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バーチャル宇宙飛行士アカデミー『宇宙英語編』-松村光紗

宇宙の体験をつくる研究者集団の株式会社amulapo(アミュラポ)では、小学3年生から6年生の子どもたちに向けて、「バーチャル宇宙飛行士アカデミー」を提供しています。
これは、オンラインで本格的な宇宙の授業を受けることができるいわば「宇宙の学校」です。アカデミーの先生は宇宙飛行士の先生をしているキャプテン・アッキーさんです。この記事を書いている私は普段アシスタントを務めており、9月3日に行われた「宇宙を英語で学ぼう」の授業では、英語の発音や意味を生徒たちに教えさせていただきました。
今回の記事はこの授業を振り返りながら、私が思う「バーチャル宇宙飛行士アカデミー」の魅力をいくつか紹介させていただきます。


セクション1:宇宙飛行士が使う英語とは

宇宙での生活や任務を遂行する際、宇宙飛行士は英語で会話をします。授業の最初では、実際に宇宙飛行士が使っている英語のフレーズを生徒たちに学んでもらいました。
ここで、私たちの授業の魅力の1つ目を紹介します。
バーチャル宇宙飛行士アカデミーでは、教えるだけで留めるのではなく、その言葉を覚えていただくため、実際に使う機会を設けています。

バーチャル宇宙飛行士アカデミー
「知ってる?宇宙の英語」の様子

例えば、宇宙飛行士が使う英語の中で、「Copy!」 (コピー!)という言葉があります。
何か指令に対して「了解!」と返事をするときに使うのですが、意味だけを教えてしまうと実際の使い方がわかりません。
そこで生徒たちに使い方を学んでもらうために、キャプテン・アッキーが出した様々な指令に対して全員で「Copy!」と答えてもらいました。
この後も、授業の至る所で生徒たちが「Copy!」という言葉を使ってくれました。私個人としては、覚えてくれたんだなと実感してすごく嬉しかったです。
他に紹介したフレーズの中には「GO!」(意味:実行してOK!)という言葉があります。ここでもまた、キャプテン・アッキーの問いかけに対して生徒たちに「GO!」と答えていただきました。
以下が会話の一例です。

キャプテン・アッキー:今からおやつを食べてもいいですか?
生徒たち:GO!

このように、一つのフレーズや授業の内容を覚えられるように聞くだけではなく実際に喋る機会があるのが、このアカデミーの魅力の1つです。

セクション2:VRで月面着陸の歴史的瞬間を体験

1969年7月20日、人類史上初の月面着陸を果たした宇宙飛行士のニール・アームストロングが月面に降り立った際の一言
『That's one small step for man, one giant leap for mankind.』
この歴史的瞬間を、実際にリアルに体験したいと思ったことはありませんか?私は何度かあります。バーチャル宇宙飛行士アカデミーではそんな体験ができるのです!

私が2番目に紹介するバーチャル宇宙飛行士アカデミーの魅力は、毎月開催される授業のテーマに合わせて、完全オリジナルの360°見渡せるVRを作成していることです。
私はこのアカデミーでの体験の中で一番の醍醐味が、このVR体験だと思っています。今回の授業ではアポロ11号が月に着陸し、ニール・アームストロングが初めて月面に足を踏み入れた瞬間をVRで再現し、生徒たちに実際にその場面を体験してもらいました。生徒一人一人が別端末を使って画面に釘付けで一生懸命周囲を見渡している様子がすごく微笑ましかったです。
このVR体験では、映し出された映像と共に英語音声からも歴史的瞬間を体験できるリアリティーがあると感じています。

VRで月面着陸の歴史的瞬間を体験

VR体験中の生徒たちは、映像と共にとぎれとぎれ聞こえてくる英語のフレーズに「なにこれ?」「なんて言ってるんだろう?」と理解できなかった生徒が大半だったと思います。
謎の英語のフレーズの解説を行い、丁寧な発音やリスニングの練習を行ったあと、再度、同じVRを見直してもらいました。
するとニール・アームストロングの『That's one small step for man, one giant leap for mankind.(これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。)』という名言をより深く感じることができ、没入感も増したのではないかと思いました。

