどこか気まずい。
ハルも祖父を亡くしてたこと、あまり接点が無かったけどもっと話とけばよかったなと後悔してることを話す。お母さんは家にいないことが多かったし、ブラックボックス(機内のデータや音声を記録する箱)にもいなかったから悲しみが分からないと骨壷を見せようとするトーゴ。怖がるハル。
怖がって開けようとしてるお芝居が上半身を使ってオーバーアクション気味にしてて新鮮でした。
意を決して開けると何も入ってない。骨が残らないほど燃えたから現実味が無いとトーゴ。
親しく無いのにお葬式に来させてごめんと謝るトーゴに友達になろう!と提案するハル。楽しいことも辛いことも言い合える友達になろうと。ここが子供ながらの純真さがあってすごく好き。眩しい。

その後も2人は仲良くなっていって修学旅行前、ハルに話しかけるモブの同級生も登場するんだけど後ろ奥のマイクを使ってまったく別人で演じてて役者ってすげーってなったし、前のマイクでは口はマイク前なんだけど顔は後ろ奥に向かって話しかけてる動きで声優ってすげー…ってなった。
ハルとトーゴと合流。ハルが顔が疲れてるからどうしたんだ?と聞くと女子に告白されたけど恋愛感情が沸かないから断ったと。トーゴは恋愛って付き合うって何すればいいの?と質問する。ハルは普通にデートとか手を繋いだりとか…キス?したり?とかって答える。「キス?したり?」の言い方が新垣さんはちょっと照れてたり、平川さんは茶目っけあって可愛かった。
修学旅行の話になり、トーゴは飛行機が怖いから行かないと話す。行かないことを父親にも黙ってることについてハルは何も言えなかった。

修学旅行中のトーゴの部屋。映画を見て時間を潰してたら父が一時的に帰宅し、声をかけられる。トーゴは怒られるかと身構えるが何も言ってこなくて少ししょんぼりした表情。ここの表情が絶妙で映像にしてほしかった。
父親にどうして帰ってきたの?と聞くと忘れ物だと答え、また家を出る。「忘れ物だ」の答え方が不器用すぎて…新垣さんはトーゴの様子を二の次のようなあっさりとしてて、平川さんは少し動揺(嘘をつくような)したような間を開けて答えてたのが印象深かった。

回想シーン。トーゴがアイスを食べながら父親と2人で母親が乗る飛行機を見に行く幸せな思い出。少しずつ不穏になり飛行機墜落(ブラックボックス内の音声)に切り替わる。ブラックボックス音声がかなり臨場感あってダメな人いるだろうな…って思った。無線を通してのノイズ音声っぽく変換してて迫真すぎた。
お父さん!と叫び飛び起きたトーゴ。いつの間にか寝ちゃってたらしい。ここなんでお父さんだったんだろうと考えてたけど、幸せな思い出内の飛行機が墜落しているのを必死に伝えたくて父親に向けて叫んでたのかなって思った。けど他の方の感想読んで、潜在的に仲直りしたいからお父さんなんじゃないかって解釈してて素敵だなぁってなった。
ハルからの電話。修学旅行先の沖縄の景色を見せたくてビデオ通話するもまったく伝わらない。悔しがるハルはいつか一緒に見られたらいいなと話す。トーゴがモノローグでいつか家族3人で旅しようって約束してたっけ…と寂しげに語っててしんどい、辛い。

大学生。
彼女にフラれて落ち込んでるハル。トーゴがメロンパンを差し入れに家に訪れる。メロンパンの食べ方が新垣さんがむしゃむしゃ感あって平川さんがはむはむ感あった気がする。
汚部屋で足の踏み場もないからフラれたんじゃないの?→(ハル)図星で落ち込む→(トーゴ)可哀想に…→(ハル)でしょ!→(トーゴ)彼女さんがと軽口言い合うテンポが気持ちよかった。
居酒屋トーゴにで近況を聞くハル。バーテンダーのバイトしてると名刺代わりにマッチを渡す。マッチ文化懐かしい〜。実家でいくつか見かけた気がする。
ハルが父親との関係を聞くが相変わらず溝があると答え、諦めてるトーゴ。なんとかしてやりたいけどうまく言葉にできないハル。
トーゴがトイレへ。その間にハルは思考を巡らせる。好きな料理を覚えてたり飲み物のおかわりとかの気配り凄いのに他の友達相手だとあまり見かけない、普通の友達より度がすぎて無いか…?もしかして…俺のこと好きなのか…?と。私もそう思った。BLになるの?!ブロマンス的な?!みたいな。腐ってるのでちょっと期待してた。
トーゴが取り分けたサラダを元カノもこんな風にしてくれたっけ…と自分で傷を抉るシーンが新垣さんは早食いみたいにむしゃむしゃモグモグ食べてて、平川さんは大食いみたいにガツガツもぐもぐ食べてた。
トーゴのことをめちゃくちゃ意識してしまい食後のプリンの味が全然しないハル。勇気を出し恋愛的な意味で俺のことを好きなのかと聞くとトーゴの答えは冷たい。ハルのことは普通に好きだし大切に思ってる、彼女がいないのは異常なのか、異性を好きになれないのは同性愛者なの?と。口論になり先に帰るトーゴ。新垣さんは拒否が強くて平川さんは拒絶が強かった気がする。

