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nyakopan
聖教新聞 2024/05/30 名字の言 能登半島地震発生から150日
小文字で始まる「japan」には、「日本」ではなく「漆器」「漆」という意味がある。蒔絵などが施された漆器は、海外でも有名。まさに日本を代表する工芸品である。中でも輪島塗は、強さと美しさを兼ね備える点が特徴だ▼元日の能登半島地震では、その職人たちが道具や材料、家を失った。工程が100以上に及び、専門の職人たちが分業して生み出す輪島塗。伝統を絶やさぬためには、協力して立ち上がる必要がある▼復興への道は険しいが、テレビ番組で先日、職人たちが語っていた。“道具がなくなっても、技術はなくならない”“この仕事を一生続けたい”と。その言葉に、希望を捨てずに前に進もうとする心を感じた▼日蓮大聖人は、純真な信心を貫くことの大切さを「漆」に例え、「まじり気のない黒漆のように、純一堅固に持つべきである」(新1951・全1474、趣意)と仰せだ。信心はどんな艱難をもはね返す「勝利の力」。だからこそ、苦しい時に「いよいよ」の決意で立つことが大事になる▼きょうで能登半島地震から150日。私たちも、負けじ魂を燃やして生きる能登の同志と共に、今いる場所で揺るがぬ信心を貫きたい。被災地の一日も早い復旧・復興を強く祈り続けながら。(秀)