ミュージカルが日本に馴染み切らないのは仕方がないこと?
みなさんは、ミュージカルが好きですか?
好き嫌いが割とはっきり分かれやすいミュージカルですが、「あんまり...ね....」と言う人の理由は大抵決まって『急に歌い出すのが理解できない』ですよね。
とは言いつつも、ディズニー映画は気にせず観たりしている人もいるわけで、一概に『歌い出すことが苦手』だけが理由だとは思えないというのが、私の意見です。
私自身は、とてもミュージカルが好きです。特にブロードウェイミュージカルが好きです。(もちろん、日本のミュージカルもみます。)
このコロナ禍によって、ブロードウェイは閉鎖中だし、日本では上演が行われていますが、行きたくても行けなかったり、劇場に足を運びやすい状況ではなくなってしまいましたよね。
大学で演劇を学んできた身としては、とても心が痛みます。
そこで!
私に出来ることが少しでもないものかと頭を悩ませた末に、今まで勉強した知識、経験等を少しでも共有し、『ミュージカル』というジャンルの理解を深めてもらえたらと思い、記事を投稿してみます。
あくまで、私からみた視点のお話ですので、「そう言う考えかたもあるのか〜。でも違うんじゃない?」の気持ちで見て下さい。
...あ、もちろん、何にも考えず読み流すのも良いですよね!
さて、逸れた話を少し戻します。(自ら逸らしたんですが...笑)
そもそも、ミュージカルというとどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
劇団四季?東宝?宝塚?ディズニー?2.5?ブロードウェイ?ウエストエンド?韓国?
色々あると思いますが、まずは、日本のミュージカルのお話。
この分野の話に関してとにかく言えることは「それぞれがそれぞれに色んなことやりすぎじゃね?」です。(決してネガティブな意味はこめてません
それぞれの理念や、仕組みに合わせたくさんの戦略が組まれる中、各々の解釈に沿って作品が作られています。
これらのどこに議論点があるかというと『各々の解釈』です。
それでは突然ですが問題です。
日本におけるミュージカルの定義とはなんでしょうか。
自分なりの答えがでましたか??
正解は 定義はない です。
定義などと言うと硬く聞こえますね。
もっと柔らかく言うと、日本のミュージカルは自由なんです。
具体的にどういうことかと言うと、アメリカのミュージカル黎明期当初、このような定義がありました。
【ミュージカルは統合された作品であること】
(統合されたとはどういうことかは歴史含め、長くなるのでまた別で書きます)
現在において、この定義が生きているかどうかはまた別の話になってしまいますが、少なくとも、未だにこのようなマインドがアメリカ人の中に潜在的に身に染み渡っていることは確かです。
それに対して日本では作り手も、受け取り手にも、明確な定義が存在していません。
なんとなくの暗黙の了解といえば、
『ミュージカルとは歌って踊る作品』
といったところでしょうか。
この、統合されたの意識があるかないかはとても重要な点だと感じます。
ここで、一番最初の話に戻りますが、
『急に歌い出す』から嫌だという感覚は、全くもって当然の反応です。
定義がない=作り手にも受け手にも共通の理解がないことで、各々の解釈で誰でも何でもミュージカルと呼び始めてしまったのです。結果、日本のミュージカルは多種多様な音楽劇の形態を指す包括的な言葉になりました。
ミュージカルが急に歌い出す作品だと感じるのではなく、
実際に、『急に歌い出す作品を作っている』と言うのが、正しいのではないかと思います。
もちろん、そうじゃない作品も多く存在していますが...
ミュージカルに違和感を抱くことに関しては、他にも原因となる問題点が存在していて、日本人に古くから染み付いている文化的な感覚や言葉の違いなんかも大きな壁となっている一つです。(これまた長くなるので、別の記事で...)
ですが、これらは全く悪いことではなく、むしろポジティブに捉えられることであると私は声を大にして言いたい!!!笑
ミュージカルが誕生したのはアメリカですが、
今現在、ミュージカルは様々な国でその国にあった発展をしています。
日本では2.5次元ミュージカルが誕生しましたよね?
(これがまたまた難しい問題で、2.5次元ミュージカルはミュージカルではないのでは?という疑問も出てくるのですが、今回はとりあえずミュージカルであるということを前提にします)
ですが、2.5次元ミュージカルを除くと日本オリジナルミュージカルは他国と比べ、作品数も少なく、質もまだ高くないのが事実です。輸入作品の方が多いですし...
先にも少し述べましたが、定義がないから自由なんです。
そして、改善できる点がたくさんあるのです。
日本のミュージカルはまだ完成していません。
まだまだ新しいことに挑戦できます!!
ミュージカルが苦手だと感じた人に伝えたいことは、
その感覚はとても正しいし、ミュージカルはこれから先もっと観やすくなるはずだよ〜ってことです。
みんながみんなミュージカルを好きになることは絶対的にありえないことですが、日本だけでなく世界の作品に目を向けたり、見かたを変化させたりしたら、ミュージカルを受け入れられるかもしれない人の可能性を私が発信する情報や知識などから、最大限に引き出せれば嬉しいなと思っています。
ここまで、読んでいただき、ありがとうございました。
ミュージカル含め、芸術作品が皆さんの人生を豊かにすることを体感していただけますよう、想いを込めて...
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