どんと祭
今日、1月14日は仙台では「どんと祭」という行事が行われます。
神社やお寺で、お正月飾りを焚く行事です。
この火にあたると一年病気をしないと言われています。
我が家も近所の氏神様へ行って、燃やしてきました。
風が強いせいか、以前は無かった金網みたいなので覆われていました。
それでも隙間から火の粉が飛んでいました。
仙台市内で一番大きな大崎八幡宮という神社は、お参りする人も多く火のスケールも大きく、熱くて近寄れないぐらいになります。
遠くから正月飾りを放り投げる感じです。
そして、完全に鎮火するまで燃やし尽くしますので、燃え尽きるまで一週間ぐらいかかるのです。
他の神社はたいてい今晩のうちに水をかけて、火を消してしまいます。
同じような行事は全国各地にありますが、どんと祭という呼び方はこのあたりだけの呼び名だと思います。
日本の風習みたいな本を見ると、左義長とかどんどん焼きとか色々な呼び名があるようで、なんでどんと祭という名前になったのか以前から不思議でした。
そしたら二日前に、なぜこの呼び名になったかという地元の新聞社の記事がネットに出ていました。
つまり100年ぐらい前の新聞記事で、九州で「どんど」と呼んでいるようだから、松焚祭も「どんど」でしょ、きっとルーツは同じだよと書いたのがきっかけのようです。
そしていつしか訛って「どんと」になったようです。
なんだ、昨日今日できた呼び名じゃん!
今日から、みうらじゅん さんと いとうせいこうさんの「見仏記」を読み始めたのですが、その中に面白い事が書いてありました。
東北に仏教が伝わった頃、仏像を作りたくても仏師は都から来てくれなかっただろう。そこで誰かが都まで行って、仏像を紙に描いて持ち帰って、それを地元の職人が見て彫ったんじゃないのかな。
大体こんな感じの内容です。
確かに、当時一流の芸術家というか職人というか、技術を身に着けた仏師がわざわざ東北まで行って、仏像を作る事はしませんよね。言われてみて、なるほどと思いました。
で、文章はさらに続きます。
紙に描いて持ち帰るとどうなるか、まずは大きい仏像を下から見上げて描くと、パースがずれる。下半身が大きくなって、頭が小さくなってしまう。
さらに正面から見た感じは伝わるが、横から見た感じはわからない。色も覚えてられない。
そうすると、横から見ると妙に薄っぺらかったり、下半身が大きく顔が小さかったり、色使いが奈良や京都の仏像と違う、そんな仏像ができるはずだ。
1500年も前の話です、想像するとそんな事がありそうな気がします。
ひょっとしたら、こっちにある古い仏像はパースが狂ったり、変な色使いだったりするかもしれません。
今まで仏像を見ても、そんな事は考えた事もありませんでしたが、これから見る時は、注意して観察しようと思いました。