カナレットの絵で自分の内面と向き合う
「カナレットとヴェネツィアの輝き」展に行ってきました。
ヴェネツィアって、昔も今も本当に大賑わいなんですね!
カナレットの絵の中でもヴェネツィアは人で溢れかえっていました。
場所は静岡県立美術館です。とにかく遠くて大変でした^^; ←静岡駅からバスで30分でした。
巡回もするそうで、
SOMPO美術館、京都文化博物館、山口県立美術館(←まだHPでの紹介はありませんでした)でも展示されるとのことです。
お近くの方はそちらに行くのがおすすめかもしれません。
だけど、展覧会は量的にもちょうど良く、(私はすぐに疲れてしまうので)
章立てもカナレット以前、カナレットの時代、カナレット以後と分かりやすくてとても良かったです。
主な感想は以下の3つです。
①カナレットの絵を観て自分の内面を見つめ直しました。
②今回初めて学芸員による美術講座に参加して、どうやってカナレットの、写真のような絵が描かれているのか興味を持つことができました。
③ヴェネツィアン・グラスの展示があり、その解説により当時の文化の流れを知ることで私の知的好奇心がとても満たされました。
美術館にたどり着くまで
駅に着いたらバスは11番線から1時間に1本!
自宅最寄りの駅から約1時間半、電車に揺られ静岡駅に着きました。
既に時刻は11時半でした。
お腹が空いたので早めのランチにします。
わーい!久しぶりのサブウェイです!
早めのランチを済ませてバス停に行くと、え!
県立美術館に行くバスは1時間に1本しかありませんでした。
とっさに腕時計で今の時刻を確認。
セーフ!後3分でバス来るという何ともファインプレイです!
これを逃したら後の予定が総崩れでした〜
危なかった。
約30分のバスの旅です。
電車でここまで1時間半で、そこからまたバズで30分はちょっと大変ではありますが、静岡市内の景色をバスの中から眺めるのもそれはそれで楽しかったです。
到着すると、そこは既に県立美術館の敷地内でした。
帰りのバスの時刻も確認します。
そして、やっとたどり着きました!
入り口では静岡茶が無料で来館者に配られていました。
とてもとても暑い日差しの下、これはありがたいですね〜
(私はカフェインが身体に合わないので遠慮しておきました)
収蔵品展も観たい!ですが、今回はこの後もう一件美術館を訪問する予定なので、うーん、残念です涙(移動だけで午前中を使ってしまいました)
建物の中はこんな感じ↓
岡山市立オリエント美術館に行った時も思いましたが、地方の美術館は建物がだだっ広くて重厚感のあるイメージです。
昔もオーバーツーリズムなヴェネツィアのお祭り
カメラ・オブスキュラにテンション上がる
さて、会場にたたどり着くと…
おお〜!
カメラ・オブスキュラが展示されています。
中を覗くと、こんな感じ↓
デイヴィッド・ホックニーのこの絵本↓にカメラ・オブスキュラのことが載っていてどんなモノなのかずっと気になっていました。
これを使って昔の人は絵を描いていたんですね。
ヴェネツィアはお祭りの街
カナレットはロンドンやローマにも住んで、多くの風景画が今も残されています。
けれど、やはりヴェネツィアを描いた絵はとてもゴージャスで目が惹かれます。
こちら↓はヴェネツィアのレガッタというボート競漕を描いています。
アップにしてみます
これは最近話題のオーバーツーリズムでは!
めちゃくちゃ向こうまで人が描かれています。
当時の賑やかさが伝わってきますねー
とても楽しそうで、きっと当時の人は家の中でじっとしているなんてできなかったと思います。
外から聞こえる楽しそうな音を聞いたらウズウズしちゃいますよね。
そして、自分と向き合う (私の内面の話です)
ちょうど今は夏祭りが各地で開催されていますが、私はお祭りが苦手です。
というのも、近所の人に会ったり、昔の同級生に会ったり、子どもの同級生のママさんに会ったり。(地方に住むが故の悩みでしょうか)40代になった自分を昔の同級生に見られたくない思いもあります。
なので、なんて面倒なイベントなんだ、と思ってしまうんです。
だけど、カナレットの絵を観ていると、いいな〜お祭り、行きたいな〜という気持ちになっていました。
本当はお祭り好きなんです。
たこ焼きや焼きそば、お祭りで食べるとむちゃくちゃおいしいですよね!
