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オルタナティブデータとは その活用方法を解説

従来、ヘッジファンドや投資銀行といった機関投資家は、投資判断のために財務情報や経済統計などのデータを用いてきた。BloombergやQUICKを利用し開示情報にリアルタイムでアクセスしてきた。これらのデータは伝統的データと呼ばれるが、個人投資家も開示情報であれば無料かつ即時アクセスが可能となったため、開示情報にアクセスできること自体の投資判断における優位性はほとんどなくなっている。
投資情報収集のデジタル化が進展することにより近年台頭してきたのがオルタナティブデータだ。オルタナティブデータは、POSデータ、クレジットカードデータ、位置情報、衛星画像などの、これまで活用されてこなかった代替的なデータ全般を指す。
例えば、大手飲食チェーンの投資判断を行う場合を考えてみる。もし投資家が伝統的データを用いて投資判断を行う場合、企業が開示する財務諸表や飲食業界に関連する経済統計、その企業へのインタビューなどの情報を集めるだろうが、そのデータは四半期や1年に1度しか更新されない。一方で、POSレジのデータなどのオルタナティブデータを用いた場合、 日別や品目別の売上、席の回転数、顧客単価などの数値まで毎日把握する事ができる。その結果、企業が財務諸表などの情報開示を行う前に投資判断を行うことができ、財務諸表を用いるよりもはるかに正確に今後の業績の予測を行うことができるのだ。
このように、オルタナティブデータは伝統的データと比較して、データの粒度が細かく即時性に優れている。そのため、精度が高く迅速な投資判断につながることが期待されている。

オルタナティブデータの活用方法

3991 ウォンテッドリーについて、オルタナティブデータを活用した分析プロセスを紹介する。同社はオンラインでダイレクトリクルーティングができる人材SNSを運営している。月額課金で求人広告を掲載できるプランを提供して得るストック収入と、スカウト等ができるオプションによるフロー収入が主な収益源であり、ストック比率は8割程度。有料プラン契約企業数と1企業あたりの契約単価の積で同社の売 上高は推定できるが、契約単価については下記料金プランに基づき推定が可能である。

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また、有料プラン契約企業数についてはPERAGARUで提供している下記オルタナティブデータを活用すれば推定が可能である。

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有料プラン契約企業数と契約単価の推定ができた後は、財務モデルの作成によりトップラインの予測ができる。下記画像内の青色部分が実績値の手入力、緑色部分が独自の予測値の手入力、黒色部分が計算によって導出される値である。有料プラン契約企業数はPERAGARUの計測値であるが、当該データと同社のフロー・ストック収益の比は52,000円前後で推移していることが読み取れる。これは、料金プランの変更などがなければ顧客の支払う金額が一部のオプションを除いて変わらないことに起因していると考えられる。従って、料金プランの変更がない四半期については有料プラン契約数に一定の金額をかけることでフロー・ストック収益を算出できる。

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以上がオルタナティブデータを活用した売上高の導出方法の解説であったが、同様の方法で費用の計算も可能である。オルタナティブデータを活用して導出された売上高、利益などをアナリストコンセンサスなどと比較することで売買の量やタイミングなどを判断することができるだろう。

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