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Dear Evan Hansen(ディア・エヴァン・ハンセン)



Dear Evan Hansen - Playbill

詳細

公演期間

初演(ブロードウェイ)
2016年 12月 4日 〜 2022年 9月 18日 (1672公演)
MUSIC BOX THEATRE

スタッフ

作曲:ジャスティン・ポール
作詞:ベンジ・パセク
脚本:スティーヴン・レヴェンソン
演出:マイケル・グライフ

あらすじ

母と2人暮らしのエヴァン・ハンセンは、学校に友だちのいない孤独な日々を送っていた。ある日、セラピーの一環で自分宛に書いた手紙を、同級生のコナーに奪われてしまう。後日、校長に呼び出されたエヴァンは、コナーが自殺したことを知らされる。そして、エヴァンの手紙を見たコナーの両親は、2人が親友だったと勘違いしていた。エヴァンは彼らを悲しませたくない一心で、ありもしないコナーとの思い出を話して聞かせる。

受賞歴

〈2017年トニー賞〉
【ノミネート】
・ミュージカル助演男優賞:マイク・ファイスト
・ミュージカル照明デザイン賞:JAPHY WEIDEMAN
・ミュージカル演出賞:マイケル・グライフ

【受賞】
・最優秀ミュージカル賞
・ミュージカル主演男優賞:ベン・プラット
・ミュージカル助演女優賞:レイチェル・ベイ・ジョーンズ
・ミュージカル脚本賞:スティーヴン・レヴェンソン
・オリジナル楽曲賞:ジャスティン・ポール / ベンジ・パセク
・編曲賞:アレックス・ラカモイレ

解説

SNS時代がもたらした作品
多くのSNSが身近な存在となった現代において、ネット社会に依存し、そこでしか自分の存在意義を作ることのできない思春期の少年と、それを取り巻く人間関係を描いた本作品は、人生において大切なものは何かを改めて考えさせてくれる作品。

作曲家たちの体験を基にした作品
この作品は作詞・作曲家のパセク&ポールの2つの体験からインスパイアを得て作られた作品である。

1つ目はパセク自身が高校生の時に体験した、ドラック中毒による同級生の死。本作品でのコーナーのように、彼の死後、友人がおらず、誰も彼の存在をよく知らなかったため、学校内で彼のことを忘れないようにと生徒が集まって「同級生を忘れないための活動」を行った。

2つ目は2人が高校生であった時に体験した、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件。事件当時、各ソーシャルメディアが一気に普及していく中で同じ大学に進学した2人。多くの人が国家的悲劇における自身の共感を世間に公開し何を得ようとしたのか、そこまでして人と繋がる必要があるのかという問いが作品に込められている。社会における孤独感の蔓延と、世間で起こった悲劇を自身の悲劇として受け止めて公に発言する、現代人の性質の原因を知りたいという気持ちがあった。

PPL Projectとベン・プラット
2011年に脚本家のスティーヴン・レヴェンソンとパセク&ポールが出会ったことから3人の頭文字を取って「PPL Project:パセク(Pasek)・ポール(Paul)・レベンソン(Levenson)・プロジェクト(Project)」という名で、ミュージカル制作が開始される。

2011年の間に物語の骨組みが組まれ、脚本を練り上げている時期から、パセク&ポールがエヴァン役にベン・プラットを指名し、ベンは企画段階から参加。
読み合わせやワークショップを何度も重ね、2015年にワシントンで約2ヶ月限定で上演の後、2016年3月~5月にオフブロードウェイのセカンド・ステージ・シアターで公演を行った。ワシントンからメインキャストの変更はなく、同じカンパニーで作り上げてきたこの作品はオフ・ブロードウェイの時から一目置かれる存在であった。

その後、2016年12月に『Dear Evan Hansen』はマイケル・グライフの演出によりブロードウェイ・デビューを果たす。

映画化
2021年に監督はスティーブン・チョボスキー、主演はベン・プラットで映画化された。舞台に忠実な作りではなく相違点がいくつか存在する。

・「The Anonymous Ones」「A Little Closer」の追加
・「「Anybody Have A Map?」「Good for you」の2曲をカット
・舞台では実父だったコナーとゾーイの父は、映画では母が再婚した義父となり人種が融合した家族に
・友人ジャレッドを南アジアにルーツを持つゲイの少年という設定に

楽曲

※曲名を押すとYou Tubeに飛びます。

Act 1
1. Anybody Have a Map?
2. Waving Through a Window
3. For Forever
4. Sincerely, Me
5. Requiem
6. If I Could Tell Her
7. Disappear
8. You Will Be Found

Act 2
1. To Break In a Glove
2. Only Us
3. Good for You
4. Words Fail
5. So Big / So Small
6. Finale

主の戯言

ベン・プラットの素晴らしすぎる歌唱力を感じると共に、やはり楽曲の良さがピカイチだなと思わされざるを得ないので、とりあえず皆さん1回はこのトニー賞でのパフォーマンスを見てください。

どうですか…???最高ですよね…???
多くの人が想像するような派手で華やかなタイプのミュージカルではありませんが、今の時代に合わせた内容の社会派な作品になっています。

ミュージカルは歌、踊り、芝居をはじめとし様々な要素を持っているジャンルだからこそ、まとまりがなかったり、内容が空っぽだったりとすることも多い中で、「Dear Evan Hansen」は違和感を感じずに見れるとてもバランスの取れたストレートプレイに近いミュージカルだなと感じます。個人的には演出もとても好きで、シンプルながらも作品の色がしっかりと伝わってくる演出ですよね。

そして、この動画にあるように、後ろの何個ものスクリーンに流れているSNSの投稿たち。アジアで初演となった韓国ではこのスクリーン(場面は上の動画とは異なると思われる。多分 You Will Be Foundの時?)に流れる動画を実際のファンから集め、それを流すという演出をしていました。すごく面白い試みだなと、実際に見てみたかったな、、、と感じます。

韓国公演

映画化をするにあたり、ベン・プラットが高校生に見えないとの苦情があったそうですが、まあ…そりゃそうよねって感じですよね。それでも彼が歌うことの方が私は重要だと思うので映画を見るときは、高校生に見えるようにうまく自分の頭を洗脳させながら見てください。なんとかなります。

出典


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