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8月
私が私でなくなった
“壊れた”

初めて壊れた
心が折れる音がした

何か大きな特別な出来事があった訳でもない
どれもこれも耐えられるくらいのものだった
なのに
小さな小さな負担が少しずつ心にのしかかってて
全然それに気づかなくて
気づかなくて、というより多分無視してて
でも、今まで平気だったし大丈夫だって
思ってたけど
とどめを刺すように理不尽なことが起きて
私は壊れた

最後のとどめは笑い話になるような出来事
なのに
ダメだった
初めて心が折れる音を聞いた

そこからはもう自分では止められなかった
電車の中で溢れる涙
訳もなく毎日毎日流れ続ける涙
楽しいという感情を忘れた
耳が聞こえにくくなった
食欲がなくなった
お腹の調子も悪くなった
ぼーっとしてよく分からない行動をした
自暴自棄になった
誰か私を殺してくれればいいのにって思った

本当に全部が全部分からなかった
何がしたいのか、何をして欲しいのか
何をしているのか、
何もかも分からなかった
制御不能だった

私は頑張れなくなった

私から「頑張る」を取ると何も残らない
幼い頃から親から
「あなたは才能はないけど、努力はできる」
って言われ続けられて。
そう、私はかなり不器用だけど努力はできる
この言葉をずっと信じてて
才能は仕方ないけど、
努力は私がただ頑張ればいいだけ。
頑張って追いつけるならいくらでも頑張る
いつからか口癖のように
すぐ「頑張る!」「私が頑張ればいいだけ」って
言うようになって
頑張ったら達成感を得られる
認めてもらえる
すごいねって言ってもらえる   ことを知った。
ちょっと辛くても、とりあえず頑張ってみる
ずっとこう自分を律してた
それでなんだかんだ上手く回ってた

なのに、なのに。
私はこの度頑張れなくなった。
初めて“もうほんの少しも頑張れない”って思った

何をしてもダメ。動いてもダメ。喋ってもダメ。
頑張ろうと無理やり思うと涙が出てくる
ただ頑張ればいいんだからって
言い聞かせても、目標もないし
何をどう頑張るのかも
さっぱり分からなくなった。
今まで最悪これをやればいいって
プランがあったけど、それさえもない
絶望

私から「頑張る」を取ったら
あまりにも情けない弱い私が残った
唯一残ったものがこれ

本当に自分が嫌いだ
常に自分を否定して否定して
それに抗うために頑張ってたのに

この事実に耐えられなくて
自己嫌悪に陥った
もう、私なんていらない存在なんだと思った

でも、幸い
この状況を察してくれる親友がいた
決して「頑張れ」なんて言わなかった
その代わり「大丈夫だ」って言ってくれた

こんなに弱いのに見捨てないで
大丈夫って言ってくれるのは不思議だった
「あなたは強い」って何回も言ってくれて
そんな訳ないのに
この言葉が妙に染みて

少しだけ気持ちに光がさした
ずっとブラックホールの中にいる気分だったのに
この時からほとんど涙が出なくなった

その時は、嬉しいというより
こんな私なのにまた生かされてしまった
という想い

だけど、日を重ねるにつれて
徐々に本来の私が戻ってきて
まだ以前のように
「よっしゃ頑張るぞ!」
っていう気持ちには到底なれないけど、
“少しは頑張ってみようかな”
っていう気持ちにはなってきた

何をどう頑張るのかは分からないけど
まずは今まで通りの生活を送ること

泣いたり、私を殺せと言ったりしないで
穏やかな日々を過ごしたい

自分を大切にしないとダメって
言われるけど、私にはそれができない
自分を大切にできない人はダメらしい
だけど
自分を大切にするより
自分を責め続けて、頑張れって言い続けないと
まともに生きれない人もいる

いつからこうなったんだかは知らない
生きにくいかもしれないけど
こうでもしないと
きっと私はまともな人にはなれない

まともじゃなくたっていいんだけど
そこはその他大勢と同じじゃないと
孤独の不安に押しつぶされる

一昨日は半月だった
満月でなくても存在感があって綺麗だった

私も半分くらい欠けてる
だから残ってる部分だけでも光らせとかないと。
欠けてる部分はそのうち考える。
ようやくそう思えるようになった

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