見たくないようでやっぱり見てしまうデ・キリコ
東京都美術館で開催中のデ・キリコ展に行って来ました。
感想は…
マヌカンや不安、謎というデ・キリコの世界にちょっと抵抗を感じなからも、どっぷりと浸ることができる展示でした。
抵抗感ありながらも、音声ガイド付きチケット2,700円(高い〜)を購入して挑みました!
自画像の目ヂカラに近寄り難さを感じてしまう
個人的にデ・キリコの絵はちょっと近寄り難いイメージがあります。
マヌカンは顔がなくて怖いし、事物の輪郭線がくっきりしていて、色使いも暗いからでしょうか。
会場での展示も空の色を黄色や緑で描いているのを見ると、ちょっと抵抗感ありです。
だからか、ものごとのネガティブな側面にどうしても意識が向いてしまう、ひ弱な感じの人をイメージしていました。
けれど、自画像には自己顕示欲が強そうなおじさんが描かれています。
そこもちょっと近寄り難いですね〜
私は見た目が怖そうな人と距離を置くタイプです。(←人を見た目で判断してはいけません!)
ただ、会場に展示してある写真をよく見ると、そこに写っているデ・キリコは穏やかそうなおじさんでした。
自画像の中では本物より目ヂカラをキツめにして強そうに描いていたのかも。
弟の肖像画がステキ
ベックリン時代の(←知ったように書いてますが、ベックリンがどなたか分かってません(・_・; デ・キリコが当時影響を受けていた画家とのことです)
肖像画で唯一現存してるらしい、デ・キリコの弟の肖像画、とてもステキでした。
とても凛々しくて、ステキな目をしています。かっこいい(//∇//)
こんな絵をもっと観たかったなぁ。
ちなみに、デ・キリコは毎朝、「画家としてもっと高みへ」と祈っていたそうです。(ムロツヨシさんが教えてくれました)
自分の理想を死ぬまで追いかけていたんですね。
ポップすぎやしませんか
晩年はポップな感じに絵を仕上げていったらしいのですが、
いや、急に笑っちゃいますよね。
何だかかわいいなぁと。
けれど、↓こちらの絵も自伝的要素があり、生涯自分の内面と向き合って、表現するということをやり抜いた人だったのかなと思いました。
マヌカンもキャラクターみたいになっていて、アニメみたいでした。
(息子たちが見ていたジョジョみたいな感じです)
けど、大真面目に不安や謎と向き合って絵を描き続けるより、ポップさが出て来て、笑いに変えることができるのは、なんだかホッとしました。
彼の画家人生の終着点が少し真剣さが和らいだのかなと思いました。
まとめ
その世界観に引き込まれてしまいそうでちょっと近寄り難いイメージのデ・キリコの展覧会でした。
けれど、実際の絵を観るとやはりその力強さに感心してしまいます。また、デ・キリコの世界の変遷と一貫して変わらなかった部分(オリジナルであり続けることを意識していたのかなと思いました)も観ることができ、多くのファンがいることに納得でした。
それから、いつも展覧会に行くと思うのですが、今回も海外の美術館や財団、それから個人のコレクターの方(?)からも作品を借りて来ているようで、主催者の方に心底感謝してしまいます。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
またnote書きます。