口論してからしばらく連絡を取り合ってなく、仲直りしたくて貰ったマッチを頼りにトーゴのバイト先のBARへ。マスターが迎えるんだけど初老の渋さ大好き。新垣さんは深みのある低音で顎髭はえてて中折れ帽が似合いそう。平川さんは温かみある低音で口髭はえててハンチング帽が似合いそう。
トーゴが不在だったため、住所を教えてもらおうと友達の証明として2人の写真を見せるハル。写真を見せて貰ったマスターの君の前ではこんな風に笑うんだね…。のセリフが本当に嬉しそうで好き。
住所を教えてもらい、トーゴの部屋を訪れる。鍵がかかっておらず勝手に入る。生活感が無く本当に住んでいるのか、思い詰めてどこか消えてしまったのでは…と最悪な想像をするハル。ドアが開き戻ってきたトーゴ。近くのコンビニに行ってたから鍵をかけなかったと。生活感が無いのも実家が近いから必要なものしか持ってきてないのが理由と話す。
改めてこの前傷つけるようなこと言ってごめんと謝るハル。トーゴはまったく傷ついてないと言う。自分はアセクシャルで恋愛感情が持てず、恋愛として意識を向けられて気持ち悪くなって先に帰ってしまった、こっちこそごめんと謝るトーゴ。BLに発展するんじゃ…?!とか期待してごめん。私が悪かった。
お互いの『普通』が違くて驚くもトーゴを受け止めるハル。恋や愛だけが人生じゃ無い、楽しいことも辛いこともなんでも言って欲しいと。そんなハルに寄り添ってくれるのは奇跡みたいだ…!これからは1人じゃ無いとトーゴ。ハルが友達で本当に良かったね…。
後日、アセクシャルについて調べ同じ悩みを抱えてる人たちが話せるようなVtuberとかやってみないか?と提案するハル。トーゴも前向きにやってみることになり、知り合いから詳しく聞いてみることに。

///
トーゴが上手の配信スペースセットに移動し、「湖北アトリ」として配信が始まる。配信コメントは奥のマイクでボイスチェンジャーを使ってコメントが流れてるように表現してて凄かった。アトリとしてのマイクも少し加工入ってた気がする。
画面の向こう(コメント)と雑談してると突然『何をしている』『暇なのか』と不穏なコメントがつく。他の人たちからは荒らしだから構っちゃダメだと言うが、ユーザー名SDFさんと会話を進める。
後日、ハルにSDFさんについて話す。トーゴはなんとなく悪い人じゃ無い気がする、暴言書いたりしないし嫌なら別のところに行けばいいのにと話す。またスパチャがしたいと言われ、ほしい物リストを作ろうかと検討していると。
物欲があんまり無いから悩んでるトーゴ。俺は彼女が欲しい!とハル。ここのセリフ新垣さんははい!って手を挙げてて可愛かった。
父親との関係を聞くと相変わらず冷め切ってるとトーゴ。電話でギクシャクするし他人みたい、配信で話すより緊張すると。Z世代あるあるだよなとフォローするハル。
配信続けられてるのは性別関係なく『湖北アトリ』として見てくれてて居心地がいい、画面の向こうはそれぞれの人生があって普通に生きてたら出会えない人たちと人生を共感できて素敵だからと話す。

とある日の配信後、SDFさんが現れずに少し寂しさを感じるトーゴ。留守電が入る。
ハルにトーゴから電話。すごく動揺していてどうしたんだと聞くと、職場の部下である三長さんから父親が倒れて入院してると連絡がきたと。早く会いに行けと促すハルに行ったところで迷惑かも…と躊躇するトーゴ。ハルはずっと逃げてちゃダメだ二度と会えなくなったらどうすると説得する。新垣さんは目を合わせてるような説得力が強くて平川さんは怒鳴ったりして説教感が強かったかな。

