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娘がうっかりバレエを始めてとっとと留学してしまったのだが

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バレエに疎い親のもとで、娘がうっかりバレエを習い始め、中学卒業したらとっとと留学してしまったので、どうしてこうなったかを振り返ろうと思う。
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#留学

15歳、娘の旅立ち

15歳の娘が、とうとう旅立ってしまった。 バレエ留学のために。 経由地のスイス、チューリッヒ空港からLINEがあった。 心配していた飛行機の乗り継ぎも、無事にできたようだ。 だがしかし――。 「英語が全然通じない!何を言ってるのかもわからない!」 いくらドイツ語圏といっても、まだ乗り継ぎ地の空港である。 英語は通じるはずと思っていたが、 「『ウォーター』ですら伝わらなかった」 これには本人もかなり打ちのめされた様子だった。 娘は4歳のとき、アルファベットを書きた

【バレエ留学】CVにスペイン語?ヨーロッパ留学の嬉しい誤算

今年、留学して4年目の娘が就活に向けて動き出した。 「CV(履歴書)見て」と渡されたファイルをみると、 言語スキルの欄で、思わず目が止まる。 Japanese, English (all fluent) Spanish, German (basic) え? ドイツ語は少し学んでいると聞いてたけど、スペイン語? 「ドイツ語は前の学校だよね。で、スペイン語って?」 「仲のいい友達がスペイン人でね。いろいろ教えてもらったり、アプリでも勉強して、けっこう話せるよ!」 いやいや、

【目指せバレエ留学】中学生活

中学に入ると、娘の毎日はさらにハードになった。 学校が終わるとそのままバレエに直行し、帰宅は夜10時ごろ。 お弁当はお昼用と夕飯用の2つを用意する必要があり、バレエの荷物と合わせて毎日大きなリュックを背負って登校する日々だった。 就寝時間はどうしても夜12時頃になってしまう。 それでも、小学校時代の知り合いが何人か同じ中学にいたおかげで、友達作りには苦労しなかったようだ。 高校受験はないけれど、娘には別の目標があった。 そう、バレエ留学だ。 留学先によっては学校の成績や英

【目指せバレエ留学】いついくか〜バレエ留学に適した年齢とは?

中学生になって次に考えなければならないのは、「いつ留学すればよいのか」ということだ。バレエ漬けになりたい娘は、今すぐにでも行きたい!と熱望するが…。 とはいえ、本場から見ても注目されるような体のラインや能力を持っているわけでもなく、さらに経済力が豊かな家庭の子でもない娘。 「いつ行くか」なんて、こちらのタイミングで「今でしょ!」と決められるものでもない。受け入れてくれる学校と、ある程度の資金がなければどうにもならないのだ。 ちなみに、ChatGPTに聞くとこんな回答が返っ

【バレエ留学】どこにいくか〜留学先

娘が留学をしたいと言い出した当初、親としては「バレエで留学ができたとしても、その先バレリーナになれるかは別の問題」と考えていた。 バレエを仕事にせずに他の道に進む場合も考えて、英語を身につけられる語学留学としての側面もあったほうがいい。そう思って、英語圏への留学がいいのでは、と勝手に考えていた。 バレエの留学先として、クラシックバレエの本場といえばロシアが真っ先に浮かぶ。ほかにも、オペラ座バレエ学校のあるフランス、ロイヤルバレエ団のあるイギリス、モナコ、ウィーン、ドイツなど

【バレエ留学】バレエ留学する方法

留学するタイミングや行き先がある程度決まったところで、逆算してどう行動すればよいかを考えた。 理想の留学タイミングは中3の終わりから高1あたり。 中高一貫の高等部には進学せず、私立高校にかかる学費分を留学費用に回すことにした。行き先はヨーロッパ。 学費と生活費を合わせて地方から東京の私大に通わせたつもりになれば、というくらいの雑な丼勘定だった。 バレエ留学の方法はいくつかあり、一番理想的なのは コンクールでスカラシップを得て学費免除で留学 というものである。 そのために

【バレエ留学】予定通りにはいかない

2020年3月に出場予定だったコンクールがコロナの影響で中止になってしまった。 娘にとって、そのコンクールは10月のYAGPへの練習という意味合いが強かったので、「本命はYAGPだから、そっちでがんばるよ」と前向きな言葉を口にしていた。 しかも、YAGPと修学旅行の日程が重なる可能性があったため、娘は「その場合は修学旅行を断念してYAGPを選ぶ」と決意を固めていた。 ところが、娘の教室の先生はコロナへの懸念が強く、

