冬の大三角形
冬は空気が澄んでいて星がきれいですね。
この時期は冬の大三角形が見えます。
冬の大三角形、天体観測が趣味の人は別として、殆どの人は聞いたことはあるけど、どこにあるかわからない、そんな感じではないでしょうか。
すごく簡単に見つけられますので、今日は冬の大三角形の見つけ方を書いてみます。
1等星が3つなので、都市部でも比較的はっきり見えます。
タイトル画像は、大晦日の夜23時30分頃に撮ったものです。
まずは見つけやすいオリオン座を見つけましょう。
今の時期だと、20時ぐらいには南東の結構高い位置に昇ってきます。
0時頃になると、真南あたりまできます。
オリオン座は独特の形をしているので、知っている人も多いかと思います。
ちなみにこの大三角形は、正三角形をさかさまにした、頂点を下にした形になります。
オリオンは巨人でイケメンの猟師だそうです。
ライナーやベルトルトを想像してみるといいかも知れません。
(わからない人は気にしなくても大丈夫です。スルーして下さい)
右手には狩りをするための棍棒を振り上げています。
何より特徴的なのは、おなかの三つ並んだベルトです。
(ベルトじゃないと思うけど、僕的には昔からベルトです)
で、右の肩にあたる部分のやや赤っぽい明るい星《ベテルギウスといいます》が、大三角形の一つです。
ちなみにこのベテルギウス、赤色超巨星と呼ばれる大きな星で、地球からは550光年ほど離れています。
太陽の20倍ぐらいの大きさと言われており、太陽の代わりに太陽系にドンと置いたら、木星のあたりまでくるぐらいの大きさと言われています。滅茶苦茶大きいですね。
そして、そろそろ寿命が尽きようとしています。
最後は超新星爆発と呼ばれる大爆発を起こすと考えられています。
それが起こると、夜空に煌煌と輝く巨大な星が突然現れるように見えます。
太陽と月を除くと、夜空で一番明るい星になるぐらい大きく輝くそうです。
そしてしばらくの間輝くと消えて無くなります。
10万年以内に爆発すると言われていますが、ひょっとするともう爆発しているかもしれません。
550光年離れているので、僕たちが観測できるのは550年前に出発した光を見る事しかできないからです。
もし550年前の今日、大爆発を起こしていたら、今晩から大きく輝きだす、そんな事も有り得ます。
更に話は飛びますが、平安時代にもこの超新星爆発があり、あの藤原定家が「明月記」という本に書き記しています。
急に夜空に輝く星が現れ、半月ほどで消えたと書かれていて、寛弘三年四月二日(1006年5月1日)に見えた事まで記録されています。
これは非常に貴重な記録で、ヨーロッパでは見えていたにも関わらず、一切の記録は残っていません。
この爆発の残骸は「かに星雲」として、今でも観測する事ができます。
ちなみに、1006年は藤原定家は生まれてもいません、生まれる1世紀以上前の話です。
実は陰陽師安倍泰俊から過去の記録を聞いて、書き留めたのです。
陰陽寮では、星の観測を行い詳細に記録を残していましたので、定家によって書き留められ、世界的にも貴重な資料となったのです。
話が大分逸れました、さてベテルギウスです。
それを見つければあとは簡単です。
そこから左に進むと明るい星があります。
こいぬ座のプロキオンといいます。
ちょっと右上にもそこそこ明るい星がありますが、その二つをつなぐとこいぬ座です。
全く見当がつかなくて、どの星かわからないという人は、片手を伸ばして手首を横にして下さい。
手首側をベテルギウスに合わせると、指のちょっと先にある明るい星です。それぐらいの距離感です。
次はおおいぬ座のシリウス。
もう2つの星はわかっているので、下に向いた正三角形を想像して見ると、
同じぐらいの距離にやたらと明るい星があるかと思います。
これがシリウスです。エジプトでは、このシリウスの動きで暦を作っていました。
実は惑星を除くと夜空で一番明るい星なのです。
シリウスの下にはこちゃこちゃした星がいくつか見えますが、
シリウスを頭として、このこちゃこちゃしたあたりが犬の身体になります。
ちなみにこのシリウス、連星といって双子星です。
地球の周りを月が回っているのとは異なり、真ん中を挟んで二つの星がぐるぐる回っている、そう、ガミラスとイスカンダルのような星なのです。(わからない人は気にしなくても大丈夫です。スルーして下さい)
というわけで、冬の大三角形の見つけ方はお分かり頂けたでしょうか。
オリオンとこいぬ座、おおいぬ座の3つ、
つまり、オリオンが猟犬二頭を連れて狩りに行くところなのです。
この写真ではさすがに写りませんでしたが、実はこの大三角形の真ん中を天の川が通っています。
オリオンが狩りに行く途中、こいぬは天の川を渡れずに、おおいぬだけを連れて行くそんな情景だそうです。
寝る前に夜空を見上げてはいかがでしょうか。