病室。部下の三長とトーゴの父(アキラ)との会話。繁忙期でも仕事テキパキこなすのに倒れるなんてどうしたんですかと聞く。息子の配信を見て夜更かしをしているのが原因なんじゃないかと話すアキラ。か、家族愛…!
父親らしいことをしてこなかったから直接話せないと弱気なアキラに、正解なんて無いし死んだら終わりなんですよと進言する三長。部下として1人の人間としてアキラのことを尊敬してて株爆上がりした。
死んだら終わりなのは痛いほど知ってたのにとため息つくアキラ。

病院にて医者から説明を受けるトーゴ。「高血圧性緊急症」ストレスや不規則な生活で起こる症状だと説明される。命に別状はないがお見舞いされますか?と聞かれるが断る。
帰宅後、病状について検索し顔だけは覗いたようで父親の様子を思い出し後悔。父親が倒れた時期とSDFさんが現れなくなった時期が同じタイミングだと気づく。最初のコメント『何をしている』がまるで父親のように思えてくる。

配信を始めて、いつもと違う声のトーンで真面目な話をしますとリスナーに話し出すトーゴ。いつも来てくれてたとあるリスナーのこと、父親が入院したと同時に姿を消してしまったこと、もしかしてその人が父親なんじゃないかと話す。
今まで母親の死を受け止められず、父親のことを避けてきた、自分のやりたいことに逃げて無視していた、でも配信していく中でいろんな人たちと出会い、偏見無く接してくれる人がいた、楽しいことも辛いことも受け入れてくれた友達がいて配信を勧めてくれた、リスナーに父親がいたとトーゴ。新垣さんは感情を押し殺しつつもふと溢れ出して泣きながら話しててこっちも号泣した。平川さんは涙ぐんでたけど最後までちゃんと伝えようっていう意思が強かった気がする。アキラとして奥のマイクに立ってた時も印象深くて、父親と気づいた時は顔を上げてハッとしたり、トーゴの話を聞きながらうんうんと頷いたり、落ち込んで俯いたり表現が凄かった。
ちゃんと逃げずに父親と向き合ってくると決意を話し、配信を終える。この後に平川さん(アキラ)が慈しむようにトーゴ…って噛み締めるように呟いててまた泣いた。目元を拭う仕草してたから泣いてたのかも。新垣さんもあったっけ…。

トーゴがハルを連れて母親のお墓参り。骨すら燃えたからいる感じはしないけど来てよかったとトーゴ。そんなトーゴにそんな特別なことじゃない、死んだらみんないなくなる、いないけどどこかでいて欲しいと心のどこかで願ってるからお墓参りをするんだと話すハル。ハルくんも達観してないかい…?
ハルが心境の変化を聞くと、父親との関係や今まで避けてたことに向き合わなきゃいけない、まだ父親と何も変わってないけどちゃんと進まないといけないと決意を話すトーゴ。焦らなくてもいい少しずつ進めばいいとアドバイスするハル。
母のお墓に語りかけるトーゴ。飛行機事故のこと、父親との時間が止まってしまったこと、これから少しずつ前に進んで時間を作っていきたいことをどこか吹っ切れたように明るく話す。
そしてハルについて紹介する。親友として楽しいことも辛いことも言い合える仲だと。ここで初めて「親友」として明言されたから感動してしみじみする新垣さんに、驚いてすごく嬉しそうにする平川さんで違ってた気がする。
このシーンのピアノがものすごく好き。ボーカルが優しくて沁みた。

エピローグ。
配信再開するトーゴ。リスナーが喜んでるのを嬉しそうに眺める。奥のマイクにアキラが立っていて「久しぶり、元気だったか」とコメント(セリフ)。この言い方がすっごく暖かくて好き。
SDFさんからのコメントを見つけて元気だと返す。

エンディング。BGMが流れてる間に2人が中央で向き合い、舞台上の照明(オレンジ色)があたって2人がシルエットになって父とトーゴが向き合ってるように重なって見えてまた泣いた。

昼公演ハピエンでよかった〜〜!シンキングブルーは昼公演メリバENDだったからちょっと不安だった。
パンフ読んだら新垣さんからゆーます先生に救いが欲しいと懇願してて感謝だし、それに応えてくれたゆーます先生ありがとうございます。通常運転ならトーゴのアセクシャルを受け入れられず拒否してしまい、気まずいまま疎遠になってしまってハルは後悔して…みたいな誰も悪くないのに心にずっしりくるノーマルよりのBADENDにしてそうな気がする。

