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ケーキを食べながら
2月26日の9時40分、福島県は郡山駅の新幹線ホームに降り立ちました。
時折雪がちらつく寒い日でした。
郡山に何をしに来たのかというと、これから仙台へ引き返すのです。
これでは一体何の話だかわかりませんね。
昨年12月に「風っこストーブ号の旅」という記事を書きました。
これはJR東日本の 「のってたのしい列車」予約サイト (jre-joyful.com) というところから申し込んだのですが、その時に「フルーティアふくしま」のツアーもあったので申し込んでいたのです。
フルーティアふくしまは、走るカフェがコンセプトの観光列車で、駅で切符を買って乗る事はできません。JRが旅行商品として販売している列車になります。
ウリは、福島県産のフルーツを使ったスイーツを食べながら車窓を楽しむというところで、コーヒーや紅茶は飲み放題になります。
申し込んで一か月ほどした時に、無事予約が確定しましたとメールが届いたのでした。
そしてその予定日が2月26日で、郡山発仙台行きのツアーだったため、わざわざ新幹線で郡山まで来たというわけでです。
本来なら仙台発郡山行きを予約して、郡山を観光して帰って来るのが理想ですが、仙台発は14時45分で郡山に着くのが16時45分。これでは観光どころか、着いたらすぐに帰って来ないといけません。
そんなわけで敢えて郡山まで移動してから引き返すコースにしたのです。
発車時刻は10時28分なので、まだまだ時間があります。
とりあえず寒いので在来線ホームまで移動して、待合室で待つことにしました。
10時15分頃になり、フルーティアが入線してきました。
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フルーティアは古い電車をリニューアルしたもので、老朽化のため今年一杯で廃止になるのですが、見た目はきれいです。
たったの2両編成ですが、そのうち座席があるのは1両だけ、もう1両はカフェカウンターになっているという贅沢な(勿体ない)作りです。
車内の整備が終わりいよいよ乗車です。
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座席は窓の方を向いて斜めになっています。
一人用の席もあります。
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走り出して間もなくアテンダントさんがやってきて、クッキーともものジュースをくれました。
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その後しばらくすると、お待ちかねのスイーツの登場です。
今日のメニューは「福島県産とちおとめのいちごモンブラン」と「いちごのタルト」です。
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このスイーツセットは月によって変わりますし、上り下りでも異なります。
ちなみに本日の下り郡山行きだと「福島県産とちおとめといちごクリームのタルト」と「フルーツタルト 雪月果」だそうです。そっちの方が良かったな。
飲み物はフリードリンクですが、ホットは危ないので注文を受けて持ってきてくれるスタイルです。電車は揺れますからね。
早速ホットコーヒーを頼みますが、スイーツセットを配るのにまだ時間が掛かりそうだったので、コーヒーを待たずに食べ始めました。
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くどくなくて丁度いい甘さ。電車の中で食べるケーキは格別です。
パクパク夢中で食べていて気が付きましたが、想像していた車窓を楽しみながらスイーツも楽しむ、というわけにはいかないようです。
ケーキはこぼしちゃいけないので、目を車窓に向ける余裕はありません。気が付くとどこを走っているのかもわかりません。
扱いは快速なので、駅に停まらないのです。
やがて川の土手の横を走っている事に気づき、恐らくは阿武隈川であろうと思っていると何かの看板があったのでパチリ。
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これで二本松のあたりを走っている事がわかりました。
ホットコーヒーが届いたので、間髪入れずに二つ目のケーキに手をつけました。
こちらはタルトです。
家族全員無言で食べるのに集中します。
二つ目を食べ終えて満足です。
スイーツセットの入っていた箱が邪魔でしたが、それを回収にきてくれました。
その際にお代わりのオーダーを聞かれたので、今度は紅茶を頼みました。
紅茶を飲みながらボーっとしていると福島駅に到着しました。
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福島駅からは小さい女の子とお母さんが乗り込んできて、女の子は大はしゃぎでケーキを食べていました。そりゃ嬉しいでしょう。大人でも嬉しいぐらいですから。
折角なのでカフェカウンターに行って、アイスコーヒーを貰ってきました。
カフェカウンターではちょっとしたお土産も売っていて、息子はボールペンとクリアファイルを買っていました。
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気が付くと列車は船岡の辺りを走っていました。
昨年の春先にお花見に行ったところです。樅の木は残ったの舞台になったところですね。
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そして12時23分、フルーティアは仙台に到着し、美味しい旅は終わりました。
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ぜひJR東日本には、新しい車輛で復活させてもらいたいものだと思います。
それと、昼だけではなく夜はバーにしてお酒を提供したら、結構な人が申し込むんじゃないかと思いました。
福島県産の日本酒や地ビールを出したり、地場の材料で作ったおつまみを提供したらどうかと、飲めないくせにそんな事を考えていました。
おしまい。