便利な言葉は諸刃の剣
昨今の言葉の簡略化は著しい。
ポジティブもネガティブも可能にする「ヤバい」はその典型と言えます。
英語でいうところのスラングとも言えるのでしょうか。
ただ、ここで一つ大きな違いをはっきりさせたいのが、
スラングは決まればクール、な言い回しとしての認知もありますが日本語はその限りではないということ。
英語の響きや表現、母国語じゃなく新鮮に目移りするもんだからカッコいいな〜なんて思うのは当然。若者言葉、と言う視点においては、スラングも「ヤバい」も似たようなものかもしれません。
しかしながら誤訳と言う意味で掘り下げるのであれば、スラングは微妙なニュアンスを単語そのもので使い分けているわけです。
そう思うと「ヤバい」ってヤバくない?(笑)
はっきり言って答えはないんですが、
日本人であり言葉を扱う仕事を生業にしているがゆえに、日々考えてしまうのです。
現代の若者の言葉の軽さを考察
「ヤバい」、「ガチ」、「ワンチャン」etc...
挙げればキリがないですが、街でよく耳にするのはこのあたり。
言いたいことはわかる。でもこの大半がネット難民(?)から生まれた単語だったりするんですよね。
「〇〇たん」とか「草」とか「kwsk」とか「wktk」とかとか。
ネット厨の逆襲とも言うべき言葉荒らし。
しかし、彼らにはそれぞれ意図があってできたことであり、ルーツがあったりなんだり。よくわからんで使っているのがリア充と呼ばれる方達なのでしょう。
本気のネット厨からすれば、「草」なんて時代遅れでしょうし。
日の目を浴びるのが”EXIT”のような遅咲き芸人なんですからしょうがないっちゃしょうがないですが(笑)。とは言えこれに目をつけたEXITはすごいですな。
ただ、外側の人間からするとこの言葉を聞くたびに
「日本大丈夫?」
なんて思ってしまうわけです(笑)。
昔は言葉遣いでものすごく親や先生に叱られて殴られて、なんてのが当たり前でしたから、これからの日本を背負う若者たちがこのまま行くと思うと先行きが不安。
経済や知能、スポーツの話をしているわけではありません。賢い人も経済力のある人も昔では考えられない化け物級のスポーツマンがいることも承知しています。
ただ、日本人・日本語としてどうなの?って話です。
ここで面白いのが、日本が先頭を走るアニメ・漫画文化において、こう言った若者言葉に関して意外にも皮肉をいう作品が多いこと。メジャーともなるアニメ作品には極力当たり前のように使わないことが多い。コンプライアンスなのかもしれませんが。。。だから外人の日本語のほうが綺麗に聞こえたりするのでしょう。
そもそもヤバいって・・・
発端は分かりませんが、僕のイメージでは某男性ダンス&ボーカルユニットによるものが多いかと。レモンサワーばっかり飲む人たち。
彼ら自身とはたくさんお仕事でお付き合いしましたが、本当に礼儀正しく良い人ばかり。こんな端の方にいる自分にまで気を遣ってくれるくらいですから、トップの教育の賜物だと感服するばかりです。
ただ、テレビ用って言うんですかね? キャラ設定により変な文化が生まれたとも言えます。
ヤバいでなんでも通じる世の中になると誰が想像できたでしょうか。
それこそ「ヤバい」です。
複雑ゆえに面白い日本語
平仮名・カタカナ・漢字と、覚えるものも多々あり、微妙なニュアンスの違いがことばそれぞれにあって、文法も独特だから難しい言語なんて言われている日本語。しかしながら、日本では「英語ができて当たり前」な世の中。
いや、まず母国語でしょ! と突っ込まずにはいられない。
絶妙かつ独特な言い回しは時として人を楽しませ、悩ませ、考えさせるもの。それが日本語。
それが失われ「逆に」、「敢えて」、と言えばなんでもいいみたいな風潮に恐怖すら感じます。
英語やる前にやるべきことがあるんじゃねーかなって思うわけです。
むずかしい言語とされる日本語をマスターできたなら、英語なんて簡単でしょ。って感覚でいられるようになるのかもしれませんし。
ここ数十年に誰もが知っていて認めるような文化的偉人がいないのも
政治の最高峰が1年単位で入れ替わっていような事態も
歴史的価値があるものが今に生まれていないのも
テレビドラマや番組にリメイクが多いのも
ここに繋がっているんじゃないのかな〜ってなんとなく思ってしまう。
外堀を固める前に、しっかりと土壌を築いて、本殿を組み立てる方が重要であること、それは万物に共通しているし、日本史ではそういう地道なことをしていた人が偉人として後世に語り継がれているんじゃないかな。
渋谷の街をフラフラしていた時に感じたことでした。
ま、具体的な解決策が思いついていない時点で、僕も同じ穴の狢なんですけど(笑)。
駄文失礼しました。
ではまた次の機会に。