¥300

【バレエ留学】結果発表〜

各学校に応募し始めて1ヶ月くらいすると、結果がぽつぽつと届き始めた。 一番最初に連絡をくれた学校からのメールを開くと、 「年齢は若いですが、基礎がしっかりしており、ポテンシャルがある。」 というコメント付きで 合格! 娘はガッツポーズ! これで、仮に残り全部不合格だったとしても、 とりあえずは9月からドイツには行けることとなった。 幸先よい〜〜 とりあえず合格おめでとう。 娘はすぐに中学校に「高等部には進学せず留学します」と伝えた。 この時12月、なんとか間に合った。

【バレエ留学】最終確認

留学が確実になった。 もう一度、娘に聞いた。 本当に留学する? いや、娘がバレエに一目惚れして、習い始めたら夢中になって。 私たち親は、好きなことがみつかるのはラッキーだよ。どんどんやったほうがいいよと、応援というか後押ししてきたけど、 本当に親のゴリ押しではなかったか? と、時々不安になる。 幼い頃に好きなものに出会い、夢中になってどんどん進んで。ひたすら前を見てきた。とうとう15歳で留学することになってしまった。 親が無理やりさせてない?誘導してない? 長

【バレエ留学】安心を買うこと

最初は、少しでも賢くコストを削減するぞ!と意気込んでいた。 あれこれ外注する部分をまるっと自分でできれば30~50万くらいの経費が浮くのだ。 娘が合格した学校では、日本でのオーディションを主催した会社が留学手続きや住居手配、学校とのやりとりを一括サポートするプランを用意していた。 でも、ビザや航空券くらいなら調べながら自分でできそうだったので、その辺は外注せずに自力でやることにした。 この辺は私の英語力でも、翻訳ソフトのdeeplはもちろん、ドイツへ留学経験者の方のブログ

【バレエ留学】高校をどうするか問題

娘の理想通り、なんとか中3のうちに行き先を決め、中高一貫の高等部へは上がらずに高1になる年齢の9月から留学できることになった。 つまり、高校入学金、前期授業料は不要となる。 が、この時点で 中学を卒業したら9月までニート決定 とりあえず留学は決まったが、バレエで就職ができるのかどうかは未知数だ。それどころかバレエ学校を卒業できるのかもわからない。 初めて親元を離れ、言葉もわからない海外、努力すれば叶うってものでもない。 とりあえず高卒資格があれば志半ばで日本に帰ってき

【バレエ留学】出発準備〜荷物は先に送れない

前にもチラッと書いたのだけど。 なんとなく、出発前にある程度の荷物は郵送で送ってしまえばいいんじゃない?と思っていた。 でも実際、契約しているアパートが使えるのは9月から。それじゃあアパートで誰が受け取るの? 大家さんとか管理人さんがいても私の英語力では交渉できなかっただろうな。 そういえば、息子が学校の寮に入る時も、事前に荷物を送るようなことはしなかった。 最初から留学生向けの寮やアパートなら送ることもできるのかな? 娘は、インスタやブログなど、あれこれ留学する子の情報を

【バレエ留学】出発準備〜15才、クレジットカードを作る

海外留学のために必要なもの、それはカードだ。 もちろん、多少の現金も用意しなければいけないが、 クレジットカードかデビットカードのどちらかは用意したほうがいいよね。 だがしかし、18才未満はクレジットカードを作ることができない。 一方、デビットカード は15歳以上(中学生を除く)から作ることができる。 その場合、海外でも使えるようにするには、Visaなど国際ブランドマークのあるデビットカードを作る必要がある。 娘の場合は銀行口座は既に2つあるが、彼女が自分でためておいた本

【ドイツバレエ留学】カカリツケってなに?

9月からはドイツへ。 さみしさよりも意気揚々としていた、能天気な親子だった私たち。 しかし、心配事もあった。 そう、当はコロナ禍真っ只中。 ワクワクしている場合ではなかった。 得体の知れない疫病に、オリンピックまで延期されるという異例の状況。 ドイツは日本からの入国制限があり、なかなか先行きが見えない状態が続いていた。 そんな中、2021年6月に、ドイツが日本に対する入国制限を解除した。 「やった!夏休み明けに予定通り行けそうだ!」 希望が見えた瞬間だった。 (※陰