カナレットの絵の中の、それぞれが一生懸命にお祭りに参加してる姿をよ〜く観ていたら、
もしかしたら、お祭りで人に会うっていうのはもっと単純な、ただただ居合わせただけのことで、それ以上の意味はないのかもとふと思いました。
お祭り=人に会う=面倒くさい
と、いらない意味付けを勝手にしてるのは私で、
単にそれを辞めればお祭りを純粋に楽しめるのではないか、とまで考えが至りました。
あ、なんか、すごい、肩の力が抜けるような感じです。
カナレット、ありがとう。
お祭り、今年はどこかで行けるといいなと思います。
初体験!学芸員による美術講座に参加
人は昔から動画が大好き
今回、初めて美術館で行われるイベントに参加しました。
よく展覧会のチラシの裏を見るとイベントが載っているのですが、予定が合わなかったり、時間帯が夜で参加できなかったりで諦めていました。
今回はよし、これに参加するぞ!と美術館巡りを始めて約1年、心に決めて行きました!
定員は290名とHPに書いてあったので、(←本当に開催されるのか、HPもチェックして行きました!)
そんなに人が来るんだ!私の席はあるかななどと、不安になっていたのですが、
会場に入ると大きな会場に集まっていたのは2、30人程度の人たちでした。
ほっ。
このくらいの雰囲気、大好きです。とても良い!
一見こういった講座には興味なさそうな若いカップルも参加していて、40のおばさんは妙に感心してしまいました。
いいな、そういうデート。
肝心の講座はというと、
カメラ・オブスキュラで映し出される景色は当然静止ではなくて、動画だった。そして昔から人は動画が好きだった。
その動きをカナレットは絵画で表現したかったのではないか。
という内容でした。
学芸員さんは自分でもカメラ・オブスキュラを手作りしたそうです。
映像が映し出される部分を暗くするため黒い布をかぶる、夏場は大変。と語っていました。
昔から画像編集は当たり前
もう一つ面白かったのが、こちら↓
こちらの絵は実際にはこのようには見えないらしいのです。
実際には左の建物はもっと小さく見ますね。
これは、付近の名所をこの絵の中で一望できるようにカナレットが組み合わせて描いたんだとか。
私たちが画像を見せたいように編集するのと同じことを、カナレットの時代からやっていたんですね〜。
おもしろいなぁ。
ちなみのこの絵の右端にはこんな人がいます。↓
あの男性は、壁に向かって何してるんでしょうか?
この絵の解説にも「一体何をやっているのであろうか」と書いてあって面白かったです。
イスラムの文化の影響 ヴェネツィアン・グラス
会場には数点のヴェネツィアン・グラスが展示されていました。
どれもとても綺麗だったのですが、図録に記載されている解説から(いつものように図録をゲットしました)イスラム文化からガラスがヴェネツィアに伝えられて、
イスラムの勢力が不安定になるにつれ、自国でガラス制作を始めたことがきっかけとなり、
ヴェネツィア独自のガラス文化が発展していったということが分かりました。
勉強になりますねー
こういう歴史や文化の流れを知ることに、最近は喜びを感じます。
次の目的地へ 静岡市立美術館
さて、講座が終了すると静岡駅に戻る時間が迫っていました。
外に出ると、来た時には気づかなかったことに気づきます。
サギの置物?↓
本物でした。池に魚がいるのでしょうか。
帰りのバスにも無事に乗ることができました。
帰りのバスの中で購入した図録を開きます。
こういう時間かたまらなく好きです。
静岡駅に帰ってきました。
そして次の目的地へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
この後訪れた静岡市美術館の展覧会については次のnoteに書きます。
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