夜公演どこから分岐するんだろう…まさかアセクシャルから…?!とまだBLを諦めきれない自分に笑った。ごめんねトーゴ。

///から夜分岐。2人が奥のマイクに立つ。
アキラの職場。三長に「こほくあとり」について聞くアキラ。そこからの分岐なのかー!とワクワクした。1日目はちょっと笑いが起こってた気がする。展開知ってる人多かったっぽい。
Vtuberのことを絵って言ったり配信の通知を知らなかったり、ネット文化に詳しくない感じがリアルだった。愛おしい。
どうやって知ったのかと聞くと息子が電話で話してたのをたまたま聞いたと答えるアキラ。トーゴくん…身バレするようなリテラシーは大丈夫って話してたのに1番身近な人にバレてるやん可愛い。てか盗み聞きしてたのいじらしいよ。
三長から「湖北アトリ」について配信、活動内容を知り、スマホに通知設定してもらう。

配信内容は昼と同じなんだけど、アキラ視点が加わる。奥のマイクにアキラとして照明があたり、不器用ながら『何をしている』『暇なのか』とコメント打つ(セリフ)様子がもう面白い。笑うしかない。トーゴが戸惑いながらコメントも眺める演出は昼より慎重になってた気がする。
アトリ(トーゴ)が好きな映画は?と質問を投げかけた時、ぅえ!っと…って狼狽えるお芝居好き。

翌日、三長も配信見てたらしく、SDFがアキラだと即バレする。アキラは「湖北アトリ」は声で息子だと分かったと打ち明ける。だから就活の面接みたいに詰めてたんですか?社内チャットもあんな感じですよねっと話す三長に笑う。確かに追い詰めてた。
家族なら直接話せばいいのにと話すがなかなか難しいと複雑な心情のアキラ。
三長は家庭持っててすごい、自分は一生独身でいるつもりだし一度きりの人生は自分のために生きたいと語る。
息子も同じ考えなんだろうなと気になり、ちゃんと食べてるか心配だと話すアキラにスパチャを教える三長。仕送りみたいなものか、の考え方がちょっと面白かったし父親なんだよなぁ…。

トーゴがハルにSDFさんのことを話す内容は昼と同じ。違うところは「欲しい物リスト」の住所を実家に設定してるからちょっと笑いが起こってた。父が送った商品を父が受け取るの想像して面白い。
配信後、SDFさんが現れなくなって寂しがり、留守電に気づくまで昼と同じ。

病院。
倒れたアキラに見舞いに来る三長。仕事が手につかなくて部署代表として見舞いに来たと、アキラから病状の説明を受け、生きててよかったと安堵する。
三長は、通勤電車で人身事故が起きても死んだ人がどんな人なのかなんとも思わないただのモブだと、仕事上は上司と部下の関係性だけど死んでほしくないし幸せになってほしいと。高齢出産で同級生の親世代と違い自分の親が恥ずかしくて反抗していた、その後父親が認知症になり家を出て行方不明のまま見つかってないこと、一度も父親に感謝の言葉伝えられずもっと優しくしておけばと後悔してることを話す。三長の過去も重いな…お前も幸せになるんだよ…。
俺とは違ってまだ生きてるんだからちゃんと向き合って諦めないでくださいとお節介する三長。少し前向きになったアキラ。やり直せるチャンスか…と向き合う覚悟。

配信シーン。いつもと違うトーンで真面目な話をする内容は昼と同じなんだけど、奥のマイクにアキラとして照明があたる。昼は薄暗がりになってた。
トーゴが話す内容の反応が2人とも違くて感動して泣いた。
新垣さんは感情を堪えきれずに声を上げて泣くのを我慢してるような表情だった。中央の少し大きいライトをコメント一覧に見立てて、息子にはこんなに応援してくれる人たちがいるんだな…みたいな感慨深いというか嬉し泣きのような表情でまた号泣した。平川さん(トーゴ)も同じようにライトを見つめてて、歪だけどちゃんと父子が繋がってる感あってまた泣いた。音声にならないお芝居大好き。
平川さんはちゃんと向き合って真摯に受け止める覚悟みたいなのを感じた。声を出さずに静かに噛み締めてる表情というか。言葉に合わせて落ち込んだり顔を上げたり、肩を震わせて男泣きのような表情だった。
2人とも目元が潤んでるの見てまた泣くっていう。

病院。ハルが佐鳥の個室に入ろうとしているところを三長が声をかける。
前シーンからアキラ→ハルに役が変わるから切り替えすごかった…声震えてなかったし役者ってすごい…。
アキラが不在中に来てしまい、手持ち無沙汰なハルに伝言しようかと提案する三長。
ハルは友達として何かしたかったけどトーゴに内緒で来たからと伝言を断る。行動力の化身すぎるよ。
そんなハルに今度はトーゴくんと2人でお見舞いに来てと話す三長。お節介だったかなと独り言。本当いい人や…。

