阪神タイガース 2024ドラフト講評
1位 伊原陵人(24) NTT西日本 左投げ左打ち 170cm 77kg ポジション:投手
170cmと小柄ながら、独特なフォームから140中盤〜終盤で安定した球速の直球とスライダー、カットボール、フォークとカーブで投球を組み立てる左腕。奪三振数はズバ抜けて多くはないものの、コントロールに優れており四死球は少なめと完成度の高い左腕。
2位 今朝丸裕喜(18) 報徳学園高校 右投げ右打ち 188cm 77kg ポジション:投手
2年連続のセンバツ準優勝に貢献した名門・報徳学園のエース。
最速151km/hを計測した直球を武器にカーブ、スライダー、フォークで抑える本格派候補。スペックと印象に反してあまり奪三振率は高くはないものの、伸びる余地はあり。完成系は才木浩人(阪神)。
3位 木下里都(24) KMGホールディングス 右投げ右打ち 183cm 87kg ポジション:投手
最速156km/hの速球を武器とした速球派投手。他にはスライダー、カットボール、ツーシームを投げる。先発でも150km/h以上の速球をコンスタントに投げ込むなど出力は文句無しも、相手打者にコンタクト自体はされているのでそこは懸念点。
4位 町田隼乙(21) 埼玉武蔵ヒートベアーズ 右投げ右打ち 186cm 86kg ポジション:捕手
広角に長打を放つヒッティングが魅力の捕手。遠投110mの強肩も誇り、今季は独立リーグ51試合で打率.323 5本 37打点 OPS.906と好成績。独立リーグ選抜vs阪神タイガース戦では青柳晃洋からホームランを放つなどプロレベルへの速い適応が期待できる。21歳と若く、大山悠輔のFAなどの補強や中川勇斗ら他戦力次第では将来的な1塁コンバートも考えられる。
5位 佐野太陽(22) 富山GRNサンダーバーズ 右投げ右打ち 178cm 81kg ポジション:内野手
まとめ
藤川球児政権1年目のドラフトは育成を含めると、独立リーグからの獲得が多めの異色のドラフトとなりました。近年の阪神はドラフトで優秀なバットマン(佐藤輝明・森下翔太・前川右京ら)を獲得できた一方、投手の上位指名選手が現状上手く戦力化出来てないため、即戦力投手が多めの獲得となりました。ただいくら即戦力投手が欲しかった上にハズレ1位とはいえ、1位指名で伊原を獲得したのは少々オーバーピックな気がします。左腕とはいえ170cmの小柄な体格で1年間ローテを守るのは厳しいと思われるので、将来的に河野竜生(日ハム)や桐敷拓馬(阪神)のようなリリーフタイプになる可能性はあると思います。
2位指名で素材型である今朝丸を指名したのは良い指名でしょう。1位指名も有り得たレベルのポテンシャルは有しており、復帰した金村コーチの下で近いうちに一軍でも見れる可能性が高いと思われます。
3.4巡目で球速/打撃面で光るものを持つ2人を獲得。木下は球速こそプロレベルでも上位ではありますが、その他の面で未完成ではあると思うので、昨年の椎葉の様にオープン戦から中継ぎ起用で様子見をしていく感じになっていくと思います。
町田は未知数である独立リーグながら優秀な打撃スタッツを残しており、かつ年齢面も若く、コンバート等の潰しのきく選手になってると思われます。
5巡目の佐野に関しては正直言えることが少ないのが本音ですが、かつての坂克彦や山﨑憲晴的な立ち位置が現実的な着地点になりそうです。
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