40代女 ひとりでアーティゾン美術館へ マリー・ローランサン展
2024年1月中旬、東京駅近くのアーティゾン美術館のマリー・ローランサン展に行ってきました。
マリー・ローランサンの大まかな人生の歩みが分かり、また彼女の活動の幅の広さも知ることができて、美術史ビギナーの私にはとても実りのある展覧会でした。
立地も東京駅から近く、徒歩で行けます。
常設展も充実しているので、オススメの展覧会です。
かなりざっくりで申し訳ないけど、マリー・ローランサンの人生の流れ
展示されていた解説を参考にしました。
・1883年10月31日 母の婚外子として生まれた (←美術史を学び始めて、婚外子とか多かったことに気づきました。)
・1908年頃から5年間 アポリネールと付き合う
・1914年 ドイツ人貴族と結婚→スペインに亡命
・1921年 離婚 and パリで個展成功
・1956年6月8日 72歳でこの世を去る
両大戦も経験し、フォービズムやキュビズムなどの影響もあったようですが、自分のスタイルを貫き通したそうです。意思の強い女性だったのかなと思いました。
活躍の場は絵画だけではなかった
マリー・ローランサンと言えば、私が思い浮かべるのはこちらの絵↓
丸みがあって女性らしい描き方ですよね。
昨年訪れたキュビズム展では、少し気持ち的に構えていたのですが、ローランサンのこの絵は親しみやすくて、ちょっと安心したのを覚えています。
描かれている人たちの黒目に惹かれる絵でした。
(お恥ずかしいのですが、美術史ビギナーの私はこの絵しか思い浮かばなかったです。)
今回の展覧会では、彼女の絵画だけではなく、詩や挿絵、舞台衣装も紹介されていました。
ローランサンは椅子のデザインも手掛けていたんですね。色合いが何とも言えないとても素敵な椅子でした↓
日本人詩人とも交流があった
それから、ローランサンはスペイン亡命中に日本人の詩人、堀口大学という人とも交流があったようです。
ローランサンの詩を翻訳して日本に紹介した人です。
堀口大学が訳したアポリネールの『ミラボー橋』という詩が購入した図録に載っていました。
たまたま原田マハさんのこちらの本↓を読んでいて、アポリネールの『ミラボー橋』のことが言及されていました。
たまたまの共通点にテンション上がります!
こういう発見があるとテンション上がるのは私だけでしょうか。
(原田マハさんのこちらの本も、登場人物を自分と重ね考えさせられたり、純粋に感動したり。おススメです。)
そして、こちらの↓『2人の少女』は1923年に描かれて、1925年には日本で紹介されたのだそう。
内側の強さを感じる『椿姫』
ローランサンの描いたデュマ原作の『椿姫』英語版の挿図も展示されていました。
(なんて、知ったふうに書いてますが全然知らなかったです)
『椿姫』の挿図だけ、ちょっとこじんまりしたスペースに展示されていました。人が多く、写真をうまく撮ることができませんでした。
なので、図録から。↓
なで肩で女性らしいラインと、意思の強そうな目。内側から溢れ出る自信、オーラまで私は勝手に感じてしまいました。
どれもとても素敵でした。一瞬でもいいからそんなオーラ出してみたい。(って、私はもう40女でした)
ローランサン展に行ってみて
いろんなところから影響は受けていたはずなのに、ローランサンの迷いつつも自分のスタイルを貫き通す姿勢が最初から最後までかっこよかったです。
どれを見てもやっぱりローランサンだと分かりました。淡いけど強さがあるという感じです。
こちら↑の絵に私の目は釘付けでした。じっくり見過ぎて写真を撮り忘れてしまいました。
1919年(亡命中だったかな。)に描かれています。
この取っ手の黒に近い青、何とも言えないです。レモンの色とのコントラストに、画面からもくもくと出てきそうな周りの灰色。
でも、やっぱりローランサンだなぁと思わせてくれる優しい感じと強さがある気がしました。
美術史を学び始めて半年の私ですが、一枚一枚の絵を観ることがとても楽しく感じられて、美術史に興味を持って良かったと思いました。
……………
会場ではその他、ローランサンと同時代の画家、モディリアーニや東郷青児、藤田嗣治などの絵も観ることができました。
この日、私は別の予定を入れてしまいここでタイムアウトになってしまったのですが、アーティゾン美術館の常設展はかなり充実しているようでした。
次回はもっとゆっくりお邪魔したいです。