検査が終わり、アキラの個室。
三長は適当に理由をつけて借りてきたノートPCをアキラに渡す。スマホより見やすいでしょと距離感とってフォローする三長くん仕事できる…。
湖北アトリは配信再開していて、父親が聞いている前提で話しかけてたという。
笑いながら変わった親子だろうと話すアキラに、現代的でいいんじゃないですかと受け入れる三長。私含めどんどん三長の株が上がっていく。
昨日の配信はいつか家族で旅行しようと子供の頃の思い出話をしていたと、約束を果たせなくて残念がるアキラ。三長はまだ間に合うし、いつかとは言わずに行けばいい、有給申請すれば大丈夫と話す。
まずは目を合わせて話す努力をしないと、家族らしくとアキラ。

回想シーン。昨日の配信内容。
母と一緒に父のプレゼントを買いに行った帰り道、どこにも連れて行ってあげられなくてごめんねと謝られた時、それが寂しいってことなんだと知った。仕事が落ち着いたら3人で旅行しよう、お母さんが見てきた世界中の景色を案内してあげるという日をずっと楽しみにしていた。
母がくれた動画のオーロラを見てみたいとトーゴ。一緒に行こう、ゆっくり前に進もう、母の分まで愛してるよと言うアキラ。
照明暗転した後も平川さん(トーゴ)はノートPCに向かってお喋りしているような口パクや、コメントに反応してるような嬉しそうな表情を長いことお芝居してて細かい〜〜好き…ってなった。

夜公演もハピエンだった〜〜!!顔ぐしゃぐしゃでマスクべちょべちょになるぐらい泣いた。
昼ハピエンだったから夜はBADになるんじゃ…と怖くて身構えてたけどいい意味で裏切られた。
家族愛の物語に弱いってのもあるけど誰も否定しない、ゆっくり変わっていけばいい優しい世界なのも胸に突き刺さって嗚咽でそうになった。危なかった。
白黒はっきりせずにそのままの在り方でいい(グレーのままでいい)のが作品のコンセプトなのかなぁとか思った。現代っぽいというか。
朗読劇としての結末は変わるけど、物語としての結末は1つのみだと綺麗だなって解釈をした。
昼は1週目トーゴ√ハピエンだとしたら、夜は2週目トーゴ√トゥルーEND(結末同じ)みたいな。
CD予約チケットの絵柄が1種類(お墓参りするトーゴとハル)しかないし。

昼夜両方観て作品により深みが増すのすごいし、1日目2日目で演じ方の違いを感じられて贅沢すぎる4公演でした。
次公演あればまた全通したい。関わるスタッフの皆様に心から感謝です。優しくて温かい、心に残る素敵な作品をありがとうございました!!







ここから先は自分語りなので読まなくて大丈夫です。

私自身もアセクシャルで母との関係がこじれてます。

アセクシャルだと自覚したタイミングは覚えてないけど、性別関係なく他人に対して恋愛感情が沸かないなとは感じてた。
BLGL、ゲイもレズも嗜むんですけど見たり読む分には羨ましいなーって思うけど、それが自分に向けられることを想像すると気持ち悪いなってなる。蛙化現象と似てるかも。
感情としては理解できるけどどこかポッカリ穴が空いたような虚しさ。付き合うって何、セックスしないとダメなの、じゃあ友達でいいじゃん。
誰とも共感されなくてもいいけど、世間一般の普通とは違うから少し生きづらいなぁとは感じていて、
トーゴの感覚そのままで自分だけじゃ無いんだ…と嬉しくなった。私もハルみたいな友達欲しい。

母とはもう8,9年顔を合わせてない。
私の誕生日が11/22なんですけど、両親は離婚していて母は再婚して別の場所で暮らしてる。
いい夫婦の日に生まれてるのに離婚wて、場違いのような居心地の悪さ。
他にもいろいろ原因はあるけど、どういう顔して母と会えばいいんだろうとずっと考えてた。
お互いの住所を知ってるはずなのに会いに行かない、会いに来ない。
もういっそ時間が解決するんじゃないか、無理して会わなくてもいいんじゃないかってグルグルしてた。
死んだら終わりなのは頭では理解してたんだけど、作品を観てハッとさせられた。背中を押されたような感覚。
12月は母の誕生日があるから初めてプレゼント送ってみようかな…でもまだ顔を合わせるのは怖いから匿名で送りたい…。