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続・仏教由来の言葉
先日 仏教由来の言葉 を書きましたが、空蝉さん からもリクエストがありましたので、続編を書いてみました。
うろうろする
漢字で「有漏」と書きます。漏れるものが有るという意味で、煩悩のことを表します。
煩悩に翻弄されてあっちへ行ったりこっちへ行ったりする様子を表しています。
ガタピシ
自分と他者とを区別するという意味の「我他彼此(がたひし)」から来ています。
仏教では「我」と「他」、「彼」と「此」を区別する考えは、対立を生む元凶として、信仰や修行により克服しないといけないものだとされます。
そこから、自他の関係がうまくいかずぎくしゃくする様子や対立して騒がしいありさまを「がたひし」「ガタピシ」というようになりました。
この「うろうろ」と「ガタピシ」はただのオノマトペだと思っていたのですが、仏教から来ていたのですね。
超(ちょう)
限界を越えて絶対無限の世界を感得すること、つまり「完全な悟り」を意味します。
現代の若者はみんな悟り開きまくりですね。
玄関(げんかん)
玄妙な道に入る関門「奥深い仏道への入口」を意味します。
挨拶(あいさつ)
禅宗では相手の僧と問答をして、悟りの度合を量ることを「一挨一拶(いちあいいっさつ)」挨拶といいました。
つまりスパーリングや手合わせといった感じですね。
くしゃみ
くしゃみはサンスクリット語で長寿という意味の言葉「クサンメ」に由来します。
釈迦がくしゃみをすると弟子たちが「クサンメ、クサンメ」と呪文を唱えたと言われています。
日本では寿命が縮まると考えられていて、その魔よけのまじないとして、クサメクサメと言っていました。
狂言などで見たことがある方もいるかと思います。
未曾有(みぞう)
びっくりしたという意味のサンスクリット語を漢訳したものです。
「未だ曾て有らず(いまだかつてあらず)」と訓読され、いまだかつてないほど・素晴らしいなどの意味で用いられていました。
今ではどちらかと言うと、「未曽有の大災害」のように悪い意味で使われる事が多いですね。
飛行(ひこう)
仏教では「ひぎょう」と読みます。六神通(代表的な6つの神通力)のうちの神足通(如意通)のことです。
修行の結果、空を自在に飛び回ったり、何かを飛ばすことを指します。
化天(けてん)
信長が大好きな敦盛の一説に出てくる言葉です。
♪人間五十年 化天のうちを比ぶれば 夢幻の如くなり
映画や時代劇に出て来る信長は、何かというとこの一節を謡って舞ってますね。
化楽天(けらくてん)または楽変化天(らくへんげてん)の事を指します。
人間世界の800年が化天の1日です、大化の改新からまだ2日しか経っていないんですね。
化天の住人たちは寿命が8,000年もあるそうです。
そこから計算すると、人間界の50年は化天の住人からみると90分です。そりゃ夢幻の如くなりですね。
ちなみにこの化天、どこにあるかというと、天界の5階層目です。天界は28階層あるとされており、その最上階は、前回書いた 有頂天 になります。
まだまだありますが、今回はここまで。