セクション3: 12星座と太陽系を英語で言ってみよう

夜空にはたくさんの星座があると思いますが、なかでも私たちの生活の中で一番身近な星座といえば、黄道12星座ではないでしょうか。
セクション3では生徒たちそれぞれの誕生日の星座を英語でどういうのかを学んでもらいました。
バーチャル宇宙飛行士アカデミーでは、生徒に積極的に参加してもらうことを目標に授業を行っており、発言の多い生徒参加型の授業が3つ目の魅力だと思っています。
12星座を説明する際、生徒たちのそれぞれの星座の順番がくると手や声を挙げてくれたり、生徒一人ずつに何度か英語での発音を練習したりしました。最初は不慣れな感じでしたが徐々に発音が上手になっていき、私はずっと「すごい!すごい!」と発音の上達ぶりに手を叩いて終始驚きまくりでした。

次に行われたのが太陽系にある惑星を英語で紹介するセクションです。びっくりすることに、生徒の中に惑星を全部英語で上手に発音できる子がいました。その生徒が積極的に各惑星の英語名称を他の生徒に紹介していくことで、今までと違った授業の雰囲気になったことも、とても良かったなと感じました。

太陽系の惑星を英語で学ぶ

このセクションでは生徒たちが積極的に授業に参加してくれたので、生徒と先生の距離感や生徒同士の距離感が少しずつ近づいた印象を持ちました。
今後の授業で「この子は何に詳しいのかな?」「この子は何が好きなのかな?」など、先生だけなく生徒同士がお互いのことが知れる機会が増えることで連帯感も生まれると思うので、このような授業の雰囲気に合う教材も作っていきたいなとしみじみ思いました。

セクション4:宇宙船の英語の名前

かつてNASAが打ち上げきた宇宙船であるスペースシャトルには様々なかっこいい名前が名付けられており、その6つのうちの2つを授業で紹介しました。
・Challenger (チャレンジャー号)
・Discovery (ディスカバリー号)

このセクションのはじめに「スペースシャトルとは何か?」という質問から始まったのですが、宇宙船について詳しい生徒たちがたくさん発言してくれ、いろいろな情報や説明が飛び交うディスカッションになりました!
クイズ形式でチャレンジャーとディスカバリーの意味の紹介をしたのですが、名指しせずとも生徒たちが自ら手を挙げて回答してくれたので、生徒たちの中で自分の意見が言いやすい環境や関係になったのかなと感じました。

セクション5:プレゼンテーション

生徒自身がテーマやトピックを振り返り発表する

最後に生徒たちに「今日のディスカバリー(発見したこと)」を各一人ずつプレゼンテーションしてもらいました。バーチャル宇宙飛行士アカデミーの授業の最後には、必ず生徒たちにテーマに合わせた質問やトピックを振り返り、答えてもらうことになっています。
人前で発表することによって、相手に説明する力などを養いつつ、その生徒のことをもっと詳しく知れる機会を設けています。
今回、英単語や新しい発見などを発表していただいた中で、特に覚えていただけたのが生徒自身の誕生日の星座とアクエリアス(みずがめ座)でした。やはり身近な自分の星座が一番覚えやすかったのかなと思いました。
そして私たちに馴染みのある有名なアイソトニック飲料の『アクエリアス』とみずがめ座の英語名称が同じということで覚えやすかったのかなという印象を持ちました。少しでも覚えていただけて嬉しかったです。

アカデミー終了の際に、キャプテン・アッキー先生から生徒みんなへの問いかけがありました。

キャプテン・アッキー:みんなこれからいっぱい英語勉強できるかな?
生徒たち:Copy!

最初に学んだことをちゃんと覚えていて、使いこなせるようになっていました!ものすごく嬉しかったです!
少しでも宇宙英語に興味を持ってくれた生徒たちを見ると、バーチャル宇宙飛行士アカデミーの最大の目標である、宇宙に興味を持っていただくことを達成できたのかなと思いました。

最後に...

「宇宙英語編」最後まで読んでいただきありがとうございます。バーチャル宇宙飛行士アカデミーに興味を持っていただけましたでしょうか?
少しでも魅力が伝えられたら幸いです。まだまだ始まったばかりのアカデミーなのでこれからもたくさんの追加コンテンツや体験を提供して行こうと思っておりますので、これからもご注目いただけると嬉しいです。

次回のバーチャル宇宙飛行士アカデミーでは、本間 希樹 教授(国立天文台 水沢VLBI観測所)監修のブラックホールの謎について深掘りする講座「ブラックホールは なぞでいっぱい!」を開催します。
次回、ブラックホール回へのお申し込みはこちら ↓↓↓
それではお楽しみに!

次回開催の講座「ブラックホールは なぞでいっぱい!」

松村 光紗
イギリスで航空宇宙工学を専攻している大学一年生。現在株式会社amulapoでインターン生として活動中。ハイブリッドロケットについてたくさん知るために勉強中。


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