インフィニウム(2023年11月号)ミツマチヨシコ
今月は大変お世話になっているコスモプラネタリウム渋谷のプラネタリウム機器について。
光学式、と呼ばれる機械の中に電球を入れてある、光で星を表現するタイプのプラネタリウムと、デジタル式と呼びならわす、映像を映し出すシステムが組み合わさったハイブリット式と呼ばれるシステムのプラネタリウムの、光学式プラネタリウム本体に名づけられているのが、インフィニウムという名前で、ハイブリットシステムとしてはジェミニスターと言うとのこと。
双子のように、本当の星空のような星とリアルな映像を組み合わせて宇宙を再現するからでしょうね。
プラネタリウムは100年前に生まれてから現在まで、基本的な能力が変わっていない、とよく言われます。
実際、360度分の星空を正確に再現する技術は、世界中の緯度の星空を映し出せるようになったツァイスⅡ型から実装されているものであり、惑星の動きも(そもそもそれを正確に再現するための機械として発明された、という経緯があるだけに)正確に再現するのは初号機からの至上命題だったわけで、それを歯車とモーターで正確に再現し続けているのがプラネタリウム、という機械と言えます。
新しい機械では、さらにさまざまな機能が実装されるかもしれませんが、それでも100年、ずっと同じように星空を私たちに見せ続けてくれるこのプラネタリウムという機械はこれからもきっと私たちに宇宙へのあこがれと知らない世界への好奇心を掻き立て続けてくれると思います。
ミツマチヨシコ
2002年から活動中の切り絵作家。水彩、漫画、動画なども作る。
作風はノスタルジック。ファンタジーとバンプオブチキンをこよなく愛している。
内なる宇宙をこの世界に持ち出し、未知なる外宇宙に思いをはせる日々。
2023年11月号より