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IT×教育、のお仕事。-インストラクションの反応-

一時帰国中に、期間限定でIT企業の新人研修のお仕事をさせていただいていました(数日前に区切りがつきました)。

そのお仕事での気づきを記録している「IT×教育、のお仕事。」シリーズの記事を、引き続き更新します。


前々回前回に引き続き、「インストラクション」に関するエピソードを通して、お仕事を振り返っていこうと思います。


今回は、私のインストラクションの結果、受講生の反応はどうだったのか、ということについてです。

実際のところはどうだったのか、正直受講生の本音はわかりませんが、私が見えた範囲で書いていこうと思います。


この研修の、いわゆる業務時間が終わると、私を含むサブ講師陣は、自分の担当している受講者の日報を確認して、コメントを入れる、という作業を毎日行っていました。

受講生の本音が見えやすいものの1つとして、この日報がありました。その他、Slackを使って個別に通話して個別面談をしている時にも本音は出やすかったのですが、日報も素直な感情が見える印象です(受講生の会社の人事部など、新人担当者の方も見ているんですけどね)。


日報には、この学習が難しかった、理解できた、この問題が難しくて手が止まっている、ここまで問題を進められた等、普段の様子や質問対応だけでは見えない受講生の様子がわかり、グループ運営や個別対応をしていく上でのヒントがたくさん詰まっていました。

質問をしにくいのかもしれないな、という受講生には多めに声をかけてみる(バランスは難しい)、演習問題が進んでいるな、という受講生には同じぐらいの進捗の受講生とペアレビューを入れてみる等、試行錯誤でした。

その私の働きかけに対して(良いものは積極的に取り入れようとする姿も多く見られました)、ありがたいことにしっかりと反応をしてくださって、また日報に感想を書いてくださるので、運営に役立てる、という良い循環ができていたような気がします。

私は日報をそのように役立てていたのですが、受講生には「PDCAサイクル」のお話をして、日報をどんどんこの研修での自分の成長に役立てていってください、とお伝えしていました。


そんな受講生の日報を読んでいる中、質問対応でやりとりするメッセージの中に、私のモチベーションが上がる、ありがたい言葉が溢れていたので、その一部を紹介したいと思います。


「わかりやすい説明をありがとうございました。教えていただいたところはもう一度自分で復習をしてみようと思います。」

質問に上手く回答できたかな、と不安だったときに安心させてくれるような言葉でした。質問後はこのような言葉が1番多かった気がします。またわからない部分があればいつでも質問してくださいね、と返していました。


「相談に応じていただき、ありがとうございました。話を聞いていただき、気持ちがとても楽になりました。」

講義で1冊分のテキストが終わると、確認テストが行われていたのですが、そこで思うようにいつも通りの力を発揮することができず、結果に落ち込み、なかなか切り替えられない受講生の話を聞いたときの言葉でした。

わざわざ時間を作って、私にもどかしい気持ちを打ち明ける、という選択をしてくださった受講生の勇気が、とても嬉しかったです。私からは今後のアドバイスを少しお伝えしたことに加え、守秘義務として、内容は他の方には話さないので安心してくださいね、とお伝えしました。

私が新人の時にお世話になった方にいただいた言葉、「受講生にとって、頼れるお姉さんでいてあげてください。」という存在に少しでも近づけていればな、と思っています。


「Yoshimiさん(実際は苗字)のグループになってから質問しやすく、またわかりやすく教えてくださったため、より深く理解することができました。」

泣けます。研修の最後に担当していた受講生からいただいた言葉でした。やはり、受講生にとって講師の合う・合わないはあるので、この受講生はグループ替えがあったからこそ、以前の担当講師よりも私が合っていたのかもしれない、と気づくことができたのかもしれません。

この受講生の以前の担当講師の方は、何年も様々な研修を担当してきたベテランで、知識量が豊富、無駄のない的確な指示で教え方が上手い、そして面白い方で、私がとても尊敬している方でした。見習う部分がたくさんあり、振舞い方について日々勉強させていただいた方です。

