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私の映画鑑賞録2021(ネタバレ感想文)

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2021年新作映画のマイベストは『トムボーイ』。いや、日本公開が今年だっただけで本当は2011年の映画だけど。
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2021年7月の記事一覧

映画『ベルヴィル・ランデブー』 (ネタバレ感想文 )世界で一番好きなアニメ

なぜ20周年を前に5864日ぶりにスクリーン上映されたのか分かりませんが、おかげで私も2004年12月の公開ぶりにスクリーンで鑑賞することができました。感謝感激。なにせ私の2004年ぶっちぎりナンバー1映画だから。いやまあ、DVDもサントラ盤も持っていて何度も観てるんですけどね。円盤なんか滅多に買わない私がここまで入れ込んだアニメはこれしかない。ああ、あと、押井守『パトレイバー1,2』もあるな。 海外と日本ってアニメーションの成り立ちが違う気がするんです。まあ、映画とテレビ

映画『17歳の瞳に映る世界』 (ネタバレ感想文 )男性の瞳には映らない世界

「男性にこそ観てほしい作品」とどこかで誰かが言っていた。滝藤賢一だったかな? 私もそう思います。男性はもっと女性のことを知るべき。フェミニズムとか思想的なことではなくて。 フェミニズムって、ミサンドリー(男性嫌悪)とかミソジニー(女性嫌悪)がベースになりがちだけど(本来は違うんだろうけど)、嫌悪のためではなくて「好き」になるために互いに理解し合うべきだと思うんですよ。男女の関係に限らず国家間も。 そう考えると、舞台であるペンシルベニア州フィラデルフィアは保守的な街なのでしょ

映画『2001年宇宙の旅』 (ネタバレ感想文 )キューブリックは頭がオカシイ

30年ぶりくらいの鑑賞。初めてスクリーンで観ることができたことに興奮を禁じ得ない。午前十時の映画祭に感謝。 本当に久しぶりに観たんだけど細かいシーンまでよく覚えていて(若い頃何度も観ている)、実を言うと物語的には新たな発見は無かった。てゆーか、元から理解できる物語じゃないし、理解する気もないしね。 ところが、テレビサイズじゃ気付かなかった画面上の発見はあったんです。どこかで誰かも言ってるけど、宇宙船の窓とかに細かいはめ込み合成が多数あるの。何言ってるか分からないって?ミニ

映画『走れロム』(ネタバレ感想文 )ベトナムの湿気と熱量

ベトナム戦争物以外で、ベトナムを舞台とした映画って馴染みが薄い。 私は、この映画の製作にも名を連ねているトラン・アン・ユン監督の『青いパパイヤの香り』(93年)くらいしか観た記憶がない。ああ、あと、『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』っていうベトナム戦争末期の南ベトナムでオールロケを敢行したけど未完のままお蔵入りになって制作後39年を経てやっと公開された日本映画を観たことがある。 ああ、あと、モー娘。全盛期の頃の矢口真里ベトナム撮影写真集&DVD。ヤグチのアオザイ姿可愛

映画『Arc アーク』(ネタバレ感想文 )生ぬるい「女ののど自慢」

この映画の芳根ちゃんほどじゃないにせよ、こっちもソコソコ長く生きているので経験値があるわけですよ。萩尾望都『ポーの一族』や高橋留美子『人魚の森』を読んで育っているわけです。だからと言って「不老不死かくあるべし」とか面倒くさい絡みをするつもりもありませんが、ここまで芯を外してスカしてくると「オイオイ」と言いたくもなる。 そもそも私、SF原理主義的なところがありまして、SFはScience Fiction であり Space Fantasy に非ず、ロボット三原則から進化してい