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親に知ってほしい金融用語『連帯保証人とただの保証人の違い』


「連帯保証人にはなるな」

親からそう教えられ育った人は、少なくないと思います。

子供のお金教育のうえで、親として伝えなければならないとても大切なことの一つです。


連帯保証人、皆さんのイメージでは、

だれかの借金の肩代わりをさせられるもの

というイメージかと思います。

基本的な解釈としては、その通りで間違いありません。


では、なぜ「連帯保証人」になってはいけないか?

お子さんに教えるときの豆知識として、「連帯保証人」と「保証人(単純保証人とも言います)」の違いという観点から、カンタンにお話ししたいと思います。


お金を誰かから、あるいは金融機関から借りた人、Aさんがいます。

Aさん(債務者)は当然返す義務がありますが、貸した側(債権者)は、もしAさんが返せなくなったり、いなくなったりしたら、お金を返してもらえなくなってしまいます。

そんな時の備えとして、「保証人」を付けてもらうのです。

『Aさんがお金を返さなかったら、代わりに返してくださいね』


そしてこの保証人に、「保証人(単純保証人)」と「連帯保証人」という二つの種類があります。

もちろん、いずれもAさんが返さない場合にAさんに代わって返済する義務があるのですが、法律的には明確な違いがあることを知っておいてください。


一言で言えば、

連帯保証人のほうが、責任が重いです!


ただの保証人であれば、「Aさんが返さないから、あなた、返してください」と言われても、

◆ Aさんに、まず請求してください(催告の抗弁権

◆ Aさんに、お金や資産があるならば、Aさんの財産を差し押さえてからにしてください(検索の抗弁権

◆ Aさんの借金に対して複数の保証人がいるならば、みんなで按分した自分の分だけの返済で済む(分益の利益

これら、三つの権利が認められてます。


ところが、、、

連帯保証人はこれら三つの権利がありません!


お金をAさんに貸した側は、

◆ Aさんに請求せずに、連帯保証人に「返せ!」と言うことができます。連帯保証人は「催告の抗弁権」がありませんから、言い返すことができません

◆ Aさんに財産があったとしても、連帯保証人に「返せ!」と言うことができます。連帯保証人は「検索の抗弁権」がありませんから、Aさんの財産から差し押さえてほしいと言い返すことができません

◆ 連帯保証人が複数人いたとしても、そのうちの誰か一人に「全額返せ!」と言うことができます。連帯保証人には「分益の利益」がありませんから、自分の分だけ払えばいいだろ、と主張することができません


生きていれば、いろんな人との付き合いが生まれます。

時には、どうしても断れない相手から「連帯保証人」になってくれとお願いされることもあるかもしれません。


以前に書いたこちらの記事と同じですね。

保証人または連帯保証人になってくれとお願いされた時には、借金を背負う覚悟が必要だと、私は考えます。


ちなみに単純保証人であれ連帯保証人であれ、その義務は相続されます。「死んだ親父が、実は~の保証人だった・・・」なんていう話しで、まったく知らない第三者の借金を自分が払わなければならなくなることがあります。
この話しは長くなるので、また改めてにしますね😉♪

あっ、、、それと、
「責任が軽いから、保証人(単純保証人)ならなってもいいですよ」という記事ではありませんので、その点誤解無きようにお願いします😅


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