そんな素晴らしい講師がいる中で、受講生と比較的年齢が近い私は、経験値や知識量としては不利かもしれない、と思っていましたが、私でも対応できることはたくさんあったし、年齢が近いからこそ寄り添うことができた部分もあったのかな、と思いました。


その他にも、感謝の言葉をたくさん聞くことができました。最終日、最後に担当していた受講生全員が、私のこれまでの対応に一言お礼を述べてくださって、そんなに私のことを持ち上げなくても、と思わず口にしてしまうほどでしたが笑、その言葉を受け取ったとき、今までの努力が報われたような気がして、とても心が温かくなりました。

特に、最初から最後までずっと私が担当していた受講生は、ここまでの成長に本当に感動したし、研修最終日はついに終わってしまうんだな、まだまだ成長を見てみたかったな、としんみりしてしまいました。

また、研修の最後の方には、設計書を読んでWebシステムを実際に作ってみる、という総合演習課題があったのですが、プログラムを書くのが楽しい、と言い始めた受講生が多かったのがとても印象的でした。これもこの研修の中での受講生の大きな成長でした。

そんな受講生の姿を通して、私のインストラクションが少しでも役に立てたのかな、と思っています。



一方、もちろん微妙な反応もありました。笑

メッセージではなく、直接話しながら受講生の質問対応をしていたとき、通常ならばわかったときに「はっ」と表情が変わる瞬間があるのですが、そこまで行きつかなかったことがありました。

言葉自体は理解できても、なかなか腑に落ちないときっておそらく誰にでもありますよね。その後、また自分なりに復習します、と言っていたものの、どうなったのかはわからずじまいでした。

あくまでも、質問対応はその受講生に対するヒントの一部分であり、たとえ答えを話したからと言って、理解できるかどうかは受講生によります。そこを埋めてあげる力が私にはまだ弱いのかな、と感じた場面でした。

また、質問内容を深読みしすぎて、全然スマートに回答ができなかったこともありました。結果として上手く解決できたのですが、受講生を少し戸惑わせてしまったのは申し訳なかったな、と思っています。

まだまだ、私にも伸びしろがたくさんあります。


いずれにせよ、受講生の反応は素直なものが多く、そこに助けられたことが何度もありました。



そんな私から受講生へ、最後のお話しとして選んだものは、この2点です。

まずは、今後出会う上司などが、私と同じような話をしていると感じたら、よっぽど重要なことなのだな、と思って受け止めてほしい、ということ。

人の合う、合わないがあるように、響く、響かないがあることは仕方ないのですが、それは1つ何かの「サイン」だよ、というお話をしました。

そして、「できなかった」よりも「できた」にフォーカスしてほしい、ということ。

人は「ない」部分につい目が行ってしまうけど、この研修でできるようになったことはたくさん「ある」ので、研修後は「自信を持って」進んでいってくださいね、というお話をしました。

何かしらメッセージが伝わっていれば幸いです。陰ながら、担当していた受講生のことは応援したいです。ここまで私についてきてくださったこと、本当に感謝しています。



このお仕事は大変なことがたくさんあったし、最初はどうなっていくのかと思いましたが、お仕事を終えて冷静になってみると楽しかったです(自己肯定感が上がった気がします笑)。

いろんな場面で使えそうな「インストラクションスキル」は、これからも伸ばしていきたいと思います。

また、「直接誰かの反応が見られる」というお仕事は、今後を考えて行く上で、私の1つの大きな軸になりそうです。

このような機会をいただいたこと、本当に感謝しています。一緒にお仕事をさせていただいた方々、大変お世話になりました。支えてくださった方々、ありがとうございました。

この一時帰国中の貴重な経験を活かして、次に進んでいきたいと思います。


研修を振り返るような記事は、今後も何か書くかもしれませんが、この「IT×教育、のお仕事。」シリーズの記事は、これにて一旦終了にしたいと思います。

「ITのお仕事@日本」というマガジンにまとめているので、良かったら過去の記事はそちらからも読んでいただけたらな、と思います。

ありがとうございまいした。

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