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香港にテレサ・テンの面影を追って

2017年のGWに香港を訪ねた時の旅日記です。
(2019年の民主化デモ、その後のコロナ禍以前に書いたものに加筆修正したものです。)


香港の民主化運動に身を捧げ、中国本土の地を踏むことのなかったテレサ・テン。彼女の面影を追いつつ、香港の海辺のリゾート、スタンレー(赤柱)を散歩してきました。

洋の東西が出合い、返還後も何も変わらぬかのように発展を続ける街、香港。(※注:その後2019年に民主化デモと香港国家安全維持法の施行に至ったことはご承知の通り)

天気がいいので香港の中心街を離れ、南部の海辺のリゾート地、スタンレーにやってきました。

「スタンレー」という地名はイギリス入植時の英国陸軍の偉いさん(スタンレー卿)の名前にちなんで付けられたのだとか。当時は香港最大の漁村だったそうです。

香港中心部の中環(セントラル)からは二階建てバスで約40分、山道を走り、隧道をくぐり、 すでに夏の風情の海水浴場レパルス・ ベイや海の見える超高級住宅地を通り、スタンレーに到着です。

平日の昼前、バスを降りたところにあった、おしゃれなモールの印象は
「外国人ママのランチ処?」という感じの、駐在外国人が住んでいそうなリラックス空間。
隣にはモンテソーリ幼稚園。




多分、 「香港島なんて狭いところにはアタクシ、住めないわ〜」、 というお金持ちのための高級住宅地という印象。
そう、スタンレーは開放感あふれる別天地。



そして実はここにはテレサ・テンの邸宅もありました。80年代後半から95年にチェンマイで若くして亡くなるまで、彼女はスタンレー湾を見下ろす丘の一軒家に住んでいたのだそうです。


在りし日のテレサ・テンの邸宅の写真



今は彼女の住んだ豪邸は既に取り壊されたそうですが、今も彼女が参拝したという天后宮には参拝者が絶えません。

わたしもお線香を供えてお参りしてきました。天后宮というのは、海の神様である天后聖母をお祀りしているのだけど、見た目、超ダイナミックで、お顔とか衣装の感じが紅白の小林幸子みたいな雰囲気なのよね。

うん、幸子もきっとこの天上聖母のイメージで衣装作ってるに違いない。(勝手に妄想♪)意外とあたし、この雰囲気って好きですね。


なんとも奇抜な色合いの天后宮の祭壇。紅白の小林幸子を連想させる。



そしてテレサの時代に想いを馳せてみると、彼女も別荘からこの天后宮にお参りして、海辺のプロムナードを散歩してたんだろうなあ、と想像できて、幸子みたいな聖母も愛おしくなってくる。

89年の天安門事件で民主化の波に身を捧げ、絶望して歌への情熱を失ったこともあり、42歳であまりに短い生涯を終えたとも言われるテレサ・テン。

昼は鄧小平 、夜は鄧麗君(テレサ・テンの中国名)
二人の鄧に支配されたといわれたメインランド・チャイナ。

それだけのファンが本土にいたにもかかわらず、香港での民主化活動をしていたことにより、テレサは終生中国の地を踏むことができなかったのだという。

次は台北にテレサの面影を訪ねてみたいと願いつつ、また曲がりくねった山道を疾走するバスに乗って香港島へ戻ってきました。



昔からファンでね、カラオケは十八番なんです。大好きだよ、テレサ!!


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