プロレスには見方がある!プロレスを劇的に楽しむ方法
昨年「怖い絵展」というイベントがあった。怖い絵ばかりを集めて展示したこのイベントは大盛況に終わった。この展示会は他と何が違うのかというと、鑑賞する絵に対し予備知識を要求するところだ。何故、この絵が怖いのか?時代背景や描かれている物語や象徴。そう言ったものを理解してみると絵に込められた意図が鑑賞の楽しみを増やしていく。
プロレスも同じ仕組みを持っている。そして一番肝心なのは、プロレスは連続したドラマであることだ。
プロレスを楽しむには知識が必要だ!と言ってしまうと、楽しむのメンドクサっとなる人もいよう。しかし、ご安心を。今のプロレスは知識が無くても試合が面白いのだ。
予備知識なんてなくたってエンターテインメントとして十分に楽しい。体がブツカリ合い、飛んで跳ねて、締め上げ、殴る。戦いの表現がすごく豊かだ。今のプロレスブームは初見でも楽しいと思わせる表現力にあるとも言える。観ていて楽しい試合がファンへの入り口を大きくし、女子をプロレスに呼び込んだ。会場には女性も多く、みんな楽しそうだ。まずは試合を見て欲しい。過去の試合の一部は新日本プロレスのオフィシャルYouTubeなどで無料で見ることができる。ちなみにITOは「新日本プロレスワールド」の会員なので主な試合は動画配信で観れる。主要大会は生放送!月額999円。AmazonのfireTVstick経由で観てるからテレビで鑑賞できる。
試合は単独でも面白い。が、プロレスは連続するドラマです。なぜあのレスラーと、このレスラーが戦うのか?大きな試合程、ストーリーがきちんと組み上げられ、前哨戦で小競り合いを繰り返し、大舞台での勝負へと続く。ストーリーがわかると、次の試合が待ち遠しい。始まる前に勝つか負けるかを予想して、その後に誕生する新たなストーリーに思いをめぐらす。
ドラマを楽しむにはキャスト=レスラーが大事。レスラー達が、数多の努力と失敗を繰り返し、取り組んで来たレスラー人生=キャラクターがある。このキャラクターがわかって来ると、ドラマの深みが出てきます。
今人気絶頂のレスラーも、昔は不評のブーイングを浴びるばかりのレスラーだったり、
足にヒラヒラの付いた紫タイツでアイドル的なレスラーが、今では坊主頭で首輪を付けられて得意技が噛み付きだったり、
格闘技路線のシリアスでストイックな試合をしていたレスラーが、今ではクネクネしながら入場しロックスターと呼ばれる世界的なスターレスラーになっていたり…「イヤァオ!」
レスラーのキャラクターが戦いのスト—リーをけん引します。
そして試合。相手をどうやって最後は仕留めるのか?それは、もちろん必殺技です!選手にはそれぞれ必殺技があります。やりやすいものから、めったに見れないものがあり、必殺技の威力も様々です。試合はこの必殺技がいつ出るか?ある意味、試合を観に行くというのは、必殺技を観に行くとも言えます。試合もそろそろ終盤に差し掛かり、必殺技のムーブ(必殺技に入る時の決まった動き)が出ると、会場がざわめく。アレが来る!!そんな期待感で出るのか、出ないのか、決まるのか、決まらないのか!あぁ!!と叫んでしまいます。全部とは言いませんが、トップレスラーの必殺技くらいは知っておくと試合がさらに楽しくなります。
さあ、試合も終わりました。今日は大きな大会でストーリーも一部完了しました。あー楽しかった~、で帰ってはいけません。プロレス最大の楽しみは、次の展開を想像すること!です。本日の勝者は次に誰とヤルのか?対戦相手だけでなく対戦理由、すなわちストーリーを想像します。あの人は?いや、3カ月前にやってるから違うな、この人?あー今日負けたレスラーと同門だから、リベンジ戦はあり得る!みたいな妄想。これは誰かに話たくなります!自分の展開が当たるのか、どうか?ますます次の試合が楽しみになるんです。
どうですか?プロレス気になってきた?
ちなみに明日3/21の新日本プロレスは、ニュージャパンカップの決勝戦です。
ケガから復帰してここまで勝ち上がった過去の偉大なチャンピン棚橋弘至
VS
ダークホースと言われつつ優勝候補を次々と締め倒したザックセーバーJr
このニュージャパンカップは優勝するとチャンピンとベルトを掛けたタイトルマッチができる。
棚橋は優勝して、自身の持つ防衛記録11回に並ぼうとする絶対王座オカダカズチカを止めることが出来るのか?
ヒョロっとしたザックは今大会でトップレスラー3人を倒し、ニューヒーローとなった。ザックの締め技は変幻自在、どんな体制でも締め上げる。棚橋をも撃破してオカダにたどり着くか?
ヒザに故障を抱える棚橋にはザックの締め技は厳しい。ファイトスタイルからするとザック優勢ではある。現在の新日本プロレス人気を作った偉大なACE棚橋は、ここ数年ヒザの故障で低迷していた。この機会を逃さずに、また輝けるACEになれるのか?棚橋VSオカダ、見たいようで、見るのが怖い。でもザックに負ける棚橋は見たくない。でも、ザックVSオカダは見たい!この不思議な感覚が今ITOにある。
明日だ。明日には決着が付く。棚橋か、ザックか。勝った者はオカダへの挑戦権がある…
どうだろ、プロレスの楽しみ方が想像できただろうか?プロレスは楽しいです。
だってプロレスにはロマンと夢と人生があるんだから。